🧭全体地図📘文化と芸術
KEY POINTS ⚡ 208 個 / やってはいけない形 359 件 / 通過チェック 20 章

要点208

時代の順に、覚える中身・混同しやすい形・通過チェックを並べてあります。作品に美術や音楽が出てきたときと、試験前の総ざらいに使ってください。 各章は 結論 → ⚡ 覚える中身 → やってはいけない形 → 通過チェック の順に並びます。 それぞれの下のリンクから、その要点が出てくる本文の節に戻れます。

導入 第1章 全体地図 — 芸術を文学のためにどう使うか

文学専攻にとって芸術は、教養ではなく道具である。
⚡ 1

どの場面でも共通すること

  • その芸術が、当時どういう位置にあったかを確かめる。前衛だったのか、権威だったのか。
  • 作品の記述を根拠にする。「この場面には印象派的な光がある」で終えない(08の領域)。
  • 年を確かめる。作品の刊行年と、その様式が現れた年の前後関係を間違えない。
本文で読む:芸術を使う3つの場面 ▶
⚡ 2

3つは同じ時代を別の面から見ている

  • 17世紀の古典主義は、王権の集中(03)、理性への信頼(04)、規則に従う形式(05)として、それぞれの領域に現れる。
  • 19世紀の写実主義は、産業社会(03)、実証主義(04)、日常を主題にする絵画(05)として現れる。
  • 並べて見ると、時代の輪郭がはっきりする。
本文で読む:03・04との分担 ▶
⚡ 3

この制度の話が、文学と直結する

  • アカデミーとサロンの構造は、文学の場の構造とよく似ている(08の領域)。
  • 落選した画家が独自に展覧会を開くという動きは、文学の同人誌と同じ構図にあたる。
  • 19世紀後半に、両方の分野で「制度の外」が力を持つという同じ現象が起きる。
本文で読む:制度を見る ▶
⚡ 4

使い方

  • 記述に使う。「美しい」ではなく「明暗の対比が強い」と書く。
  • 専門的な分析は要らない。文学専攻に求められるのは、位置と関係を押さえることにあたる。
  • 分からない語は事典で引く(第20章)。
本文で読む:用語を最小限そろえる ▶
⚡ 5

記述の順序

  • 1. 何が描かれているか(主題)。
  • 2. どう配置されているか(構図)。
  • 3. 光はどこから来ているか(明暗)。
  • 4. 何で描かれているか(技法)。
  • 5. そのうえで、どの様式に属するか。
  • 様式を最初に言わない。観察を先に、分類を後に置く。
本文で読む:記述に使う語をそろえる ▶
⚡ 6

年代を書くときの形

  • 作品には制作年を付ける。「1863年の作品」。
  • 運動には幅を付ける。「1870年代から1880年代にかけて」。
  • 世紀で言うときは前半・後半を添える。「19世紀後半」。
  • 文学の年表と並べたとき、ずれが見えるようにする。それがこの教材の使い道にあたる。
本文で読む:時代区分の扱い方 ▶

✕ やってはいけない形

✓ 通過チェック

第1章の通過チェック

  • 芸術を使う3つの場面を言える
  • 芸術を使うときの3つの失敗を言える
  • 03・04・05の分担を、扱うものの面から言える
  • 様式名を扱うときの注意を3つ言える
  • 芸術の制度を6つ挙げ、文学の場との共通点を言える
  • 分野ごとの最小限の用語を、それぞれ4つ言える
本文で読む:この教材の限界 ▶

中世 第2章 中世 — ロマネスクとゴシック、写本装飾

中世の芸術で押さえるのは2つである。建築の様式の転換と、写本という書物の形にあたる。
⚡ 7

技術と意味は結びついている

  • 尖頭アーチは、半円より上に力を逃がせる。したがって高くできる。
  • 交差リブが荷重を柱に集める。壁が構造から解放される。
  • 飛び梁が外から支える。壁をさらに薄くできる。
  • 結果として、壁の代わりに光が入る。光そのものが神学的な意味を与えられた。
本文で読む:ロマネスクとゴシック ▶
⚡ 8

押さえておくこと

  • 数十年から百年以上かかる。したがって同じ建物の中に複数の様式が混在する。
  • 都市の事業だった。司教と市民が資金を出し、規模を競った。
  • 石工の職能集団が各地を移動し、技術が広まった。
  • 19世紀に大規模な修復が行われた。現在見えている姿は、その修復を経ている(第12章)。
本文で読む:大聖堂という事業 ▶
⚡ 9

中世の書物の形

  • 文字と絵が同じ頁にある。挿絵は本文の一部として機能する。
  • 余白に注釈と装飾がある。読むとは、本文と注と絵を同時に見ることだった(04の領域)。
  • 頭文字が大きく装飾される。その中に場面が描かれることもある。
  • 1冊ずつ違う。同じ作品でも、写本ごとに絵の内容と配置が違う。
本文で読む:写本と装飾 ▶
⚡ 10

『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』

  • 15世紀初頭の制作。月ごとの労働と暦を描いた頁がよく知られている。
  • 農村の労働、城館、貴族の生活が、細密に描かれている。
  • 当時の暮らしを知る材料としても使われるが、注文主の理想化が入っていることに注意する(03の領域)。
本文で読む:写本と装飾 ▶
⚡ 11

中世の作品を読むときに要る背景

  • 写本の複数性 — 『ロランの歌』のように、写本ごとに本文が違う(07の領域)。装飾も写本ごとに違う。
  • 寓意(ぐうい) — 抽象的な観念を人物として描く技法が、彫刻・ステンドグラス・文学に共通して使われる(04の領域)。
  • 余白の文化 — 本文と関係のない図像が余白に描かれる。笑いと逸脱の場として論じられてきた。
  • 建築と文学の対応 — 大聖堂の構成と、長編の物語の構成を対比する議論が19世紀以降に行われた。ただし比喩であって、証明された関係ではない。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 12

なぜ違いが生まれたか

  • 重さをどこで受けるかが変わった。
  • ロマネスクは壁全体で屋根の重さを受ける。だから壁を厚くし、窓を小さくするしかない。
  • ゴシックは重さを柱と外の支えに集める。壁が重さを受けなくてよいので、窓を大きくできる。
  • 色ガラスの窓は、その結果として可能になった。装飾のためだけではない。
本文で読む:ロマネスクとゴシックを見分ける ▶
⚡ 13

作られ方

  • 獣(けもの)の皮を加工した紙に書く。高価で、手間がかかる。
  • 文字を書く人と、絵を描く人が別であることが多い。
  • 金や高価な顔料が使われる。装飾された写本は、それ自体が財産にあたる。
  • 注文して作らせるものであり、誰が注文したかが分かる場合が多い。
本文で読む:写本という形 ▶
⚡ 14

文学研究にとっての意味

  • 同じ作品でも、写本ごとに本文が違う(10・07の領域)。
  • 挿絵が、当時どう読まれていたかを示す。どの場面が絵になったかが手がかりになる。
  • 余白の書き込みが、読者の反応の記録として残っている場合がある。
  • したがって写本は、受容史の一次資料にあたる(08の領域)。
本文で読む:写本という形 ▶

✕ やってはいけない形

✓ 通過チェック

第2章の通過チェック

  • ロマネスクとゴシックの違いを、7つの面から言える
  • 尖頭アーチ・交差リブ・飛び梁が、それぞれ何を可能にしたかを言える
  • 「ゴシック」という語の由来と、19世紀の再評価を言える
  • 大聖堂の事業の特徴を4つ言える
  • 写本の書物としての形の特徴を4つ言える
  • 時祷書とは何かを言える
  • 中世の作品を読むときに要る背景を4つ言える
本文で読む:写本という形 ▶

近世 第3章 16世紀 — イタリアからの流入と城館

16世紀の芸術は、イタリアからの流入で大きく変わる。
⚡ 15

4つの流入

  • 遠近法 — 一点に消失する線遠近法。画面の中に奥行きの秩序を作る。
  • 人体の表現 — 古代彫刻に学んだ比例と姿勢。
  • 古代の建築の規則 — 柱の様式(オーダー)、左右対称、比例。
  • 理論書建築と絵画の規則を言葉で書いた書物。フランス語訳が出て、規則が共有される。
本文で読む:何が入ってきたか ▶
⚡ 16

理論書が入ることの意味

  • 作り方が、職人の経験から、書かれた規則へ移る。
  • 規則があれば、正しさを議論できる。批評の言葉が生まれる素地にあたる。
  • 同じことが文学でも起きる。詩法の規則が書かれ、論じられるようになる(07の領域の詩法)。
  • 17世紀の古典主義は、この延長にある(第4章)。
本文で読む:何が入ってきたか ▶
⚡ 17

変化の中身

  • 防御のための城から、住むための館へ。堀と塔が装飾になる。
  • 左右対称の平面。イタリアの影響。
  • 大きな窓。採光が重視される。
  • 庭園が建物と一体で設計される。
  • ただしゴシックの要素も残る。急勾配の屋根、垂直の強調。混在が16世紀の特徴にあたる。
本文で読む:城館 ▶
⚡ 18

何が新しかったか

  • イタリアから画家と装飾家が招かれ、工房が作られた。
  • 絵画と漆喰(しっくい)の彫刻と額縁を組み合わせた装飾が生まれた。
  • 神話を主題にした裸体の表現が広まる。
  • 版画によって、この様式が各地に伝わった。版画は当時の複製技術にあたる。
本文で読む:フォンテーヌブローの装飾 ▶
⚡ 19

なぜ重要か

  • 図像が移動する。イタリアの絵が、版画によってフランスの職人に届く。
  • 書物の挿絵になる。印刷術と結びつく(03の領域)。
  • 安価に手に入る。絵画を買えない層にも図像が届いた。
  • 文学との関係挿絵つきの書物が広まり、読書の形が変わる。
本文で読む:版画という技術 ▶
⚡ 20

16世紀の作品を読むときに要る背景

  • 古代への回帰 — 人文主義(04の領域)が、美術でも文学でも同じ方向に働いた。古代を範として、規則を学ぶ。
  • プレイヤード派 — 詩をフランス語で書くという主張は、イタリアとの関係で自国語の地位を上げるという文脈にある(02の領域)。
  • 描写の技術 — 遠近法と人体の表現は、空間と身体をどう言葉にするかという問題と並行する。
  • 『エセー』の視覚 — モンテーニュの記述には、対象を多面的に見る態度がある。同時代の絵画の空間の扱いと重ねて論じられることがあるが、比喩にとどめる(08の領域)。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 21

