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CHAPTER 4 文の骨組み 読む目安 約5分 / ⚡暗記ボックス 2

文の骨組み|第4章 être と avoir、否定文と疑問文

この章の狙い

要点: être と avoir は、意味を持つ動詞であると同時に、後の章のほとんどで助動詞として働く。この2つの活用と、否定・疑問の作り方を先に固めると、文法の残りが全部その上に乗る。

フランス語の動詞は主語によって形が変わる。これを活用という。être と avoir はどちらも不規則で、しかも最も頻繁に使う。先に音で覚えてしまうのが結局いちばん速い。

この章では、この2つの活用、否定文の作り方、疑問文の3つの形、そして否定疑問への答え方までを扱う。

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主語人称代名詞

⊳ この節の問題を解く(2問・1枚)

動詞の前に置く主語の形は6つある(3人称は男女で分かれるので、形としては8つ)。

人称 単数 複数
1人称 je(j') nous
2人称 tu vous
3人称 il / elle ils / elles

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  • 📘 主語人称代名詞:動詞の主語になる代名詞。フランス語では原則として省略できない。

いくつか注意がある。

注意
je 母音の前で j' になる(j'ai、j'habite)
tu と vous tu は親しい相手、vous は敬意を払う相手と複数。大学の教員には vous
il / elle 人だけでなく「もの」も指す。名詞の性に従う(le livre → il、la table → elle)
ils 男性が1人でも混じれば ils になる
on 3人称単数として活用するが、意味は「人々」「私たち」
  • 📘 on:形は3人称単数だが、「人は一般に」「私たちは」の意味で使う代名詞。話し言葉では nous の代わりに広く使われる

⚠️ 主語でやりがちな間違い

  • 主語を省略する。日本語のように主語を落とすことはできない。
  • ものを指すときに it の感覚で il だけを使う。女性名詞なら elle。
  • 初対面の相手や教員に tu を使う。関係が変わるまでは vous。

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être の現在形

⊳ この節の問題を解く(2問・1枚)

être は「〜である」を表す。英語の be にあたる。

主語 発音の注意
je suis 語末の s は読まない
tu es [ɛ]
il / elle / on est [ɛ] t は読まない
nous sommes [sɔm]
vous êtes [ɛt] vous êtes は [vuzɛt] とリエゾン
ils / elles sont [sɔ̃]

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第2章で見たとおり、ils sont [ilsɔ̃] と ils ont [ilzɔ̃] の区別は音の1点にかかる。この表を音で覚える段階で、その対比も一緒に確かめる。

être の主な使い方は3つある。

用法 注意
属詞(ぞくし)をつなぐ Il est étudiant. 職業・身分・国籍は無冠詞
状態を言う Je suis fatigué. 形容詞は主語に性数一致する
場所を言う Nous sommes à Paris. 前置詞と組み合わせる

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属詞に形容詞が来ると、主語の性と数に合わせて形が変わる。Elle est fatiguée.、Ils sont fatigués. となる。詳しくは第6章で扱う。

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avoir の現在形

⊳ この節の問題を解く(3問・2枚)

avoir は「持っている」を表す。英語の have にあたる。

主語 発音の注意
j' ai [e] je ai とは書かない
tu as [a]
il / elle / on a [a]
nous avons nous avons は [nuzavɔ̃] とリエゾン
vous avez vous avez は [vuzave] とリエゾン
ils / elles ont ils ont は [ilzɔ̃] とリエゾン

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avoir は所有以外にも広く使う。

表現 意味
avoir … ans 〜歳である
avoir faim / soif 空腹だ/のどが渇いた
avoir chaud / froid 暑い/寒い(人が感じる)
avoir raison / tort 正しい/間違っている
avoir besoin de … 〜が必要だ
avoir envie de … 〜したい

日本語と発想がずれる avoir の表現

  • 「私は20歳です」は J'ai vingt ans. être ではなく avoir を使う。
  • 「寒い」も、人が感じるなら J'ai froid. 天気なら Il fait froid.(第8章)。
  • これらの表現では冠詞を付けない。J'ai faim. であって J'ai la faim. ではない。

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否定文

⊳ この節の問題を解く(4問・1枚)

動詞を ne … pas ではさむ。これだけである。

肯定 否定
Je suis étudiant. Je ne suis pas étudiant.
Il a un frère. Il n'a pas de frère.

