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CHAPTER 12 語をつなぐ 読む目安 約10分 / ⚡暗記ボックス 2

語をつなぐ|第12章 半過去・大過去と、過去時制の使い分け

この章の狙い

要点: 半過去は作り方がほぼ例外なしで、覚える負担は小さい。難しいのは複合過去とどちらを使うかである。この選択は規則では決まらず、話し手が出来事を「点」と見るか「線」と見るかで決まる。日本語にはこの区別がないので、意識して訓練する必要がある。

大過去は「過去のさらに前」を表す形で、作り方は複合過去の助動詞を半過去にするだけである。3つの過去がそろうと、物語を語れるようになる。

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半過去の作り方

⊳ この節の問題を解く(4問・4枚)

  • 📘 半過去:過去において続いていた状態・繰り返していた習慣・場面の背景を表す時制。

作り方はすべての動詞で同じである。

半過去の作り方

  • 現在形の nous の形から -ons を取って語幹(ごかん)にする。
  • 語尾は -ais / -ais / -ait / -ions / -iez / -aient
  • 例外は être だけ(語幹は ét-)。
不定形(ふていけい) nous の現在形 半過去の語幹 je の形
parler nous parlons parl- je parlais
finir nous finissons finiss- je finissais
faire nous faisons fais- je faisais
prendre nous prenons pren- je prenais
aller nous allons all- j'allais
avoir nous avons av- j'avais
être ét- j'étais

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語尾の音は3種類しかない。-ais / -ais / -ait / -aient はすべて [ɛ]、-ions が [jɔ̃]、-iez が [je] である。第5章の第1群現在形と同じく、音では nous と vous だけが違う

綴りの調整も現在形と同じ理由で起きる。je commençais(c を [s] のまま)、je mangeais(g を [ʒ] のまま)。

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半過去の3つの用法

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

用法 意味
継続・背景 そのとき〜していた Il pleuvait quand je suis sorti.
習慣・繰り返し よく〜していた Quand j'étais petit, j'allais à la mer chaque été.
描写 〜だった(状態の説明) La maison était grande et blanche.

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3つとも共通しているのは、始まりと終わりを問題にしていないという点である。半過去は出来事を「幅のあるもの」として示す。

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複合過去との使い分け

⊳ この節の問題を解く(4問・3枚)

同じ文の中で、線の上に点が置かれる Je regardais la télévision 半過去=線 quand il est arrivé 複合過去=点 過去 いま 複合過去を使うとき 起きて、終わった出来事 話を前に進める 期間があっても、閉じていればこちら 半過去を使うとき 続いていた状態・習慣・描写 場面を説明する 始まりと終わりを問題にしない
複合過去は点、半過去は線

点と線

  • 複合過去=出来事の「点」。起きて、終わった。物語を前に進める。
  • 半過去=状態の「線」。続いていた。場面を説明する。

同じ文の中で両方が使われると、この違いがはっきり見える。

分析
Je regardais la télévision quand il est arrivé. 見ていた(線)ところに、着いた(点)
Il faisait beau, alors nous sommes sortis. 天気がよかった(背景)ので、出かけた(出来事)
Quand j'étais étudiant, j'ai visité Paris trois fois. 学生だった(線)あいだに、3回訪れた(点)

同じ動詞でも、どちらを使うかで意味が変わる。

意味
Il a été malade. 病気になった(そして治った。期間が閉じている)
Il était malade. 病気だった(そのときの状態。終わりを問題にしていない)
J'ai su la vérité. 真実を知った(知るという出来事)
Je savais la vérité. 真実を知っていた(状態)

⚠️ 使い分けでやりがちな間違い

  • 期間が示されていれば半過去、と考える。pendant deux ans があっても、閉じていれば複合過去。
  • 「〜していた」を機械的に半過去にする。日本語の「〜ていた」は両方にあたる。
  • 会話文の中で全部を複合過去にする。背景の説明は半過去にしないと、場面が立ち上がらない。

判断に迷ったら、「その出来事は物語を先へ進めるか」を問う。進めるなら複合過去、場面を説明しているだけなら半過去である。

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半過去のその他の用法

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

出来事の描写以外にも使う。どちらも頻出する。

用法 意味
語調をやわらげる Je voulais vous demander quelque chose. お尋ねしたいことがあるのですが
提案する Si on allait au cinéma ? 映画に行きませんか
仮定(si の中) Si j'avais le temps, … もし時間があれば…(第15章)

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Si on + 半過去 ? は、提案するときの定型である。直訳では通じないので、形ごと覚える。

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大過去

⊳ この節の問題を解く(2問・1枚)

