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CHAPTER 3 文の骨組み 読む目安 約10分 / ⚡暗記ボックス 4

文の骨組み|第3章 名詞と冠詞 — 性・数と、3種類の冠詞

この章の狙い

要点: フランス語の名詞は、ほとんどの場合そのままでは文に入れられない。冠詞などの限定詞を必ず伴う。だから問題は「冠詞を付けるかどうか」ではなく「3つのうちどれを付けるか」になる。

日本語には冠詞がない。英語には a と the があるが、フランス語にはもう1つ、部分冠詞という第3の種類がある。しかも冠詞は名詞の性と数に合わせて形を変える。この2つが重なるので、最初にまとめて整理しておく価値がある。

この章を終えると、辞書で引いた名詞を、正しい冠詞と正しい複数形で文に置けるようになる。第2章で見たとおり複数形の s は音では聞こえないので、冠詞は聞き取りの手がかりでもある。

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名詞には性がある

⊳ この節の問題を解く(3問・3枚)

すべての名詞が男性名詞か女性名詞のどちらかに属する。生き物でなくても属する。

  • 📘 名詞の性:フランス語のすべての名詞が持つ、男性・女性のいずれかの区分。冠詞・形容詞・代名詞の形がこれに従う。

le livre(本)は男性、la table(テーブル)は女性である。意味からは決まらないので、覚えるしかない。ただし語尾に手がかりがある。

語尾 性 例
-tion, -sion 女性 la nation、la décision
-té, -tié 女性 la liberté、l'amitié
-ure, -ude 女性 la culture、l'habitude
-ette, -elle 女性 la fourchette、la nouvelle
-ment 男性 le gouvernement、le moment
-eau, -ou 男性 le bureau、le bijou
-age 男性 le voyage、le fromage
-isme, -ien 男性 le réalisme、le musicien

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-age で終わる女性名詞(la page、la plage、l'image)のように例外はあるが、手がかりがあるだけで暗記の量はかなり減る。

⚡ 名詞は冠詞ごと覚える

  • ✕ livre=本 → ○ un livre=本
  • 単語帳に名詞を書くときは、必ず冠詞を付けた形で書く。性を別に覚え直すことがなくなる。
  • 辞書では男性名詞が n.m.、女性名詞が n.f. と示される。

性が意味を分ける語もある。数は少ないが、どれも頻出語である。

男性 意味 女性 意味
le livre 本 la livre ポンド(重さ・通貨)
le tour 一周、順番 la tour 塔
le mode 方法、(文法の)法 la mode 流行
le poste 職、ポスト la poste 郵便局
le page 小姓 la page ページ

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⚠️ 性でやりがちな間違い

  • 日本語の感覚で「大きいものが男性」のように意味から決める。決まらない。
  • 覚えるときに冠詞を落とす。後から性だけを覚え直すことになる。
  • 母音で始まる名詞で性を見失う。l'homme も l'heure も同じ l' なので、辞書で確認する。

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複数形の作り方

⊳ この節の問題を解く(3問・2枚)

原則は語末に s を足すだけである。ただし第2章のとおり、この s は発音しない。

型 作り方 例
原則 +s livre → livres
-s, -x, -z で終わる そのまま le fils → les fils、le prix → les prix
-eau, -eu で終わる +x le bureau → les bureaux、le jeu → les jeux
-al で終わる -aux le journal → les journaux、l'animal → les animaux
-ail の一部 -aux le travail → les travaux

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不規則なものは数語しかない。l'œil → les yeux(目)、monsieur → messieurs、madame → mesdames。

⚡ 複数は音で聞こえない

  • livre と livres は同じ音。単数か複数かは冠詞の音で決まる([lə] / [le]、[œ̃] / [de])。
  • だから聞き取りでは、名詞より先に冠詞を聞く。