版画が果たした役割

  • 同じ図像を複数作れる。一点ものだった絵画と、性質が根本から違う。
  • 遠くの作品を知ることができる。イタリアの作品が、版画によってフランスに伝わった。
  • 建築の図面と装飾の型が版画で広まる。
  • 本の挿絵として使われる。文字と図像が同じ本の中に入る。
本文で読む:版画と印刷 ▶
⚡ 22

文学とのつながり

  • 本の作り方が変わる。印刷された本が、写本に代わっていく(第2章)。
  • 扉(とびら)の装飾、著者の肖像、寓意(ぐうい)の図。本の中の図像が、作品の読まれ方に関わる。
  • 同じ図像が繰り返し使われる。在庫の版木を使い回すことがあった。
  • したがって挿絵が本文と対応しない場合がある(07の領域)。
本文で読む:版画と印刷 ▶
⚡ 23

芸術と文学が同じ場にいた

  • 宮廷は、絵画・建築・音楽・詩が同時に注文される場にあたる。
  • 祝祭・入市式・婚礼のために、装飾と詩と音楽がまとめて作られた。
  • 詩人が、絵画や建築の主題を提案することがあった。
  • したがってこの時期は、第19章の型4(制度)が最もよく当てはまる。
本文で読む:宮廷と詩人 ▶
✓ 通過チェック

第3章の通過チェック

  • イタリアから入ってきた4つを言える
  • 理論書が入ることの意味を3つ言える
  • 城館の変化の中身を4つ言え、ゴシックの要素が残ることを言える
  • フォンテーヌブローの装飾の新しさを3つ言える
  • 版画がなぜ重要かを4つ言える
  • 16世紀の芸術が宗教戦争でどうなったかを言える
  • 美術の古代への回帰と、文学の人文主義の並行を説明できる
本文で読む:宮廷と詩人 ▶

近世 第4章 17世紀 — 古典主義とヴェルサイユ

17世紀に、規則が制度になる。
⚡ 24

何をしたか

  • 教育。素描の訓練を体系化した。
  • 規範の設定。何が優れた絵画かの基準を定めた。
  • 序列の設定。下の表の主題の序列を制度化した。
  • 展覧会。会員の作品を公開する場を作った。
  • 議論。定期的な講演で、作品を分析し規則を言葉にした。
本文で読む:アカデミーという制度 ▶
⚡ 25

序列の理由

  • 歴史画は、複数の人物を配し、物語を構成し、教養を要するとされた。
  • 静物画は、対象を写すだけと見なされた。
  • つまり「考えること」を含む主題が上に置かれた。
  • この序列が19世紀に崩れる(第8章・第9章)。崩れる過程が、そのまま近代美術の歴史になる。
本文で読む:アカデミーという制度 ▶
⚡ 26

特徴

  • 明晰な構図。画面が幾何学的に整理される。
  • 素描の重視。輪郭が明確で、形が先にある。
  • 理想化。現実そのままではなく、あるべき形に整える。
  • 古代を範とする。主題も、人物の姿勢も。
  • 感情の抑制。激しい動きより、静かな均衡。
本文で読む:古典主義の絵画 ▶
⚡ 27

なぜ重要か

  • 理性と感覚のどちらを上に置くかという争いにあたる(04の領域)。
  • 文学の側の論争と同時期である。古代と近代のどちらが優れているかをめぐる論争が並行して起きた(02の領域)。
  • 18世紀に、色彩の側が優勢になる(第6章)。
  • この対立は19世紀にも形を変えて反復される(第7章)。
本文で読む:色彩と素描の論争 ▶
⚡ 28

総合的な事業だった

  • 建築 — 増改築を重ね、巨大化した。
  • 庭園幾何学的に設計された。自然を規則に従わせるという発想にあたる。
  • 絵画と彫刻 — 王を讃える主題が組織的に作られた。
  • 音楽と演劇 — 祝祭のために作曲され、上演された。
  • 儀礼 — 起床から就寝まで、日課そのものが演出された(03の領域)。
本文で読む:ヴェルサイユ ▶
⚡ 29

文学との関係

  • 悲劇と喜劇が、この場で上演された(第5章)。
  • 作家が年金と職を得るには、この宮廷との関係が要る(03の領域)。
  • したがって17世紀の文学を、宮廷から独立した表現として読まない。
  • 同時に、内部からの観察が生まれる。モラリストの人間観は、この場での観察に基づく(04の領域)。
本文で読む:ヴェルサイユ ▶
⚡ 30

17世紀の作品を読むときに要る背景

  • 規則という考え方 — 悲劇の三単一(さんたんいつ)の規則と、絵画の規範は、同じ「規則に従うことが優れている」という価値を共有する。
  • 主題の序列 — 文学にもジャンルの序列がある。悲劇が上、喜劇が下(08の領域)。同じ構造にあたる。
  • 明晰さ — 言語の明晰さ(04の領域)と、構図の明晰さが対応する。
  • アカデミーという形 — 言語のアカデミー(1635年)と美術のアカデミー(1648年)が、同じ発想で作られている。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 31

アカデミーが決めたこと

  • 誰が正式な芸術家か。会員であることが資格になる。
  • 何を教えるか。素描(そびょう)を基礎とし、古代の作品を手本にする。
  • どの主題が高いか。歴史画を最上位とし、肖像・風景・静物・日常の場面を下に置く序列があった。
  • どこで発表するか。公式の展覧会が、事実上唯一の発表の場になる(第6章)。
本文で読む:アカデミーが決めたこと ▶
⚡ 32

17世紀の庭園

  • 左右対称。中心の軸を通し、その両側を対応させる。
  • 見通しを作る。一点から全体が見えるように設計される。
  • 自然を幾何学の形に整える。木も水も、直線と円で構成される。
  • 建物と庭が、1つの計画として作られる。
本文で読む:庭園という形式 ▶
⚡ 33

何を意味していたか

  • 自然を秩序に従わせるという主張にあたる。
  • 一点から全体が見えることは、統治の比喩として読める。
  • 18世紀に、これと正反対の庭園が流行する(第6章)。不規則で、自然に見えるように作られた庭。
  • その転換は、感受性の変化と対応している(04の領域)。
本文で読む:庭園という形式 ▶
✓ 通過チェック

第4章の通過チェック

  • アカデミーがしたことを5つ言える
  • 主題の序列を5段階で言い、その理由を説明できる
  • 古典主義の絵画の特徴を5つ言える
  • プッサンとクロード・ロランの活動の場を言える
  • 色彩と素描の論争の対立点と、その意味を言える
  • ヴェルサイユが総合的な事業だったことを5つの面から言える
  • 美術のアカデミーと言語のアカデミーの共通点を言える
本文で読む:庭園という形式 ▶

近世 第5章 劇場という場 — 17〜18世紀の上演

上演の条件が、作品の形を決める。
⚡ 34

17世紀の劇場の条件

  • 細長い建物。もとは球技場を転用した例が多い。
  • 平土間(ひらどま)は立ち見。最も安く、最も騒がしい。
  • 側面と上階に桟敷(さじき)席。高価で、身分の高い観客が座る。
  • 舞台の上にも観客の席があった。役者のすぐ横に、金を払った客が座る。
  • 照明は蝋燭(ろうそく)。客席も明るいまま。暗転はできない。
本文で読む:建物と舞台 ▶
⚡ 35

この条件が作品に与えたもの

  • 舞台が狭い。舞台上に観客がいるので、大人数の動きが取りにくい。
  • 暗くできない。場面の切り替えを、言葉で示す必要がある。
  • 観客が見えている。役者と観客の距離が近く、反応が直接返ってくる。
  • したがって、台詞(せりふ)が場面と時間を説明する役割を持つ。
本文で読む:建物と舞台 ▶
⚡ 36

2つの方向

  • 悲劇 — 装置は簡素。宮殿の広間のような、変わらない場所が選ばれる。
  • 機械仕掛けの劇装置を大きく動かし、飛行や変身を見せる。別系統の人気を持った。
  • 後者は費用がかかる。王や大貴族の祝祭で上演された(03の領域)。
  • 音楽と踊りを伴う。のちの歌劇(かげき)につながる(第11章)。
本文で読む:装置と機械 ▶
⚡ 37

観客の力

  • 初日の反応で、上演の継続が決まった。
  • 上演の成否が、作家の収入を左右する(03の領域)。
  • 論争が起きると、劇場の外でも小冊子で争われた。
  • したがって作品は、この観客を意識して書かれている(08の領域の受容)。
本文で読む:観客 ▶
⚡ 38

何が変わったか

  • 1759年、舞台上の観客席が廃止される。舞台が広く使えるようになる。
  • 劇場の建物が大型化する。より多くの観客を収容する。
  • 装置と照明が発達する。場面の変化を視覚で示せるようになる。
  • 新しいジャンルが現れる。悲劇と喜劇の中間にあたる、市民の生活を扱う劇。
  • 観客層が広がる。演劇が都市の娯楽として定着する(03の領域)。
本文で読む:18世紀の変化 ▶
⚡ 39

形式への影響

  • 暗転と場面転換ができるようになると、三単一の規則の必要が減る。
  • 19世紀のロマン主義の演劇が、この規則を正面から破る(02の領域)。
  • つまり、規則の崩壊には技術的な条件も関わっている。
本文で読む:18世紀の変化 ▶
⚡ 40

戯曲を読むときに要る背景

  • ト書きを飛ばさない。当時の装置と照明の条件で、何が可能だったかを考える(10の領域)。
  • 場面の説明が台詞に含まれていることに注意する。「ここは〜である」と人物が言う理由が、条件の側にある。
  • 観客の存在を前提に読む。傍白(ぼうはく)や独白は、観客に向けられている。
  • 上演の記録を探す。初演の年、劇場、反応(07の領域)。
  • 戯曲は上演されて完成する(10の領域)。読むだけでは半分しか分からない。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 41

