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CHAPTER 18 考えを述べる 読む目安 約10分 / ⚡暗記ボックス 2

考えを述べる|第18章 話法と時制の一致、論理をつなぐ表現

この章の狙い

要点: 人の発言を伝える形(話法)には、時制を一段ずらすという規則がある。ここまでに学んだ時制がすべて関わるので、この章は初級文法の総仕上げにあたる。あわせて、意見を筋道立てて述べるための接続表現をまとめる。

話法は読解でも作文でも避けて通れない。小説では登場人物の発言が、論文では先行研究の主張が、どちらも間接話法で書かれる。論理をつなぐ表現は、レポートを書くときにそのまま使う道具になる。

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直接話法と間接話法

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

  • 📘 直接話法:発言をそのままの形で引用する言い方。フランス語では « » で囲む。
  • 📘 間接話法:発言を話し手の言葉に直して伝える言い方。que に導かれる従属節になる。
直接話法 間接話法
Il dit : « Je suis fatigué. » Il dit qu'il est fatigué.
Elle dit : « J'ai fini. » Elle dit qu'elle a fini.

人称が変わることに注意する。「私は」と言った人を、伝える側は「彼は」と呼ぶ。

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疑問文と命令文の間接話法

⊳ この節の問題を解く(3問・2枚)

もとの文の種類によって、つなぐ語が変わる。

もとの文 つなぐ語
oui / non で答える疑問文 si Il demande si tu viens.
que / qu'est-ce que(物・目的語) ce que Il demande ce que tu fais.
qu'est-ce qui(物・主語) ce qui Il demande ce qui se passe.
qui、où、quand、comment、pourquoi そのまま Il demande tu habites.
命令文 de + 不定形(ふていけい) Il me dit de venir.

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間接話法の3つの注意

  • si は「もし」ではない。ここでは「〜かどうか」を表す。
  • est-ce que は消える。間接話法では倒置も est-ce que も使わない。
  • 命令文は de + 不定形になる。否定なら Il me dit de ne pas venir.

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時制の一致

⊳ この節の問題を解く(3問・2枚)

主節の動詞が過去のとき、従属節の時制が一段ずれる。

主節が過去のとき、従属節の時制が一段ずれる もとの時制 間接話法での形 現在 半過去 複合過去 大過去 単純未来 条件法現在 前未来 条件法過去 半過去・大過去・条件法はすでにずれた形なので、そのまま。 主節が現在なら、何も変わらない。
時制の一致の対応
直接話法(もとの時制) 間接話法(主節が過去のとき)
現在 半過去
複合過去 大過去
単純未来 条件法(じょうけんほう)現在
前未来 条件法過去
変化
Il a dit : « Je suis fatigué. » → Il a dit qu'il était fatigué. 現在 → 半過去
Il a dit : « J'ai fini. » → Il a dit qu'il avait fini. 複合過去 → 大過去
Il a dit : « Je viendrai. » → Il a dit qu'il viendrait. 単純未来 → 条件法現在

変わらない時制

  • 半過去・大過去・条件法は、すでにずれた形なのでそのまま。
  • 主節が現在のときは何も変わらない(Il dit qu'il est fatigué.)。

この規則があるので、条件法が「未来の代わり」として現れることがある。第15章で見た条件法の用法に、もう1つ加わることになる。読解で条件法を見たら、時制の一致による形かどうかも確かめる。

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時と場所の副詞の書き換え

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

主節が過去のときは、副詞も基準を移す。

直接話法 間接話法
aujourd'hui ce jour-là
hier la veille
demain le lendemain
maintenant alors
ici

Il a dit : « Je pars demain. » → Il a dit qu'il partait le lendemain.

「明日」は発言した人にとっての明日なので、伝える時点では「その翌日」になる。日本語でも同じことをしているが、フランス語では語が決まっている。

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論理をつなぐ表現

⊳ この節の問題を解く(4問・3枚)

意見文やレポートで使う接続表現を、働きごとにまとめる。この一覧が、そのまま作文の骨組みになる。

働き 表現
列挙 d'abord(まず)/ensuite、puis(次に)/enfin(最後に)
追加 de plus、en outre(さらに)/aussi(〜も)
対立 mais(しかし)/cependant、pourtant(それでも)/en revanche(一方)
原因 parce que(〜だから)/car(というのも)/puisque(〜なのだから)/comme(〜なので)
結果 donc(だから)/alors(それで)/c'est pourquoi(だから)/par conséquent(したがって)
譲歩 bien que + 接続法(〜だが)/malgré + 名詞(〜にもかかわらず)
例示 par exemple(たとえば)/en effet(実際)
要約 bref(要するに)/en somme(つまり)/en conclusion(結論として)

⚠️ 紛らわしい組

  • parce que と car parce que は理由を尋ねられた答えになれるが、car は文頭に置けない
  • puisque と parce que puisque は相手も知っている理由を示す。
  • en effet と en fait en effet は「実際そのとおりで」(確認)、en fait は「実は」(訂正)。意味が逆に近い。