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3種類の冠詞

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

冠詞は3種類ある。それぞれ男性単数・女性単数・複数で形が変わる。

男性単数 女性単数 複数
不定冠詞 un une des
定冠詞 le(l') la(l') les
部分冠詞 du(de l') de la(de l') —

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  • 📘 不定冠詞:聞き手にとって初めて出てくる、特定されていない「1つの/いくつかの」を示す冠詞。
  • 📘 定冠詞:どれを指すか決まっているもの、種類全体、唯一のものに付く冠詞。
  • 📘 部分冠詞:数えずに量として捉えるものに付く冠詞。英語にはない種類である。

母音または無音のhで始まる名詞の前では、le と la が l' になる(エリジオン)。de l' も同じ理由でできる形である。

2つの問いで、3種類のどれかに決まる 数えるか、量として捉えるか 量 どれを指すか決まっているか 決まっている 決まっていない 定冠詞 le / la / les 不定冠詞 un / une / des 部分冠詞 du / de la J'aime le café.  Je voudrais un café.  Je bois du café. 同じ名詞でも、動詞と場面で3つとも起こりうる。 否定文では、不定冠詞と部分冠詞だけが de に変わる(定冠詞と être の後は変わらない)。
冠詞の選び方

選び方は2つの問いで決まる。

⚡ 冠詞を選ぶ2つの問い

  • 1. 数えるか、量として捉えるか。 量なら部分冠詞(du pain)。
  • 2. どれを指すか決まっているか。 決まっていれば定冠詞(le pain que j'ai acheté)、決まっていなければ不定冠詞(un pain)。

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定冠詞の3つの用法

⊳ この節の問題を解く(1問・2枚)

定冠詞は「the」と同じだと考えると、フランス語では足りない。用法が3つある。

用法 例 説明
特定されたもの Ferme la porte. どの扉かは場面で決まっている
種類の全体(総称) J'aime le café. コーヒーというもの全般
唯一のもの le soleil、la France ほかにない

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2つ目が英語と大きく違う。好き嫌いを言う動詞(aimer、adorer、détester、préférer)のあとは、必ず定冠詞になる。

文 意味
J'aime le café. 私はコーヒーが好きだ(コーヒーというもの全般)
Je bois du café. 私はコーヒーを飲む(ある量のコーヒー)
Je voudrais un café. コーヒーを1杯ください(1杯という単位)

同じ名詞でも、動詞と場面で冠詞が変わる。この3文の対比が、この章でいちばん大事な区別である。

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部分冠詞 — 数えない量

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

数えられないもの、または数えずに量として捉えるものに付く。

例 訳
du pain パン(いくらかの)
de l'eau 水
de la viande 肉
du courage 勇気
de la patience 忍耐

抽象名詞にも使う。Il a du courage.(彼には勇気がある)は、勇気を量として捉えている。

活動を表す faire + 部分冠詞 の形も頻出である。

表現 意味
faire du sport スポーツをする
faire de la musique 音楽をやる
faire du français フランス語を勉強する

⚠️ 部分冠詞でやりがちな間違い

  • 数えられる名詞に部分冠詞を付ける。un livre であって du livre ではない。
  • 「〜が好き」に部分冠詞を使う。J'aime du café. は誤りで、J'aime le café. が正しい。
  • 部分冠詞に複数形があると考える。部分冠詞に複数形はない。複数で漠然とした数を言うときは不定冠詞の des を使う。

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否定の de

⊳ この節の問題を解く(2問・1枚)

否定文では冠詞が変わる。これはフランス語の初級でつまずく点の1つである。

⚡ 否定の de

  • 直接目的語に付いた不定冠詞・部分冠詞は、否定文で de(d') になる。
  • J'ai un frère. → Je n'ai pas de frère.
  • Je bois du café. → Je ne bois pas de café.
  • Il y a des livres. → Il n'y a pas de livres.

変わらない場合が2つある。ここを混同すると誤りになる。

変わらない場合 例
定冠詞のとき J'aime le café. → Je n'aime pas le café.
être の後(属詞)のとき C'est un livre. → Ce n'est pas un livre.