17〜18世紀の観客席

  • 平土間(ひらどま)は立ち見であり、身分の低い観客が入った。声を出し、動き回る。
  • 桟敷(さじき)は高価で、貴族と富裕層が座る。
  • 舞台の上にも座席があった時期がある。貴族が舞台の脇に座り、上演を妨げた。
  • 上演は静かに見るものではなかった。現在の劇場の作法とは違う。
本文で読む:観客という条件 ▶
⚡ 42

作品への影響

  • 観客の反応が、その場で作品を左右する。
  • 有名な台詞には、聞かせるための間が置かれる。
  • 上演の失敗が、その作品の評価を長く決めることがあった。
  • したがって初演の記録は、作品研究の資料にあたる(10・07の領域)。
本文で読む:観客という条件 ▶
⚡ 43

上演には許可が要った

  • 上演できる劇場が限られていた時期がある。特権を与えられた劇団だけが正規の上演を行えた。
  • 台本は事前に検閲を受けた。
  • 政治と宗教に触れる主題が制限される。
  • そのため、寓意(ぐうい)や遠い国の設定を使って、批判を間接的に行う方法が発達した。
本文で読む:検閲と許可 ▶

✕ やってはいけない形

✓ 通過チェック

第5章の通過チェック

  • 17世紀の劇場の条件を5つ言える
  • その条件が作品に与えたものを4つ言える
  • 三単一の規則を、上演の条件の面から説明できる
  • 装置の2つの方向を言える
  • 3つの席と、それぞれの観客の振る舞いを言える
  • 1759年に何が変わったかを言える
  • 技術的な条件が規則の崩壊に関わることを説明できる
本文で読む:検閲と許可 ▶

近世 第6章 18世紀 — ロココ、サロン、美術批評の誕生

18世紀の要点は2つである。展覧会が公衆に開かれたことと、美術批評が生まれたことにあたる。
⚡ 44

特徴

  • 主題 — 神話と歴史から、恋愛・遊び・田園へ移る。
  • 色彩 — 明るく、淡い。素描より色彩が前に出る(第4章の論争の帰結)。
  • 画面 — 曲線が多く、対角線の構図。中心が定まらない。
  • 大きさ — 大画面より、部屋を飾る中小の作品が増える。
  • 宮廷から、都市の邸宅へ。私的な空間の装飾になる。
本文で読む:ロココ ▶
⚡ 45

なぜこの変化が起きたか

  • 注文主が変わった。王だけでなく、都市の富裕層が買うようになる(03の領域)。
  • 飾る場所が変わった。大広間ではなく、小さな部屋。
  • 社交の形が変わった。サロン(社交の集まり)での会話が価値になる(03・04の領域)。
  • したがって、様式の変化は制度と場の変化と結びついている(08の領域)。
本文で読む:ロココ ▶
⚡ 46

なぜ重要か

  • 1737年以降、ほぼ隔年で定期的に開かれた。
  • 入場は無料で、幅広い層が訪れた。
  • 壁一面に、床から天井まで作品が掛けられた。位置が評価を左右する。
  • 目録(もくろく)が売られ、作品に番号が付いた。
  • したがって「公衆が芸術を見て論じる場」が成立した(03の領域の世論)。
本文で読む:サロンという展覧会 ▶
⚡ 47

何が新しかったか

  • 展覧会があって初めて、共通の対象について論じられる。
  • 読者は、その作品を見た人と、見ていない人の両方。
  • したがって、作品を言葉で記述する必要が生じた。
  • 記述と判断を分けて書くという形式が作られていく(07・08の領域)。
本文で読む:美術批評の誕生 ▶
⚡ 48

ディドロのサロン評

  • 1759年から、展覧会ごとに批評を書いた(04の領域)。
  • 作品の前に立って見たままを書き、そこから判断へ進むという形を取った。
  • 絵の中に入り込んで語るような書き方も用いた。
  • 手書きで少数の読者に配られた。当時の一般の読者には届いていない。
  • したがって「美術批評の誕生」を、公開の批評の誕生と混同しない。
本文で読む:美術批評の誕生 ▶
⚡ 49

ロココとの対比

本文で読む:新古典主義 ▶
⚡ 50

なぜ転換したか

  • 遺跡の発掘により、古代の実物が知られるようになった。
  • 理論の側から、ロココを軽薄と批判する声が強まった。
  • 公共の徳を重んじる議論が広がっていた(04の領域)。
  • したがってこの転換は、政治的な意味を帯びる。革命期に、この様式が公式の様式になる(03の領域)。
本文で読む:新古典主義 ▶
⚡ 51

18世紀の作品を読むときに要る背景

  • 批評という営み — 芸術について公の場で論じる形式が、この時期に確立する。文芸批評もこの流れにある(08の領域)。
  • 公衆という存在 — 展覧会の観客と、書物の読者は重なる(03の領域の世論)。
  • 感受性 — 涙を流すこと、感動を表に出すことが価値になる。絵画でも小説でも同時期に起きている。
  • ディドロ同じ人物が、哲学・小説・美術批評を書いている(04の領域)。分野の区切りが現在ほど強くない。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 52

どういう展示だったか

  • 壁一面に、床近くから天井まで作品が並べられた。
  • 高い位置に掛けられると、ほとんど見えない。掛けられる位置が評価そのものになる。
  • 入場は無料の日があり、多くの人が訪れた。
  • 会期は限られている。その期間に評判が決まる。
本文で読む:サロン展の実際 ▶
⚡ 53

なぜ重要か

  • ここに出せないことは、事実上、発表の場がないことを意味した。
  • 審査に落ちることは、経歴に響く。
  • 19世紀に、落選した作品を集めた展示が行われる(第8章)。制度への異議申し立てにあたる。
  • 文学の雑誌・出版社と、同じ位置にある(08の領域の場)。
本文で読む:サロン展の実際 ▶
⚡ 54

作品はどう知られたか

  • 展覧会を見られる人は限られる。
  • 版画に複製されて広まる。白黒で、寸法も違う。
  • 雑誌の挿絵として図像が流通する。
  • したがって、当時の人が知っていた作品の姿は、原作と違うことが多い。
本文で読む:版画による流通 ▶
✓ 通過チェック

第6章の通過チェック

  • ロココの特徴を5つ言える
  • ロココへの変化が制度と場の変化と結びつくことを説明できる
  • 展覧会のサロンがなぜ重要かを4つ言える
  • 2つの「サロン」の違いを言える
  • 美術批評が生まれた条件を3つ言える
  • ディドロのサロン評の書き方と、流通の限界を言える
  • ロココと新古典主義を5つの面から対比できる
本文で読む:版画による流通 ▶

19世紀 第7章 19世紀前半 — ロマン主義の絵画

新古典主義の厳格さに対して、動きと色彩と激情が前に出る。
⚡ 55

色彩と素描の論争の反復

  • 17世紀のアカデミーで起きた論争(第4章)が、19世紀に別の形で繰り返される。
  • 素描を重んじる側が新古典主義の系譜、色彩を重んじる側がロマン主義の系譜とされた。
  • ただしこの整理は単純化にあたる。双方の画家が、互いの要素を取り入れている。
  • 「対立する2人の画家」という図式は、後の時代が作った枠組みである(08の領域)。
本文で読む:何が変わったか ▶
⚡ 56

1819年の作品が持った意味

  • 実際に起きた海難事故を主題にした。
  • 大画面。歴史画の形式で、同時代の出来事を描いた。
  • 英雄ではなく、遭難者を描いた。主題の序列(第4章)が揺らぐ。
  • 政治的な含みを持った。当局の責任が問われていた事件にあたる(03の領域)。
本文で読む:同時代を描く ▶
⚡ 57

1830年の作品

  • 七月革命を主題にした(03の領域)。
  • 寓意(ぐうい)の人物と、実在の階層の人物が同じ画面にいる。
  • 理想化された像と、現実の描写が混在する。
  • この混在が、後に写実主義から批判される(第8章)。
本文で読む:同時代を描く ▶
⚡ 58

風景画の地位が上がる

  • アカデミーの序列では下位だった(第4章)。
  • 19世紀前半に、風景画を専門とする画家が増える。
  • バルビゾンの村に画家が集まり、森と農村を描いた。
  • 戸外で下絵を描くようになる。現場の光を写すという発想が生まれる。
  • これが印象派の前提になる(第9章)。
本文で読む:風景と戸外 ▶
⚡ 59

技術の条件

  • 金属の筒に入った絵具が普及し、屋外へ持ち出せるようになった。
  • これがなければ、戸外制作は難しい。
  • 技術の条件が様式を可能にするという例にあたる(第5章の劇場と同じ構図)。
本文で読む:風景と戸外 ▶
⚡ 60

何が起きたか

  • ゴシックが、野蛮な様式から、フランス固有の様式へと評価が変わる(第2章)。
  • 文学の側でも中世が主題になる(02の領域)。
  • 修復の事業が始まる。大聖堂が大規模に手を入れられる(第12章)。
  • 国民の過去という観念と結びついている(03の領域)。
本文で読む:中世の再評価 ▶
⚡ 61

この時期の作品を読むときに要る背景

  • 同時代を描くという転換 — 絵画で起きたことは、小説でも起きている。現在を主題にする(02の領域)。
  • 色彩と動き — ロマン主義の文学が古典主義の規則を破ったのと、同じ構図が絵画にもある(02の領域)。
  • 批評の場 — 作家が美術批評も書いた。ボードレールがサロン評を書いている(第8章・第9章)。
  • 石版画と挿絵 — 新聞と書物に図像が入る。風刺画が政治的な力を持つ(03の領域)。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 62

ロマン主義の絵画が選んだ主題

  • 同時代の事件。戦争、遭難、政治的な出来事。歴史画の序列を、現在の出来事で満たす。
  • 文学作品。詩と小説と戯曲から場面を取る。
  • 異国。北アフリカと中東への旅行に基づく主題。
  • 極端な感情の場面。恐怖、狂気、絶望。
本文で読む:主題をどこから取るか ▶
⚡ 63

文学との直接の関係

  • 同時代の文学から主題を取っている。第19章の型1が、そのまま当てはまる。
  • どの場面が選ばれたかが、当時の読まれ方を示す(08の領域の受容)。
  • 作家と画家が交友していた例が多い。書簡が資料になる。
  • 挿絵の仕事を通じて、両者が直接つながる。
本文で読む:主題をどこから取るか ▶
⚡ 64