母音または無音のhの前で ne は n' になる(エリジオン)。第3章で見たとおり、直接目的語の不定冠詞・部分冠詞は de に変わる

pas の代わりに置ける語がいくつかあり、意味が変わる。

意味
ne … pas 〜ない Je ne fume pas.
ne … plus もう〜ない Je ne fume plus.
ne … jamais 決して〜ない Je ne fume jamais.
ne … rien 何も〜ない Je ne comprends rien.
ne … personne 誰も〜ない Je ne vois personne.
ne … que 〜しかない Je n'ai que dix euros.

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ne … que は否定ではなく限定である。「〜しかない」であって「〜ない」ではないので、後ろの冠詞も de に変わらない。

⚠️ 否定でやりがちな間違い

  • ne を落とす。話し言葉では実際によく落ちるが、書くときは必ず入れる。
  • ne … que を否定と考えて冠詞を de にする。Je n'ai que du temps. のように冠詞はそのまま。
  • 否定の位置を間違える。ne と pas は活用した動詞をはさむ。不定形(ふていけい)ではない。

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疑問文の3つの形

⊳ この節の問題を解く(2問・2枚)

同じ内容を3通りの形で聞ける。どれを使うかは、場面の改まり方で決まる。

作り方 改まり方
イントネーション 文末を上げるだけ Tu es étudiant ? くだけた話し言葉
est-ce que 文頭に付ける Est-ce que tu es étudiant ? 中立。話し言葉で最も安全
倒置 主語と動詞を入れ替える Es-tu étudiant ? 改まった言い方、書き言葉

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倒置には注意点が2つある。

倒置のときの決まり

  • 動詞と主語を -(トレデュニオン) で結ぶ。Es-tu … ?、Avez-vous … ?
  • 3人称単数で母音が続くときは -t- を入れる。A-t-il … ?、Y a-t-il … ?
  • 主語が名詞のときは、名詞を前に出して代名詞で倒置する。Paul est-il étudiant ?

疑問詞を使うときは、疑問詞を文頭に置いて est-ce que か倒置を続ける。疑問詞そのものは第7章でまとめて扱う。

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「はい」と「いいえ」— si の使い方

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

答え方は3つある。ここにフランス語に特有の形がある。

質問 答え 意味
Tu es étudiant ?(肯定の疑問) Oui. はい
Non. いいえ
Tu n'es pas étudiant ?(否定の疑問) Si. いいえ、学生です
Non. はい、学生ではありません

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  • 📘 si:否定の疑問文に対して、「いや、そうだ」と肯定で答えるときの語。oui は使えない。

否定で聞かれたときに肯定で返すなら si を使う。日本語の「はい/いいえ」は英語ともフランス語ともずれるので、答えの内容そのもの(学生かどうか)で決めると間違えない。

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読む・聴く

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

この章の文法だけで書いた文を音にする。以下は本教材で作成した例文である。

フランス語 意味 確認する点
Je suis étudiant en littérature française. 私はフランス文学専攻の学生です。 être + 無冠詞の身分
Nous avons un examen demain. 明日試験があります。 nous avons のリエゾン
Est-ce que vous avez faim ? お腹がすいていますか。 est-ce que、avoir faim
Je n'ai pas de temps aujourd'hui. 今日は時間がない。 否定の de
Il n'est jamais en retard. 彼は決して遅刻しない。 ne … jamais
— Tu n'es pas fatigué ? — Si, un peu. 「疲れていないの?」「いや、少し」 否定疑問への si

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授業で実際に使う表現も、この章の文法でできている。

表現 意味
Je ne comprends pas. わかりません。
Est-ce que vous pouvez répéter ? もう一度言っていただけますか。
Comment dit-on … en français ? 〜はフランス語で何と言いますか。
J'ai une question. 質問があります。

この4つは、フランス語の授業で最初に必要になる文である。音で言えるようにしておくと、聞き取れなかったときに黙らずに済む。

第4章の通過チェック

  • être と avoir の現在形を、6つの形すべて音で言える
  • ils sont と ils ont を言い分けられる
  • avoir を使う表現(年齢・空腹・寒暖・正誤)を4つ言える
  • ne … pas / plus / jamais / rien / personne / que の違いを言える
  • 疑問文の3つの形を、同じ内容で作り分けられる
  • 否定疑問に si で答える場面を説明できる

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次章へ

主語と、最も重要な2つの動詞が入った。次章では、それ以外の動詞の現在形を扱う。フランス語の動詞は活用の型で分類でき、規則的なものが2群、頻出の不規則動詞が7つほどある。

そこで aller と venir を覚えると、aller + 不定形で近い未来、venir de + 不定形で近い過去が言えるようになる。時制を1つも新しく覚えずに、時間の幅が一気に広がる箇所である。

読了の記録はこの端末の中だけに残ります。

📗 読み終えたら、この章の問題で理解を確かめましょう。

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