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CHAPTER 17 考えを述べる 読む目安 約10分 / ⚡暗記ボックス 3

考えを述べる|第17章 受動態・現在分詞・ジェロンディフ・使役と知覚

この章の狙い

要点: この章で扱う4つは、どれも文の組み立てを変える仕組みである。受動態は主語を入れ替え、分詞は2つの文を1つに畳み、使役と知覚は「他人にさせる・他人がするのを見る」を1つの動詞句で言う。

読解での出番が多い一方、作文では使わなくても済むという共通点がある。だから優先順位は「読んで分かる」が先で、「書ける」は後でよい。とくに現在分詞とジェロンディフは形が似ていて働きが違うので、そこを分けることがこの章の中心になる。

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受動態

⊳ この節の問題を解く(3問・2枚)

  • 📘 受動態:「〜される」を表す形。être + 過去分詞(かこぶんし)で作り、過去分詞は主語に一致する。
能動態 受動態
Paul écrit la lettre. La lettre est écrite par Paul.
Paul a écrit la lettre. La lettre a été écrite par Paul.
Paul écrira la lettre. La lettre sera écrite par Paul.

受動態の3つの点

  • 時制は être が担う。過去分詞は変わらない。
  • 過去分詞は主語に性数一致する(第6章の形容詞と同じ)。
  • 直接目的補語をとる動詞だけが受動態にできる。

動作主を示す前置詞は2つある。

前置詞 使う場合
par 具体的な動作 Le livre a été traduit par un spécialiste.
de 状態・感情 Il est aimé de tous.

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動作主を示さないことも多い。Ce livre a été publié en 1942.(誰が出版したかは問題にしない)。

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受動態を避ける2つの方法

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

フランス語では、受動態より次の2つのほうがよく使われる。読解ではこちらのほうが出会う頻度が高い。

方法 意味
on を主語にする On a écrit cette lettre en 1942. この手紙は1942年に書かれた
代名動詞(だいめいどうし)の受動用法 Ce livre se vend bien. この本はよく売れる

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代名動詞の受動用法は第10章で扱ったものである。「〜される」と訳す必要があるのに、形の上では受動態でないので、読解で見落としやすい。

意味
Ce mot s'emploie rarement. この語はまれにしか用いられない
Le texte se divise en trois parties. このテクストは3部に分かれる
Cela ne se dit pas. それは言わないものだ

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現在分詞

⊳ この節の問題を解く(2問・2枚)

  • 📘 現在分詞:動詞から作る -ant の形。名詞を修飾したり、理由や同時に起きることを表したりする。

現在分詞の作り方

  • 現在形の nous の形から -ons を取って -ant を足す。(半過去と同じ語幹)
  • parler → parlant、finir → finissant、prendre → prenant
  • 例外は3語。être → étant、avoir → ayant、savoir → sachant

用法は2つある。

用法 意味
名詞を修飾する Les étudiants parlant français sont nombreux. フランス語を話す学生は多い
理由・同時を表す Ayant peu de temps, il est parti. 時間がなかったので、彼は出発した

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複合形もある。ayant / étant + 過去分詞で、主節より前に起きたことを表す。

意味
Ayant vécu la guerre, il écrit avec sobriété. 戦争を経験したので、彼は抑制して書く

この形は書き言葉に特有で、会話では使わない。論文や小説の地の文で頻繁に出会う。

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ジェロンディフ

⊳ この節の問題を解く(2問・2枚)

  • 📘 ジェロンディフ:en + 現在分詞の形。同時・手段・条件・譲歩を表す。

作り方は現在分詞に en を付けるだけである。働きは大きく違う。

形は似ている。違うのは「誰の動作か」 ジェロンディフ en + -ant 主語は必ず主節と同じ En lisant ce roman, on comprend l'époque. 読むのも理解するのも on 現在分詞 -ant 直前の名詞を修飾できる J'ai vu un homme lisant ce roman. 読むのは un homme(je ではない) 作り方はどちらも 現在形の nous から -ons を取って -ant。 例外は3語。étant / ayant / sachant。 ジェロンディフの意味は 同時・手段・条件・譲歩 の4通り。文脈で決まる。 複合形 ayant vécu … は書き言葉に特有。「〜したので」にあたる。
現在分詞とジェロンディフの違い

決定的な違いは「誰の動作か」

  • ジェロンディフの主語は、必ず主節の主語と同じ。
  • 現在分詞は、直前の名詞を修飾できる(主語が違ってよい)。
誰が読むのか
En lisant ce roman, on comprend l'époque. 読むのも理解するのも on(同じ)
J'ai vu un homme lisant ce roman. 読むのは un homme(主語 je とは別)

ジェロンディフの意味は4通りで、文脈で決まる。

意味
同時(〜しながら) Il travaille en écoutant de la musique.
手段(〜することで) En travaillant chaque jour, on progresse.
条件(〜すれば) En commençant aujourd'hui, tu finiras à temps.
譲歩(tout を付けて) Tout en sachant cela, il a continué.