何が争われたか

  • 線か色か。輪郭の明確さを重んじる立場と、色彩と筆致を重んじる立場が対立した。
  • 古代の規範に従うか、現在の感情を描くか。
  • 仕上げの度合い。筆の跡を残すことが、未完成と見なされた。
  • この対立は、文学の古典と革新の対立と同時期に起きている(02の領域)。
本文で読む:サロンでの論争 ▶
✓ 通過チェック

第7章の通過チェック

  • 新古典主義とロマン主義を6つの面から対比できる
  • 色彩と素描の論争が17世紀の反復であることを説明できる
  • 1819年の作品が持った意味を4つ言える
  • 風景画の地位が上がった経緯を言える
  • 戸外制作を可能にした技術の条件を言える
  • 中世の再評価が何と結びついていたかを言える
  • 絵画と文学で同じ転換が起きたことを説明できる
本文で読む:サロンでの論争 ▶

19世紀 第8章 写実主義 — 主題の転換

主題の序列が、正面から崩される。
⚡ 65

3つの点

  • 主題 — 農民・労働者・葬儀・日常。アカデミーの序列で下位とされた主題(第4章)。
  • 大きさ歴史画の大画面で描く。主題と形式の不一致が、挑発になる。
  • 理想化しない — 美しく整えず、そのまま描く。顔も姿勢も類型化しない。
本文で読む:何が挑戦だったか ▶
⚡ 66

なぜ挑発になるのか

  • 大画面は、重要な主題のためのものだった。
  • そこに日常を置くことは、「何が重要か」の基準を問い直すことになる。
  • したがってこれは技法の問題ではなく、制度への挑戦にあたる(08の領域の場)。
本文で読む:何が挑戦だったか ▶
⚡ 67

1855年の独自の展示

  • 万国博覧会の会場の近くに、自前の建物を建てて作品を展示した。
  • アカデミーとサロンの外で、直接公衆に見せるという行為にあたる。
  • 入場料を取り、目録を配った。
  • 芸術家が自分で発表の場を作るという先例になる(第9章)。
本文で読む:制度の外に出る ▶
⚡ 68

1863年の落選展

  • サロンの落選作が多く、不満が高まった。
  • 当局が、落選作を別に展示する場を設けた。
  • ここで注目された作品が、後の展開を準備する。
  • 「落選」が、逆に注目を集める経路になったという点が重要にあたる(08の領域の場の逆転)。
本文で読む:制度の外に出る ▶
⚡ 69

なぜ美術史に入るか

  • 石版画によって安価に大量に刷られ、新聞に載った(03の領域)。
  • 政治と社会を主題にし、同時代の人物と出来事を描いた。
  • 検閲の対象になり、1835年以降は事前検閲を受けた(03の領域)。
  • 同じ作者が、絵画も描いていた例がある。高級と大衆の区分が動く場所にあたる(08の領域)。
本文で読む:風刺画 ▶
⚡ 70

4つ目が現在の論点

  • 写実主義は「そのまま写す」と主張したが、主題の選択は明確な選択にあたる。
  • 同じ問題が、文学の自然主義にもある(02の領域)。
  • 08の領域の反映論の問題と同じ構図である。
本文で読む:写実主義をめぐる論争 ▶
⚡ 71

同じ問題を扱っている

  • 主題の拡大 — 小説でも、扱う階層と主題が広がった(02の領域)。
  • 理想化の拒否 — 美化しない描写が、両方の分野で問題になった。
  • 1857年の裁判 — 同じ年に、絵画の議論と文学の裁判が起きている(03の領域)。
  • 「写実」という語 — 美術と文学の両方で使われ、互いに参照された。
本文で読む:文学との並行 ▶
⚡ 72

この時期の作品を読むときに要る背景

  • 主題の序列 — 文学のジャンルの序列と、絵画の主題の序列は同じ構造にあたる(08の領域)。両方が同じ時期に崩れる。
  • 描写の量 — 小説で、背景と物の描写が増える。絵画で日常が主題になるのと並行する。
  • 作家の美術批評 — 詩人が展覧会評を書いている。その文章が、その作家の美学を知る資料になる(07の領域)。
  • 1857年 — 小説の裁判と、写実主義をめぐる議論が同じ年に重なる(03の領域)。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 73

制度の外に出る方法

  • 公式の展覧会に落選したとき、別の場所で自分の展示を行うという方法が取られた。
  • 会場を借り、入場料を取り、目録を作る。
  • 宣言文を目録に載せる。自分の立場を自分で説明する。
  • これは、文学における同人誌と宣言に対応する(08の領域)。
本文で読む:個展という手段 ▶
⚡ 74

意味

  • 芸術家が、制度を通さずに公衆と直接向き合う。
  • 批評家ではなく、本人が作品の枠組みを提示する。
  • 後の展覧会の形式の出発点にあたる(第9章)。
  • 「自分で場を作る」という発想が、19世紀後半に広がる。
本文で読む:個展という手段 ▶
⚡ 75

写実主義をめぐる語

  • 「醜い」「粗野」という語が、否定の言葉として使われた。
  • 主題の低さが非難の中心にあたる。技術ではなく、何を描くかが問題にされた。
  • 擁護する側は、同時代を描くことの正当性を主張した。
  • この論争の語彙は、同時期の小説をめぐる論争と重なる(03・10の領域)。
本文で読む:批評の言葉 ▶
✓ 通過チェック

第8章の通過チェック

  • 写実主義の3つの挑戦を言える
  • なぜ大画面に日常を描くことが挑発になるかを説明できる
  • 1855年の独自の展示が持った意味を3つ言える
  • 1863年の落選展の経緯と、その意味を言える
  • 風刺画がなぜ美術史に入るかを4つ言える
  • 写実主義への4つの批判を言い、現在の論点を指せる
  • 文学との並行を、影響関係と区別して説明できる
本文で読む:批評の言葉 ▶

19世紀 第9章 印象派 — 光と都市、制度の外へ

制度の外に、自分たちで展覧会を作る。
⚡ 76

描き方

  • 戸外で仕上げる。下絵だけでなく、完成まで屋外で描く例が増える(第7章)。
  • 筆触(ひっしょく)を残す。混ぜずに並べた色が、離れて見ると混ざる。
  • 輪郭を強調しない。形が光と大気の中に溶ける。
  • 影に色がある。黒ではなく、補色を使う。
  • 同じ対象を、時刻と季節を変えて繰り返し描く。光の変化そのものが主題になる。
本文で読む:何が新しかったか ▶
⚡ 77

主題

  • 同時代の都市。大通り、駅、カフェ、劇場(第12章のパリ大改造と直結する)。
  • 余暇。舟遊び、ダンス、行楽地。
  • 郊外。鉄道で行ける範囲の風景(03の領域)。
  • 室内の私的な場面。
  • 歴史も神話も宗教もない。主題の序列の外に出た(第4章・第8章)。
本文で読む:何が新しかったか ▶
⚡ 78

1874年の展覧会の意味

  • 共同の組織を作り、自前で会場を借りて開いた。
  • 審査がない。参加者が自分で出品を決める。
  • 入場料と目録の販売で費用をまかなう。
  • サロンに落ちたから開いたのではなく、サロンとは別の場を作った。
  • これは文学の同人誌と同じ構図にあたる(08の領域の場)。
本文で読む:制度の外に出る ▶
⚡ 79

画商の役割

  • サロンの入選が売り上げを決める仕組みの外に、画商を通じた市場ができる。
  • 画商が作品を買い取り、個展を開き、批評家に働きかける。
  • 画家は注文ではなく、描いてから売る形になる。
  • この変化が、画家の自由度を広げると同時に、市場への依存を生む(08の領域)。
本文で読む:制度の外に出る ▶
⚡ 80

可能にしたもの

  • 携行できる絵具(第7章)。
  • 新しい顔料。明るい色が安定して手に入るようになった。
  • 鉄道。郊外と海辺へ日帰りで行ける(03の領域)。
  • 色彩についての当時の学説。補色と対比の理論が知られていた。
  • 写真(第13章)。記録の役割を写真が担うことで、絵画が別の方向へ向かったという議論がある。
本文で読む:技術と科学の条件 ▶
⚡ 81

この変化そのものが論点になる

  • 制度の外から始まったものが、正典になるという過程(08の領域)。
  • 現在の「見やすさ」は、受容の歴史の産物にあたる。
  • 当時なぜ非難されたのかを知ると、作品の見え方が変わる。
本文で読む:批評と受容 ▶
⚡ 82

この時期の作品を読むときに要る背景

  • 同人と小集団 — 画家の集団と、詩人の集団は、同じ時期に同じ構図で動いている(02・08の領域)。
  • 都市の主題 — 大通り、カフェ、駅、群衆。詩と小説と絵画が同じ都市を扱う(第12章)。
  • 知覚の記述 — 光と大気をどう記述するか、という問題が両分野にある。ただし「印象派的な文体」という言い方は根拠を要する(08の領域)。
  • 画商と出版社制度の外に市場を作るという構図が共通する(08の領域の場)。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 83

技術的な条件

  • 絵具を金属の管に入れて持ち運べるようになった。それ以前は、その場で練る必要があった。
  • 携帯できる画架(がか)が普及する。
  • 鉄道で郊外へ日帰りできるようになった(第12章)。
  • これらがそろって、屋外で仕上げるという制作が可能になる。
本文で読む:画材と屋外制作 ▶
⚡ 84

発表の仕組みが変わる

  • 画商が作品を買い取り、店で見せて売る。
  • 公式の展覧会を経ずに評価が作られる道ができた。
  • 画商が特定の画家を継続的に支援する。
  • 画集と目録が作られ、記録が残る。
本文で読む:画商と展覧会 ▶
⚡ 85

文学との対応

  • 出版社と画商が、同じ位置にある(08の領域)。
  • 雑誌の批評が、評価を作る。
  • 少数の支持者から始まり、後から広く認められるという経路が、両分野で同じ形を取る。
  • 売れなかった時期の記録が、後の評価の物語に使われる。その物語自体を疑う必要がある(08の領域)。
本文で読む:画商と展覧会 ▶
✓ 通過チェック