  • 📘 大過去:過去のある時点よりさらに前に完了していたことを表す時制。

作り方は複合過去と同じ構造で、助動詞を半過去にするだけである。

avoir の半過去 + 過去分詞(かこぶんし) j'avais parlé
être の半過去 + 過去分詞 j'étais allé(e)
代名動詞(だいめいどうし) je m'étais levé(e)

助動詞の選択も過去分詞の一致も、複合過去とまったく同じ規則である(第11章)。

意味
Quand je suis arrivé, il était déjà parti. 私が着いたとき、彼はすでに出発していた
J'avais déjà lu ce livre. 私はその本をすでに読んでいた

「〜していた」ではなく「〜してしまっていた」にあたる。日本語では区別しないことが多いので、時間の前後関係を意識して選ぶ必要がある。

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3つの過去の関係

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

時制 表すもの 物語での役割
大過去 それ以前に完了していたこと さかのぼって説明する
半過去 続いていた状態・背景 場面を作る
複合過去 起きて終わった出来事 話を前に進める

← 横に動かして読めます →

この3つがそろうと、過去の話が自然に語れる。フランス語の物語の骨格は、ほぼこの組み合わせでできている。

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読む・聴く

読み物 — Comment j'ai commencé(どうやって始めたか)

⊳ この節の問題を解く(1問)

半過去と複合過去が交互に出る。どちらが背景でどちらが出来事かを、1文ずつ確かめながら読む。

フランス語 日本語
Quand j'étais au lycée, je n'aimais pas les langues. 高校生のころ、私は語学が好きではなかった。
Les cours étaient longs et je m'ennuyais souvent. 授業は長く、私はよく退屈していた。
Un jour, j'ai vu un film français à la télévision. ある日、テレビでフランス映画を見た。
Je ne comprenais rien, mais la langue me plaisait. 何も分からなかったが、その言語が気に入った。
Le lendemain, j'ai acheté un manuel. 翌日、私は教科書を買った。
J'avais déjà essayé l'anglais, mais cette fois, c'était différent. 英語はすでに試したことがあったが、今度は違った。
Depuis, je travaille tous les jours. それ以来、私は毎日勉強している。

語注

品詞・意味
lycée 男性名詞。高校
langue 女性名詞。言語、舌
cours 男性名詞。授業(単複同形)
s'ennuyer 代名動詞。退屈する
plaire à 動詞(第3群)。〜の気に入る
lendemain 男性名詞。翌日
manuel 男性名詞。教科書
essayer 動詞(第1群)。試す
depuis 前置詞・副詞。それ以来

読みどころ

  • j'étais / je n'aimais pas / étaient / je m'ennuyais はすべて背景。当時どうだったかを説明している。
  • j'ai vu / j'ai acheté は出来事。この2つだけが話を前に進めている。
  • Je ne comprenais rien, mais la langue me plaisait. は、出来事の最中の状態なので半過去。
  • J'avais déjà essayé は大過去。映画を見た時点より前に起きたことをさかのぼって説明している。
  • 最後の je travaille は現在形。depuis は今も続いていることを示すので、第8章のとおり現在形になる。

大学のフランス語で

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

文学史や評論では、半過去が時代の状況を説明するために使われる。

フランス語 日本語
Au dix-neuvième siècle, la bourgeoisie dominait la société. 19世紀、ブルジョワジーが社会を支配していた。
Les écrivains vivaient souvent de leur plume. 作家たちはしばしば筆で生計を立てていた。
C'est dans ce contexte que Flaubert a écrit son roman. こうした状況の中でフローベールはその小説を書いた。

状況が半過去、個々の作品や出来事が複合過去という配分になる。この対比は、文学史の記述を読むときにそのまま現れる。作品そのものの中では複合過去の位置に単純過去(第19章)が入るが、線と点の対立という構造は変わらない

第12章の通過チェック

  • 半過去の語幹の作り方と、唯一の例外を言える
  • 半過去の3つの用法を、例つきで言える
  • 複合過去と半過去を「点と線」で説明できる
  • Il a été malade. と Il était malade. の違いを言える
  • Si on allait … ? の意味と使い方を言える
  • 大過去の作り方と、助動詞・一致の規則を言える
  • 3つの過去の、物語での役割を言える

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次章へ

過去を語る形がそろった。次章は未来である。単純未来は語幹に特徴があり、不規則な語幹を10語ほど覚える必要がある。

あわせて前未来(未来のある時点までに完了していること)を扱い、第5章で学んだ近接未来との使い分けも整理する。時を表す接続詞のあとで、フランス語は日本語や英語と違う時制をとるので、そこも同じ章で押さえる。

読了の記録はこの端末の中だけに残ります。

📗 読み終えたら、この章の問題で理解を確かめましょう。

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