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過去分詞の形容詞的用法

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

過去分詞は、形容詞として名詞を修飾することもできる。名詞に性数一致する。

意味
une porte fermée 閉じられた扉
des livres écrits en français フランス語で書かれた本
assis、debout 座っている、立っている

assis(座った)は過去分詞、debout(立った)は副詞で、形が違うのに意味が対になっている。よく問われる組である。

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使役 — faire と laisser

⊳ この節の問題を解く(2問・2枚)

  • 📘 使役:「〜させる」を表す形。faire + 不定形(ふていけい)で作る。
意味
Je fais réparer ma voiture. 車を修理してもらう
Le professeur fait lire ce texte aux étudiants. 教員は学生にこのテクストを読ませる
Ce livre fait réfléchir. この本は考えさせる

faire と不定形の間には何も入らない。代名詞は faire の前に置く(Je le fais lire.)。

laisser は「〜させておく、〜するままにする」で、放置や許可を表す。

意味
Je laisse les enfants jouer. 子どもたちを遊ばせておく
Laisse-moi parler. 私に話させてくれ

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知覚動詞

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

voir、entendre、écouter、regarder、sentir は、不定形を続けて「〜するのを見る・聞く」を表す。

意味
Je vois les enfants jouer. 子どもたちが遊んでいるのが見える
Je l'entends chanter. 彼(女)が歌うのが聞こえる
Je regarde le train partir. 列車が出ていくのを見る

知覚の対象が動作をするという構造で、使役と形が似ている。faire なら「させる」、voir なら「するのを見る」と区別する。

⚠️ この章でやりがちな間違い

  • 受動態の過去分詞を一致させ忘れる。主語に一致する。
  • ジェロンディフの主語を主節と別にする。必ず同じでなければならない。
  • 現在分詞の例外を規則どおりに作る。étant / ayant / sachant の3語だけ別。
  • faire と不定形の間に語を入れる。間には何も入らない。

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読む・聴く

読み物 — Un roman de 1942(1942年の小説)

⊳ この節の問題を解く(2問)

受動態・代名動詞の受動用法・ジェロンディフ・現在分詞の複合形・知覚動詞・使役がすべて出る。

フランス語 日本語
L'Étranger a été publié en 1942. 『異邦人』は1942年に刊行された。
Il est encore lu aujourd'hui dans le monde entier. それは今日も世界中で読まれている。
En lisant ce roman, on comprend mieux l'époque. この小説を読むと、その時代がよりよく分かる。
L'auteur, ayant vécu la guerre, écrit avec une grande sobriété. 作者は戦争を経験しており、きわめて抑制された筆致で書いている。
On voit le personnage principal hésiter, puis agir. 主人公がためらい、それから行動するのが見える。
Le style, très simple, se lit vite. その文体はきわめて簡素で、速く読める。
Mais il fait réfléchir longtemps. だが長く考えさせる。

語注

品詞・意味
publier 動詞(第1群)。刊行する
le monde entier 世界中
époque 女性名詞。時代
sobriété 女性名詞。簡素さ、抑制
personnage 男性名詞。登場人物
principal 形容詞。主要な
hésiter 動詞(第1群)。ためらう
style 男性名詞。文体
réfléchir 動詞(第2群)。よく考える

読みどころ

  • a été publié / est lu は受動態。時制は être が担っている(複合過去と現在)。
  • En lisant はジェロンディフ。読むのも理解するのも on なので、主語が同じである。
  • ayant vécu は現在分詞の複合形。書き言葉に特有の形で、「〜したので」にあたる。
  • On voit … hésiter は知覚動詞。ためらうのは le personnage であって on ではない。
  • se lit は代名動詞の受動用法。「読まれる」を代名動詞で言っている。
  • il fait réfléchir は使役。主語は le styleで、「文体が読者に考えさせる」という構造である。

『異邦人』(L'Étranger, 1942)はアルベール・カミュ(Albert Camus, 1913-1960)の小説で、フランス文学専攻で最初に原文で読む作品の1つである。第19章で、その冒頭を実際の文体の例として扱う。

大学のフランス語で

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

批評文では、この章の形が集中して現れる。

フランス語 日本語
Ce texte peut être lu de deux manières. このテクストは2通りに読むことができる。
En comparant les deux versions, on découvre des différences importantes. 2つの版を比較すると、重要な違いが見つかる。
Cette question, longtemps négligée, a été reprise récemment. この問題は長く軽視されてきたが、近年あらためて取り上げられた。

3つ目の longtemps négligée は過去分詞の形容詞的用法で、名詞のあとにカンマで挟んで置かれている。この挿入の形は論文で非常に多く、挿入部分をいったん飛ばして主語と動詞をつなぐという読み方(第14章の手順と同じ)が要る。

第17章の通過チェック

  • 受動態の作り方と、時制・一致の担い手を言える
  • 動作主の par と de の使い分けを言える
  • 受動態を避ける2つの方法を、例つきで言える
  • 現在分詞の作り方と、3つの例外を言える
  • ジェロンディフと現在分詞の決定的な違いを言える
  • ジェロンディフの4つの意味を言える
  • 使役 faire と知覚動詞 voir の構造の違いを言える

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次章へ

次章では、人の発言を伝える形(話法)と、文をつなぐ論理の語を扱う。

話法の書き換えには時制の一致という規則があり、ここまでに学んだ時制がすべて関わる。あわせて、意見文を書くときに必要な接続表現をまとめる。第18章は、初級文法の総仕上げにあたる章である。

読了の記録はこの端末の中だけに残ります。

📗 読み終えたら、この章の問題で理解を確かめましょう。

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