第9章の通過チェック

  • 描き方の新しさを5つ言える
  • 主題の特徴を4つ言い、主題の序列との関係を言える
  • 1874年の展覧会の意味を4つ言える
  • 画商の役割と、それがもたらした変化を言える
  • 技術と科学の条件を4つ言い、技術決定論にしない理由を言える
  • 受容の変化を、時期を追って言える
  • 画家の集団と詩人の集団の構図の共通点を言える
本文で読む:画商と展覧会 ▶

19世紀 第10章 世紀末 — 象徴主義とアール・ヌーヴォー

印象派の後に、複数の方向が同時に現れる。
⚡ 86

共通するもの

  • 印象派の「目に映るとおり」を、いずれも乗り越えようとしている。
  • 絵画が、自然の再現から離れていく。
  • この方向が、20世紀の抽象へつながる(第14章)。
本文で読む:印象派の後の3つの方向 ▶
⚡ 87

美術における特徴

  • 主題 — 神話・夢・死・宗教的な観念。
  • 方法説明せず、暗示する。
  • 色と形 — 現実の色から離れる。装飾的な線。
  • 文学との関係詩人と画家が同じ集団に属し、同じ雑誌に寄稿した。
本文で読む:象徴主義 ▶
⚡ 88

何が取り入れられたか

  • 大胆な構図。対象を画面の端で切る。
  • 平面的な色面。陰影を用いない。
  • 高い視点と俯瞰(ふかん)。
  • 日常の主題を、装飾的に扱うこと。
  • 版画そのものが収集され、画家の手元にあった。
本文で読む:ジャポニスム ▶
⚡ 89

特徴

  • 曲線。植物の形に由来する。
  • 建築・家具・食器・宝飾・ポスターまで、生活全体を覆う。
  • 手仕事と工業の関係が主題になる。
  • 鉄とガラスを装飾的に使う(第12章)。
  • 都市の地下鉄の入口の設計が、この様式の代表として知られる。
本文で読む:アール・ヌーヴォー ▶
⚡ 90

なぜ短期間で終わったか

  • 手仕事に依存し、高価だった。
  • 1900年の万博で頂点に達し、その後急速に古びたとされる。
  • 20世紀に入ると、直線と機能を重んじる方向が力を持つ。
  • 様式の寿命が短いこと自体が、この時期の特徴にあたる。
本文で読む:アール・ヌーヴォー ▶
⚡ 91

なぜ重要か

  • 多色石版画により、大判のポスターが安価に刷れるようになった。
  • 街頭に貼られ、誰の目にも入る。
  • 画家がポスターを手がけた。高級と大衆の区分が動く場所にあたる(08の領域)。
  • 文学の側でも、装丁と挿絵に画家が関わった。
本文で読む:ポスターと複製 ▶
⚡ 92

この時期の作品を読むときに要る背景

  • 象徴主義 — 文学と美術で同じ語が使われ、実際の交流もあった。ただし主張は同じではない。
  • 雑誌という場 — 小規模な文芸誌が、詩・美術・音楽を横断して扱った(08の領域)。
  • 装飾と書物 — 本そのものを美術品として作る試みが現れる。書物の物質性への関心(07の領域の版の問題)。
  • 総合芸術という考え方 — 複数の分野を統合するという発想が、この時期に広く語られた(第11章)。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 93

世紀末の図像の場

  • 文芸雑誌に、詩と版画が同じ号に載る。
  • 画家と詩人が同じ集団にいる。第19章の型4がそのまま当てはまる。
  • 限定部数の豪華本が作られる。詩集に版画を添えた本。
  • 装丁(そうてい)と活字の選択が作品の一部として扱われる。
本文で読む:雑誌と挿絵 ▶
⚡ 94

文学とのつながり

  • 詩に基づく版画、版画に基づく詩が同じ場で作られた。
  • どちらが先かが決めがたい場合がある。
  • これは第19章の型1と型4が重なる例にあたる。
  • 本そのものを分析の対象にできる。紙・活字・余白・図版の配置(07の領域)。
本文で読む:雑誌と挿絵 ▶
⚡ 95

19世紀末に広がった

  • 石版(せきばん)の技術で、大きく色鮮やかな印刷が可能になった。
  • 街頭に貼られる。展覧会や公演や商品の広告。
  • 文字と図像が一体になった構成。
  • 芸術家がポスターを手がけた。高い芸術と応用の芸術の境が動く。
本文で読む:ポスターという形式 ▶

✕ やってはいけない形

✓ 通過チェック

第10章の通過チェック

  • 印象派の後の4つの方向を言い、共通するものを言える
  • 点描の原理を言える
  • 美術の象徴主義の特徴を4つ言える
  • 文学と美術の象徴主義の関係を、書けることと書けないことに分けて言える
  • ジャポニスムで取り入れられたものを4つ言える
  • アール・ヌーヴォーの特徴と、短期間で終わった理由を言える
  • ポスターがなぜ重要かを3つ言える
本文で読む:ポスターという形式 ▶

19世紀 第11章 19世紀の音楽 — オペラと歌曲

オペラは19世紀の最も大きな見世物だった。
⚡ 96

なぜ最大の見世物だったか

  • 巨額の費用がかかる。装置・衣裳・合唱・バレエ・オーケストラ。
  • 国家の補助を受けた劇場が中心にあった(03の領域)。
  • 社交の場でもある。桟敷(さじき)席が身分と富を示す。
  • 初演は事件になる。新聞が扱い、論争が起きる。
  • バレエの場面が挿入されるという慣習があった。上演の時刻に遅れて来る観客のためだったとも説明される。
本文で読む:オペラという制度 ▶
⚡ 97

何が争点だったか

  • 総合芸術という主張。音楽・詩・演劇・美術を統合するという構想。
  • 旋律の連続。明確な曲の区切りを減らす。
  • 主題の反復。人物や観念に結びついた短い音型を繰り返す。
  • フランス側では、賛否が激しく分かれた。
  • 普仏戦争の後は、政治的な色も帯びた(03の領域)。
本文で読む:ワーグナーをめぐる論争 ▶
⚡ 98

文学への影響

  • 象徴主義の詩人が、この構想に強い関心を示した(02・第10章)。
  • 雑誌が特集を組み、詩人が論を書いた。
  • 「音楽の状態に近づく芸術」という考え方が、詩の理論に影響したと論じられる。
  • ただし影響の中身は論争がある。断定しない(08の領域)。
本文で読む:ワーグナーをめぐる論争 ▶
⚡ 99

文学との関係が最も直接的

  • 同時代の詩人の作品が、そのまま歌詞になる。
  • 同じ詩に、複数の作曲家が曲を付けることがある。
  • したがって、詩の読み方の比較ができる。どの語を伸ばし、どこで区切るか。
  • 07の領域の詩法と直結する。音節・韻・切れ目が、曲の付け方に現れる。
本文で読む:歌曲 ▶
⚡ 100

レポートの切り口になる

  • 同じ詩の複数の作曲を比べる。
  • 詩の韻律と、曲のリズムの対応を見る(07の領域)。
  • 作曲家が語を変えたり、繰り返したりしている箇所を探す。
  • これは間テクスト性の分析の一種にあたる(08の領域)。
本文で読む:歌曲 ▶
⚡ 101

19世紀に定着したもの

  • 公開の演奏会。入場料を払って聴く。
  • 演目の固定化。過去の作曲家の作品が繰り返し演奏されるようになる。
  • 聴衆の作法。静かに聴くという規範が定着していく。
  • 批評。新聞に演奏会評が載る(03の領域)。
  • 器楽の地位 — フランスでは、19世紀後半に器楽を育てる動きが強まった。
本文で読む:演奏会という場 ▶
⚡ 102

家庭のピアノ

  • 19世紀に、市民の家庭にピアノが普及する。
  • オペラの旋律をピアノ用に編曲した楽譜がよく売れた。
  • 小説に出てくるピアノの場面は、この背景の上にある。
  • 娘の教養としてのピアノという主題は、当時の小説で繰り返される(02・08の領域)。
本文で読む:制度と条件 ▶
⚡ 103

作品に音楽が出てきたら

  • どの形式か。オペラか、オペレッタか、演奏会か、家庭のピアノか。
  • どこで聴いているか。劇場の桟敷か、平土間か、私邸か。場所が階層を示す。
  • 何を聴いているか。新作か、繰り返し演奏される曲か。
  • 誰が演奏しているか。職業の演奏家か、家庭の娘か。
  • この4つを確かめるだけで、その場面の社会的な意味が取れる(03・08の領域)。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 104

19世紀の歌曲

  • 同時代の詩人の詩に、曲が付けられた。
  • 同じ詩に、複数の作曲家が別々の曲を付けている場合がある。
  • ピアノと声という編成。家庭と小さな会場で演奏される。
  • 詩の一行ごとに、音楽がどう反応しているかを見ることができる。
本文で読む:詩に曲を付ける ▶
⚡ 105

文学研究にとっての使い道

  • 同じ詩の複数の曲を比べる。どの語が強調され、どの語が流されているか。
  • これは翻案の分析と同じ手順にあたる(第19章・07の領域)。
  • 詩の反復と、音楽の反復が一致するかを見る。
  • 作曲家が詩の一部を省略している場合がある。何を削ったかが論点になる。
本文で読む:詩に曲を付ける ▶
⚡ 106

どこで聴かれたか

  • 歌劇場。社交の場でもある(第5章の劇場と同じ構造)。
  • 演奏会の会場。器楽の作品を聴くための場が19世紀に整う。
  • 私邸のサロン。少人数の前で演奏される。
  • 教会。宗教曲の演奏の場。
本文で読む:音楽が聴かれた場所 ▶
✓ 通過チェック

第11章の通過チェック

  • オペラが最大の見世物だった理由を5つ言える
  • オペラの4つの種類を言える
  • オペラ・コミックが喜劇の意味でない理由を言える
  • ワーグナーをめぐる争点を4つ言える
  • 歌曲が文学と最も直接的に結びつく理由を言える
  • 演奏会という場で19世紀に定着したものを4つ言える
  • 作品に音楽が出てきたときに確かめる4つを言える
本文で読む:音楽が聴かれた場所 ▶