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意見を述べる型

⊳ この節の問題を解く(1問・2枚)

レポートでも口頭発表でも使う、決まった言い方がある。

意見を示す À mon avis, …/Selon moi, …/Je pense que + 直説法(ちょくせつほう)
ぼかす Il me semble que …/On pourrait dire que …(第15章)
反論する Certes, …, mais …(たしかに〜だが)
例を出す Par exemple, …/Prenons l'exemple de …
まとめる En conclusion, …/Pour conclure, …

Certes …, mais … は、フランス語の論述で非常によく使う型である。相手の主張をいったん認めてから反論する形で、レポートの説得力を上げる。

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読む・聴く

読み物 — Ce que mon professeur m'a dit(先生に言われたこと)

⊳ この節の問題を解く(1問)

間接話法・時制の一致・論理をつなぐ表現がすべて出る。

フランス語 日本語
Mon professeur m'a dit que la lecture était la clé. 先生は、読書が鍵だと私に言った。
Il m'a demandé si je lisais chaque jour. 先生は、私が毎日読んでいるかと尋ねた。
Je lui ai répondu que je commençais tout juste. 私は、始めたばかりだと答えた。
Il m'a dit de ne pas m'inquiéter : d'abord la régularité, ensuite la vitesse. 先生は心配するなと言った。まず継続、次に速さだと。
À mon avis, il a raison. 私の考えでは、先生は正しい。
Cependant, je pense qu'il faut aussi écrire. しかし、書くことも必要だと思う。
En effet, on ne retient pas ce qu'on ne réutilise pas. 実際、使い直さないものは身につかない。
Donc j'écris trois phrases par jour. だから私は1日に3文書く。

語注

品詞・意味
lecture 女性名詞。読書
clé 女性名詞。鍵
tout juste ちょうど、〜したばかり
s'inquiéter 代名動詞(だいめいどうし)。心配する
régularité 女性名詞。規則正しさ、継続
retenir 動詞(第3群)。覚えている、保つ
réutiliser 動詞(第1群)。再利用する
phrase 女性名詞。文

読みどころ

  • m'a dit que la lecture était la clé は時制の一致。もとの発言は « La lecture est la clé. » で、主節が複合過去なので半過去になっている。
  • m'a demandé si je lisais は、oui / non で答える疑問文の間接話法。si は「もし」ではない。
  • m'a dit de ne pas m'inquiéter は命令文の間接話法。de + 不定形で、否定は ne pas を不定形の前にまとめて置く。
  • d'abord …, ensuite … は列挙、Cependant は対立、En effet は例示・確認、Donc は結果。4種類の接続表現が1つの段落に入っている。
  • je pense qu'il faut は、penser que の肯定文なので直説法(第16章)。ただし il faut のあとに que が続けば接続法(せつぞくほう)になる。

大学のフランス語で

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

論文では、先行研究の主張が間接話法で紹介される。

フランス語 日本語
Barthes affirme que l'auteur est mort. バルトは作者は死んだと主張する。
Certains critiques ont soutenu que ce texte était une satire. 一部の批評家は、このテクストが風刺(ふうし)であると主張した。
Certes, cette lecture est séduisante, mais elle néglige le contexte. たしかにこの読解は魅力的だが、文脈を軽視している。

1つ目は主節が現在なので時制の一致が起きず、2つ目は主節が複合過去なので était になっている。この違いは、読むときに「筆者がいま述べているのか、過去の議論を紹介しているのか」を分ける手がかりになる。

3つ目の Certes …, mais … が、先行研究を扱うときの標準的な型である。まず相手の議論を正確に紹介し、そのうえで自分の位置を示す。これは第7章にあたる文学研究の作法そのもので、レポートの評価に直接効く。

第18章の通過チェック

  • 直接話法を間接話法に直せる(平叙文・疑問文・命令文)
  • si が「〜かどうか」を表す場合を説明できる
  • 時制の一致の4つの対応を言える
  • 変わらない時制を3つ言える
  • 時と場所の副詞の書き換えを5組言える
  • 論理をつなぐ表現を、働きごとに3つずつ言える
  • parce que と car、en effet と en fait の違いを言える
  • Certes …, mais … の使い方を説明できる

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次章へ

ここまでで、現代フランス語の初級文法はひととおり終わった。次章では、文学作品を原文で読むために必要な形を扱う。

小説の地の文で使われる単純過去、その複合形の前過去、そして古い文章に出てくる接続法半過去。どれも自分で書くことはないが、読めなければ作品に入れない。あわせて、詩を読むための音節(おんせつ)の数え方(第2章の e muet がここで効く)も扱う。

読了の記録はこの端末の中だけに残ります。

📗 読み終えたら、この章の問題で理解を確かめましょう。

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