⚠️ 否定の de の間違い

  • 定冠詞まで de に変えてしまう。Je n'aime pas de café. は誤り。
  • être の後でも de にしてしまう。Ce n'est pas de livre. は誤り。
  • 「ない」ことを言っているのに冠詞をそのままにする。Je n'ai pas un frère. は、「1人ではない」という特別な意味になってしまう。

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des が de になるとき

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

形容詞が名詞の前に置かれると、複数の不定冠詞 des は de になる。

形 例
形容詞が後ろ des livres intéressants
形容詞が前 de beaux livres、de grandes maisons

これは書き言葉での規則で、話し言葉では des のまま言うことも多い。答案やレポートでは de に直す。形容詞の位置については第6章で扱う。

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提示表現 — c'est と il y a

⊳ この節の問題を解く(2問・1枚)

名詞を初めて話題に出すときの型が3つある。

型 使い方 例
c'est / ce sont これは〜だ、と示す C'est un livre./Ce sont des étudiants.
il y a 〜がある、いる Il y a un chat dans le jardin.
voici / voilà ここに/そこに〜がある Voici mon livre./Voilà la gare.

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c'est と il est の使い分けは、初級で最も間違えやすい点の1つである。

形 後ろに来るもの 例
C'est + 冠詞つき名詞 冠詞が要る C'est un étudiant.
Il est + 職業・国籍 冠詞を付けない Il est étudiant./Elle est française.

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⚠️ 提示表現の間違い

  • Il est un étudiant. と言ってしまう。職業・身分・国籍を il est で言うときは無冠詞。
  • il y a の否定で冠詞を残す。Il n'y a pas de chat が正しい。
  • ce sont を忘れて c'est を複数にも使う。書き言葉では Ce sont des étudiants. と直す。

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読む・聴く

⊳ この節の問題を解く(1問)

まず、この章の文法だけで書いた文を音にする。以下は本教材で作成した例文である。

フランス語 意味 確認する点
C'est un livre intéressant. これは面白い本だ。 不定冠詞、c'est の後は冠詞つき
J'aime le sport et la musique. 私はスポーツと音楽が好きだ。 好き嫌いの動詞の後は定冠詞
Je fais du sport tous les jours. 私は毎日スポーツをする。 活動の faire + 部分冠詞
Il n'y a pas de café à la maison. 家にコーヒーがない。 否定の de
La discipline est une habitude. 規律は習慣である。 総称の定冠詞、属詞の不定冠詞

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次に、実際に目にする形で確かめる。フランスのカフェや店で使われる表現には、この章の3つの冠詞がそのまま出てくる。

表現 どの冠詞か
un café, s'il vous plaît 不定冠詞(1杯という単位)
de l'eau, s'il vous plaît 部分冠詞(量)
l'addition, s'il vous plaît 定冠詞(この席の勘定と決まっている)

同じ「〜をください」でも冠詞が3種類とも出る。冠詞は文法の飾りではなく、話し手が対象をどう捉えているかを示す部分だと分かる例である。

⚡ 第3章の通過チェック

  • 名詞の性の手がかりになる語尾を、男性・女性それぞれ3つ言える
  • 複数形の作り方を5つの型で言える
  • 3種類の冠詞の形を、男性単数・女性単数・複数まで書ける
  • J'aime le café. / Je bois du café. / Je voudrais un café. の違いを説明できる
  • 否定の de になる場合と、ならない2つの場合を言える
  • C'est un étudiant. と Il est étudiant. の違いを言える

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次章へ

名詞を冠詞つきで置けるようになったので、次はそれを主語にして文を作る。次章では主語人称代名詞と、être・avoir の現在形、そして否定文と疑問文の作り方を扱う。

この2つの動詞は、それ自体が頻出であるだけでなく、第11章の複合過去で助動詞として使う。ここでの活用が、後の章の土台になる。

読了の記録はこの端末の中だけに残ります。

📗 読み終えたら、この章の問題で理解を確かめましょう。

この章の問題を解く ▶
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