19世紀 第12章 建築と都市 — 鉄・ガラス・パリ大改造

パリという都市そのものが、19世紀に作り直される。
⚡ 107

何が変わったか

  • 直線の大通り。遠くまで見通せる。視線が通る都市になる。
  • 建物の高さと外観が統一された。同じ規則で建てられた集合住宅が並ぶ。
  • 上下水道とガス灯。夜の街が明るくなる。
  • 公園と並木。都市の中に緑が組み込まれる。
  • 鉄道駅と大通りが結ばれる。移動の速度が変わる。
本文で読む:パリ大改造 ▶
⚡ 108

視覚の変化

  • 遠近法的な景観が作られた。大通りの先に記念建造物が置かれる。
  • 群衆が見える。大通りを歩く人の流れが、風景になる。
  • カフェのテラスから通りを眺めるという習慣ができる。
  • この視覚が、絵画と文学の両方に現れる(第9章)。
本文で読む:パリ大改造 ▶
⚡ 109

新しい材料が可能にしたもの

  • 広い内部空間。柱を減らし、大きな屋根を架けられる。
  • 上からの採光。ガラスの屋根で内部が明るい。
  • 短い工期。部材を工場で作り、現場で組む。
  • これが、駅・市場・展示館・商店街に使われた。
本文で読む:鉄とガラス ▶
⚡ 110

パサージュがなぜ重要か

  • 屋内でも屋外でもない空間にあたる。
  • 歩きながら商品を眺めるという経験が生まれた。
  • 大改造の大通りに押され、後に衰退する。
  • 20世紀に、この空間が19世紀の都市経験の象徴として論じられた(04の領域)。
本文で読む:鉄とガラス ▶
⚡ 111

エッフェル塔

  • 1889年の万博のために建てられた。当初は一時的な建造物の予定だった。
  • 完成時に、多くの作家と芸術家が反対の声明を出した。
  • 「美的でない」「都市の景観を損なう」という批判にあたる。
  • その後、都市の象徴になる。評価の反転が、この建造物の受容史の要点にあたる(08の領域)。
本文で読む:鉄とガラス ▶
⚡ 112

何が行われたか

  • 大聖堂と城が、大規模に修復された(第2章)。
  • 方針は「本来あるべき姿に戻す」というものだった。
  • したがって、当時なかった部分が加えられている場合がある。
  • 現在見えている中世建築の姿は、この修復を経ている。
本文で読む:中世建築の修復 ▶
⚡ 113

何を見せる場だったか

  • 産業の製品と技術。
  • 各国の文化。
  • 植民地の産物と人々(03の領域)。展示という形式そのものが問題になる(08の領域)。
  • 数百万人が訪れた。都市の大きな出来事にあたる。
  • 建造物が残る。博覧会のために建てられた建物が、都市の一部になる。
本文で読む:万国博覧会 ▶
⚡ 114

この時期の作品を読むときに要る背景

  • 都市の描写 — 大通り、群衆、ガス灯、カフェ。これらは1850年代以降のパリの姿にあたる。作品の年と合っているかを確かめる。
  • 喪失の主題 — 「消えた古いパリ」を嘆く記述は、大改造への応答として読める。
  • 百貨店と商店街 — 消費の空間が、小説の舞台になる(第9章・03の領域)。
  • 駅と鉄道 — 移動と別離の場面が、鉄道の時代に固有の形を取る(03の領域)。
  • エッフェル塔への反対作家が声明に名を連ねている。芸術家の公的な発言の例にあたる(04の領域)。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 115

19世紀の新しい素材

  • 鉄で骨組みを作り、ガラスで覆う。それまでにない大きさの内部空間が可能になる。
  • 駅・市場・温室・商店・博覧会の建物に使われた。
  • 石造りの建築とは、見た目も作り方も違う。
  • 当初は「建築ではない」と見なされる面があった。技師の仕事とされたためである。
本文で読む:鉄とガラスの建築 ▶
⚡ 116

文学とのつながり

  • これらの建物が、19世紀の小説の舞台として繰り返し出てくる。駅、百貨店、屋根つきの商店街。
  • 新しい空間の経験が、描写の対象になっている。
  • 群衆と匿名性が主題になる(03の領域)。
  • 第19章の型3が使える。その空間で人物がどう振る舞うか。
本文で読む:鉄とガラスの建築 ▶
⚡ 117

19世紀後半に繰り返し開かれた

  • 産業・技術・芸術・植民地の展示が一か所に集まる。
  • 大量の来場者。都市の景観を変える建築が残った。
  • 各国の展示館が並ぶ。国どうしの比較が前提になっている。
  • 植民地の展示が含まれていた。人と文化が展示の対象にされた例がある(03の領域)。
本文で読む:博覧会という場 ▶

✕ やってはいけない形

✓ 通過チェック

第12章の通過チェック

  • パリ大改造で変わったものを5つ、建築と視覚の面から言える
  • 大改造がもたらした視覚の変化を4つ言える
  • 鉄とガラスが可能にしたものを3つ言える
  • パサージュとは何か、なぜ重要かを言える
  • エッフェル塔の受容の反転を説明できる
  • 中世建築の修復の方針と、その問題を言える
  • 万国博覧会が何を見せる場だったかを4つ言える
本文で読む:博覧会という場 ▶

19世紀 第13章 写真の発明 — 表象の条件が変わる

目に見えたものを、機械が記録する。
⚡ 118

写真が引き受けたもの

  • 記録。建造物・出来事・人物の姿を残す。
  • 肖像。安価で、短時間で、似ている。
  • 証拠。そこにあったことの証明として扱われるようになる。
  • 複製。同じ像が多数作れる。
本文で読む:何が変わったか ▶
⚡ 119

絵画に起きたこと

  • 記録の役割が薄れたという説明がよくなされる。
  • したがって絵画は、写真にできないことへ向かったとされる。色彩・筆致・構成・内面。
  • ただしこの説明は単純化にあたる。絵画の変化には、制度と市場の要因も大きい(第9章)。
  • 「写真が絵画を変えた」と断定せず、「そう説明されてきた」と書く(08の領域)。
本文で読む:何が変わったか ▶
⚡ 120

1859年の批評

  • ボードレールが写真を論じた文章が知られている。
  • 写真が芸術の位置を奪うことへの強い警戒を示している。
  • 同時に、記録としての有用性は認めている。
  • この文章は、当時の芸術観を知る資料として読まれる(07の領域)。
本文で読む:写真をめぐる論争 ▶
⚡ 121

文学者の肖像写真

  • 作家の顔が、写真によって広く知られるようになった。
  • 名刺判の写真が安価に作られ、収集された。
  • 作家の像が視覚的に流通するという事態は、これが最初にあたる。
  • 作品を読む前に顔を知っているという関係が生まれる。
本文で読む:肖像と流通 ▶
⚡ 122

分析に使えること

  • 作家の自己演出。どんな姿勢で、何を持って撮られているか。
  • 書物の口絵(くちえ)に肖像が入る。読者の受け取り方に影響する(08の領域の受容)。
  • 作家という存在が「見えるもの」になったことの意味。
本文で読む:肖像と流通 ▶
⚡ 123

消えるものを撮る

  • パリ大改造の前に、古い街区が撮影された(第12章)。
  • 歴史的建造物の記録が国家の事業として行われた。
  • したがって写真は、変化を記録する手段として使われた。
  • 「失われたもの」を見せるという働きが、文学の喪失の主題と重なる(第12章)。
本文で読む:都市と記録 ▶
⚡ 124

連続撮影

  • 走る馬や歩く人の動きを、連続した写真で分解した。
  • 肉眼では見えない姿勢が明らかになった。
  • 絵画における動きの描き方に影響したと論じられる。
  • そして、この技術が映画につながる(第17章)。
本文で読む:動きの分解 ▶
⚡ 125

この時期の作品を読むときに要る背景

  • 描写の意味 — 写真が記録を引き受けたとき、言葉による描写は何をするのかという問いが立つ。
  • 証拠という観念 — 写真が証拠として扱われることは、真実と表象の関係を変える(08の領域)。
  • 記憶と像 — 写真が記憶の代わりになるという主題が、20世紀の文学に現れる(10の領域)。
  • 作家の肖像 — 作品の外側にある作家の像が、読み方に影響する(08の領域)。
  • アルバムと蒐集(しゅうしゅう) — 写真を集めて並べるという行為が、記述の形式としても現れる。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 126

19世紀半ばに何が起きたか

  • 写真の館(やかた)が各地にでき、肖像写真が商品になる。
  • 名刺の大きさの肖像が大量に作られ、交換された。
  • それまで肖像画を持てなかった層が、自分の像を持つようになる。
  • 有名人の肖像が売られ、収集された。
本文で読む:肖像写真の普及 ▶
⚡ 127

文学研究にとっての使い道

  • 作家の肖像写真が残っている。どういう姿勢で、どういう装いで写ったか。
  • 作家の像が、どう作られ、どう流通したかを追える(08の領域)。
  • 作家の書斎や住居の写真が資料になる。
  • 文学作品の中の写真の場面が、この時期から現れる(第19章の型2)。
本文で読む:肖像写真の普及 ▶
⚡ 128

何が争われたか

  • 写真は芸術か、記録の道具か。
  • 機械が作るものに、作者の表現があるかという問い。
  • 肖像画と風景画の需要が、写真に取られたという現実の問題があった。
  • 画家が写真を下絵に使うことも同時に行われていた。
本文で読む:絵画との論争 ▶
✓ 通過チェック

第13章の通過チェック

  • 写真が引き受けた4つの役割を言える
  • 「写真が絵画を変えた」という説明の扱い方を言える
  • 写真をめぐる3つの立場を言える
  • 1859年の批評の内容と、資料としての価値を言える
  • 文学者の肖像写真がもたらした変化を言える
  • 写真が都市の記録に使われたことと、文学の主題との重なりを言える
  • 連続撮影が何を明らかにし、何につながったかを言える
本文で読む:絵画との論争 ▶

20世紀 第14章 20世紀初頭の前衛 — 色と形の解放

色が対象から離れ、形が視点から離れる。
⚡ 129

なぜ出発点とされるか

  • 自然を、円筒・球・円錐といった形として捉えようとしたという趣旨の発言が伝えられている。
  • 視点が1つに固定されていない。同じ画面の中で、対象ごとに見る角度が違う。
  • 色の面を並べることで、奥行きを作る。線遠近法によらない。
  • 筆の跡が構造として残る。
  • これらが、次の世代に「絵画は何をするものか」を問い直させた。
本文で読む:セザンヌの位置 ▶
⚡ 130

1905年に何が起きたか

  • 展覧会に出品された作品が、強い色彩で構成されていた。
  • 対象の色ではなく、画面の効果として色が選ばれている。
  • 批評家が「野獣」と評し、それがそのまま呼び名になった(第1章)。
  • 集団としての活動は短く、数年で各自が別の方向へ進む。
本文で読む:色の解放 ▶
⚡ 131

段階

  • 初期 — 対象を面に分解する。色は抑えられる。
  • 分析的な段階 — 分解が進み、対象が判別しにくくなる。
  • 総合的な段階現実の断片を貼り付ける。新聞紙、壁紙、布。
  • 貼り付けの技法が重要にあたる。絵の具で描かれていないものが、画面の一部になる。
本文で読む:形の解放 ▶
⚡ 132

何を問い直したか

  • 1つの視点から見た像という、ルネサンス以来の前提(第3章)。
  • 画面が窓であるという考え方。画面は、現実を覗く窓ではなく、物として扱われる。
  • 絵画の材料そのもの。貼り付けは、材料を隠さない。
  • これが20世紀の美術の出発点になる。
本文で読む:形の解放 ▶
⚡ 133

アポリネールの役割

  • 詩人でありながら、新しい絵画を擁護する批評を書いた(02の領域)。
  • 1913年の著作で、当時の動向を整理して紹介した。
  • 画家との交流があり、同じカフェと画室に出入りしていた。
  • 詩の側でも、句読点を廃したり、文字を絵のように配置したりする試みを行った(07の領域)。
本文で読む:詩人と批評 ▶
⚡ 134

なぜ重要か

  • 美術と文学が、同じ場で同じ問題を論じていた。
  • 批評の言葉が、そのまま運動の主張になる。
  • 後の時代の「宣言」の形式が、ここで整えられていく(第15章)。
本文で読む:詩人と批評 ▶
⚡ 135

ロシア・バレエ団の公演

  • 1909年からパリで公演を行い、大きな影響を与えた。
  • 音楽・舞踊・美術・衣裳を統合した。
  • 画家が舞台美術と衣裳を手がけた。
  • 作曲家が新作を書いた(第16章)。
  • したがって、複数の分野の芸術家が1つの作品で協働する場になった。
本文で読む:舞台という交差点 ▶
⚡ 136

この時期の作品を読むときに要る背景

  • 視点の複数性 — 1つの対象を複数の角度から捉えるという発想は、同時期の小説の語りの実験と並行する(08の領域)。ただし影響関係は断定しない。
  • 断片の貼り付け — 現実の断片をそのまま作品に入れるという方法は、引用とコラージュとして文学にも現れる(08の領域の間テクスト性)。
  • 宣言という形式 — 新しい方向を、宣言文で表明する形が定着する(第15章、02の領域)。
  • カフェと画室 — 詩人と画家が同じ場にいた。交流の記録が残っている場合は、影響関係を論じられる(07の領域)。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 137

前衛はどう支えられたか

  • 少数の画商が、売れない時期の作家を支えた。
  • 外国の収集家が早い時期に購入している例が多い。
  • 公的な制度は、しばらく前衛を認めなかった。
  • したがって、評価は市場と批評の側で先に作られた(第9章と同じ構図)。
本文で読む:画商と収集家 ▶
⚡ 138

文学との対応

  • 小さな出版社と雑誌が、前衛の文学を支えた(08の領域)。
  • 少部数で始まり、後から広く読まれるという経路。
  • 同じ人物が、絵画と文学の両方を支援している場合がある。
  • 第19章の型4が最もよく当てはまる時期にあたる。
本文で読む:画商と収集家 ▶
⚡ 139

何が起きたか

  • ヨーロッパの外の造形が、20世紀初頭の画家たちに影響を与えたとされる。
  • 博物館と個人の収集を通じて見られた。
  • 形の単純化と、正面性が参照された。
本文で読む:外部からの図像の受容 ▶
✓ 通過チェック

第14章の通過チェック

  • セザンヌが出発点とされる理由を4つ言える
  • 1905年に何が起きたかを言える
  • キュビスムの3つの段階を言える
  • キュビスムが問い直した前提を3つ言える
  • アポリネールの役割と、その重要性を言える
  • ロシア・バレエ団の公演が交差点になった理由を言える
  • 視点の複数性を文学と結ぶときの注意を言える
本文で読む:外部からの図像の受容 ▶

20世紀 第15章 ダダとシュルレアリスムの美術

大戦の後、芸術の前提そのものが疑われる。
⚡ 140

何をしたか

  • 既製品を、そのまま作品として提示する。選ぶという行為だけが作者の関与になる。
  • 偶然を用いる。紙を切って落とし、落ちたとおりに構成する。
  • 挑発的な催し。朗読と騒音と観客との衝突。
  • 宣言と機関誌。言葉による活動が大きな部分を占める。
本文で読む:ダダ ▶
⚡ 141

何を疑ったか

  • 作者の技量。選ぶだけでも作品になるのか。
  • 作品という枠。額縁の中にあるものだけが芸術なのか。
  • 美という価値。美しくないものは芸術ではないのか。
  • 戦争を起こした文明そのもの(03の領域)。
本文で読む:ダダ ▶
⚡ 142

出発点は文学

  • 1924年の宣言は、詩の運動として書かれた(02の領域)。
  • 中心にあるのは自動記述。意識の統制を外して書く。
  • 夢と偶然を、創作の材料として正面から扱う。
  • 精神分析の枠組みが背景にある(04の領域)。ただし専門的な理解とは差がある。
本文で読む:シュルレアリスム ▶
⚡ 143

美術における方法

  • 自動記述に対応する描き方。手の動きに任せる、こする、垂らす。
  • 異質なものの出会い。関係のない事物を1つの画面に置く。
  • 夢の情景を、写実的な技法で描く。手法は伝統的で、内容が非現実的という組み合わせ。
  • 既存の図像の切り貼り。版画や図版を組み替える。
  • オブジェ。物そのものを組み合わせて作品にする。
本文で読む:シュルレアリスム ▶
⚡ 144

この運動が特別な理由

  • 同じ集団に、詩人と画家が属していた。
  • 同じ機関誌に、詩と図版が載った。
  • 宣言と理論を、詩人が書いた。
  • 共同制作が行われた。複数人で1枚の絵や1つの文を作る遊び。
  • したがって、影響関係を論じるための資料が豊富にある(07の領域)。
本文で読む:文学と美術の関係 ▶
⚡ 145

分析に使えること

  • 同じ集団の詩と絵を並べる。主題と方法の対応を見る。
  • 機関誌の構成を見る。何が並べて置かれているか。
  • 除名と分裂の記録。運動の内部の力関係が分かる(08の領域の場)。
  • 写真の使い方。シュルレアリスムの書物は、写真を本文と組み合わせた(第13章)。
本文で読む:文学と美術の関係 ▶
⚡ 146

この時期の作品を読むときに要る背景

  • 自動記述 — 詩の方法として提唱され、美術に応用された。両方を同じ語で説明できる(02の領域)。
  • 偶然 — 街で偶然出会うことを主題にした散文作品がある(10の領域)。写真を本文に組み込んだ書物でもある。
  • 異質なものの出会い — 比喩の理論と結びつく(07の領域の修辞)。遠く離れた2つのものを結ぶほど強い像になるという主張がなされた。
  • 宣言という形式 — 文学の側の形式が、美術の側にも共有された(第14章)。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 147

運動の運営の形

  • 宣言を出す。何をするか、何に反対するかを文章で示す。
  • 機関誌を出す。作品・批評・記録を載せる。
  • 展覧会と催しを開く。
  • 集まる場所がある。喫茶店と特定の住居。
本文で読む:宣言と機関誌 ▶
⚡ 148

文学の集団とまったく同じ構造にあたる

  • 宣言・雑誌・集会・除名。この4点は、文学の運動でも繰り返される(08の領域)。
  • 誰が中心にいたかは、記録から追える。
  • 中心にいた人物が、後から書いた回想は、自分に有利に整えられている場合がある。
  • 同時代の資料と照らす(07の領域)。
本文で読む:宣言と機関誌 ▶
⚡ 149

参加と離脱

  • 加わる人と、離れる人がいる。
  • 除名が行われた。方針の違いと、政治的な立場の違いによる。
  • 政治との関係が、内部の対立の主な原因の1つにあたる(03・04の領域)。
  • 後から「参加していた」とされる人が、実際には短期間だけ関わった場合がある。
本文で読む:集団の内部 ▶

✕ やってはいけない形

✓ 通過チェック

第15章の通過チェック

  • ダダが何をしたかを4つ言える
  • ダダが疑ったものを4つ言える
  • シュルレアリスムの出発点が文学であることを説明できる
  • 美術における方法を5つ言える
  • 2つの方向を言い、それでも共通するものを言える
  • この運動で影響関係を論じやすい理由を4つ言える
  • 1930年代の分裂の争点を言える
本文で読む:集団の内部 ▶

20世紀 第16章 20世紀の音楽 — 印象主義から前衛へ

調性という枠組みが緩み、音そのものが問い直される。
⚡ 150

何が新しかったか

  • 和音が、進行の途中の段階ではなく、それ自体の響きとして扱われる。
  • 音階が広がる。長調と短調以外の音階が使われる。
  • 旋律の輪郭が緩む。明確な主題の展開よりも、音色と響きが前に出る。
  • 形式が自由になる。古典的な構成の枠から離れる。
  • 主題 — 自然・水・光・夜。絵画の印象派と共通する語で語られてきた。
本文で読む:印象主義と呼ばれる音楽 ▶
⚡ 151

19世紀との違い

  • 19世紀 — 詩に曲を付ける(第11章)。詩は素材として扱われる。
  • 20世紀初頭詩の音そのものに近づこうとする。曖昧さ、暗示、言い切らないこと。
  • 象徴主義の詩に基づく作品が複数作られた。
  • 戯曲をそのまま歌劇にする試みも行われた。台本を書き直さず、原作の言葉を使う。
本文で読む:詩と音楽 ▶
⚡ 152

分析に使えること

  • 原作の詩・戯曲と、音楽作品を並べる。
  • どの語が繰り返され、どこで間が置かれるか。
  • 削られた部分と、加えられた部分。
  • これは翻案の分析にあたる(08の領域)。
本文で読む:詩と音楽 ▶
⚡ 153

1913年の騒動

  • バレエの初演で、観客が騒ぎ、上演が妨げられた。
  • 強い拍節(はくせつ)の反復と、不協和音が中心にあった。
  • 舞踊の振り付けも、それまでの型から大きく外れていた。
  • この出来事は、前衛と観客の衝突の象徴的な例として語られる(08の領域の受容)。
本文で読む:20世紀前半の転換 ▶
⚡ 154

1920年代の反動

  • 大戦の後、壮大さと重厚さへの反発が起きる。
  • 軽さ、簡素さ、日常への接近が掲げられた。
  • サーカスや大衆音楽の要素が取り入れられる。
  • 詩人が台本と宣言を書いた。文学と音楽が再び近づく。
本文で読む:20世紀前半の転換 ▶
⚡ 155

何が変わったか

  • 同じ演奏を繰り返し聴ける。
  • 演奏会に行かなくても聴ける。
  • 家庭で聴く音楽が変わる。ピアノを弾く代わりに、再生する(第11章)。
  • 演奏の記録が残る。演奏史が研究の対象になる。
  • ラジオが加わり、聴衆の範囲が大きく広がる(03の領域)。
本文で読む:録音という技術 ▶
⚡ 156

20世紀半ばの展開

  • 録音された音そのものを素材にする試みが行われた。楽器の音でなくてもよい。
  • 音を組織する方法が根本から作り直された。音高だけでなく、長さ・強さ・音色も規則の対象になる。
  • 電子的に音を作る試みが進む。
  • これらは聴きやすくはない。専門の場で発表され、一般の聴衆とは距離ができた(08の領域の場)。
本文で読む:録音という技術 ▶
⚡ 157

この時期の作品を読むときに要る背景

  • 象徴主義の詩と音楽 — 同じ作品が、詩・戯曲・音楽の形で存在する。比較ができる(08の領域)。
  • 前衛の共通性 — 文学・美術・音楽で、同じ時期に形式の解体が起きている(02・第14章)。ただし直接の影響は個別に確かめる。
  • 詩人と作曲家の協働 — 台本、宣言、批評。記録が残っている場合は影響関係を論じられる(07の領域)。
  • 音の反復とリズム — 詩法の分析(07の領域)と、音楽の分析は、同じ語で扱える部分がある。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 158

20世紀初頭のバレエ

  • 音楽・美術・舞踊・衣裳が、1つの公演のために同時に作られた。
  • 作曲家・画家・振付家が共同する。
  • パリで上演され、大きな反響を呼んだ。
  • 1913年の初演で騒動が起きた例がよく知られている。
本文で読む:総合される舞台 ▶
⚡ 159

なぜ重要か

  • 分野の境を越えた共同の最も明確な例にあたる。
  • 画家が舞台装置と衣裳を担当した。第19章の型4がそのまま使える。
  • 詩人が台本に関わった例がある。
  • 同じ時期の前衛の絵画と、直接つながっている(第14章)。
本文で読む:総合される舞台 ▶
⚡ 160

20世紀に何が変わったか

  • 音楽が記録され、繰り返し聴けるようになった。
  • 演奏の場に行かなくても聴ける。
  • 同じ曲の複数の演奏を比べられる。
  • 作曲家自身の演奏が残っている場合がある。
本文で読む:録音という条件 ▶
⚡ 161

文学研究への使い道

  • 詩人が自作を朗読した録音が残っている場合がある。間と抑揚が分かる。
  • 戯曲の上演の録音と映像。上演を前提とした形式の研究に使える(10の領域)。
  • 同じ詩に付けられた複数の曲を、実際に聴き比べられる(第11章)。
  • これは第19章の型2と型3の分析を、具体的に進める手段にあたる。
本文で読む:録音という条件 ▶
✓ 通過チェック

第16章の通過チェック

  • 印象主義と呼ばれる音楽の新しさを4つ言える
  • その呼び名についての注意を3つ言える
  • 19世紀と20世紀初頭で、詩と音楽の関係がどう変わったかを言える
  • 1913年の騒動の内容と、その位置づけを言える
  • 1920年代の反動が掲げたものを3つ言える
  • 録音が変えたことを4つ言える
  • 詩法の分析と音楽の分析が重なる部分を言える
本文で読む:録音という条件 ▶

20世紀 第17章 映画 — 発明から作家主義まで

フランスで公開上映が始まり、映画は20世紀の最も大きな表現の形になる。
⚡ 162

最初の10年

  • 1895年の公開上映が、映画史の出発点として扱われる。
  • 当初は、現実の光景を撮ったごく短い作品が中心だった。
  • やがて物語を語る作品が作られる。舞台の記録ではなく、映画固有の語り方が探られる。
  • 編集・場面転換・特殊な撮影といった技法が発明される。
  • 無声だが、上演には音楽が伴った。「無音」ではない。
本文で読む:発明から物語へ ▶
⚡ 163

語りの分析との対応

  • カメラの位置は、焦点化に対応する部分がある(08の領域)。
  • 編集は、語りの順序と速さに対応する。
  • 画面外の音は、文学にない要素にあたる。
  • したがって「移せる部分と移せない部分」を先に述べる(08の領域)。
本文で読む:映画固有の要素 ▶
⚡ 164

1930年代の作品群

  • 都市の下層の人々を主題にする。
  • 霧・港・夜・街灯といった視覚の型。
  • 運命に追い詰められる筋。しばしば悲劇的な結末。
  • 台詞に詩人が関わった。文学者が脚本と台詞を書いている。
  • 後から与えられた呼び名であり、統一した運動ではない(第1章)。
本文で読む:詩的な写実主義 ▶
⚡ 165

文学との関係

  • 小説の映画化が多い。
  • 詩人が台詞を書くことで、映画の言葉が文学に近づく。
  • 同時代の社会状況が背景にある(03の領域の1930年代)。
本文で読む:詩的な写実主義 ▶
⚡ 166

1950年代

  • 映画批評の雑誌が創刊され、若い批評家が集まった。
  • 1954年に、監督を作品の作者とみなす主張が発表された。
  • 監督の一貫した主題と様式を、複数の作品を通して見るという読み方にあたる。
  • これは文学の作家研究と同じ構図にあたる(08の領域)。
本文で読む:批評が運動を作る ▶
⚡ 167

1959年以降

  • 批評家たちが自ら監督になった。
  • 軽い機材、街頭での撮影、少ない予算。
  • 編集の規則をあえて破る。
  • 映画についての映画。引用と言及が多い(08の領域の間テクスト性)。
本文で読む:批評が運動を作る ▶
⚡ 168

手順

  • 1. 原作と映画の、対応する場面を選ぶ。
  • 2. 何が保たれ、何が変えられたかを表にする(08の領域の翻案)。
  • 3. 媒体の制約による変更と、解釈による変更を分ける。
  • 4. 後者を論点にする。
  • 5. 映画固有の要素で、原作の何が置き換えられているかを見る。内面の描写がどう処理されているか。
本文で読む:小説の映画化を分析する ▶
⚡ 169

とくに見るところ

  • 内面をどう見せているか。独白か、表情か、音楽か、省略か。
  • 語り手をどう処理しているか。声による語りを使うか、使わないか。
  • 時間の扱い。回想をどう示すか。
  • 省略された筋。何が削られたか(08の領域)。
本文で読む:小説の映画化を分析する ▶
⚡ 170

押さえておくこと

  • 多くの小説が映画化されている。翻案の分析はレポートの題材として扱いやすい(08の領域)。
  • 文学者が脚本を書いた例が多い。その仕事も作家研究の対象になる。
  • 映画を主題にした文学作品がある。
  • 作家主義と作者の問題 — 誰を作者とするかという問いが、両分野で共通する(08の領域)。
  • 批評が運動を作るという構図は、文学の同人誌と同じにあたる(08の領域の場)。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 171

映画を成り立たせているもの

  • 費用が大きい。個人では作れない規模の作品が多い。
  • 共同作業。監督・脚本・撮影・美術・編集・音響・俳優。
  • 興行の見込みが、企画の段階で問題になる。
  • 国家の支援制度が20世紀後半に整備される(第18章)。
本文で読む:製作の条件 ▶
⚡ 172

上映の形が変わってきた

  • 映画館。決まった時間に、大きな画面で、他人と一緒に見る。
  • 上映会の集まりが20世紀半ばに広がる。旧作を見て議論する場。批評家がここから育った。
  • テレビ。家庭で、途中で中断しながら見る。
  • 配信。個人の端末で、いつでも、止めて、戻して見る。
本文で読む:映画を見る場 ▶
⚡ 173

見る条件が分析に関わる

  • 止めて見返せるかどうかで、できる分析が変わる。
  • 場面の長さと編集の速さは、繰り返し見て初めて測れる。
  • 一方で、劇場で一度だけ見る経験を前提に作られている作品がある。
  • どの条件で見たかを、分析の前提として書く(07の領域)。
本文で読む:映画を見る場 ▶

✕ やってはいけない形

✓ 通過チェック

第17章の通過チェック

  • 映画の公開上映が始まった年と場所を言える
  • 映画固有の要素を6つ言える
  • 語りの分析と対応する部分、対応しない部分を言える
  • 詩的な写実主義の視覚の型と、文学との関係を言える
  • 作家主義の主張と、それへの批判を言える
  • 小説の映画化を分析する5段階を言える
  • 批評が運動を作るという構図の、文学との共通点を言える
本文で読む:映画を見る場 ▶

20世紀 第18章 20世紀後半 — 抽象・美術館・文化政策

芸術が国家の政策の対象になる。
⚡ 174

戦後の抽象

  • 形を持たない絵画。描く行為の痕跡そのものが画面になる。
  • 筆致・滴(したた)り・厚い絵具。
  • 偶然を取り込む。シュルレアリスムの自動的な方法と接続する部分がある(第15章)。
  • ただし各国で同時に起きており、フランス固有の運動ではない。
本文で読む:抽象と、その後 ▶
⚡ 175

1960年代以降の方向

  • 日常の事物を用いる。廃棄物、看板、ポスターの断片。
  • 行為そのものを作品とする。
  • 概念を作品とする。物としての作品を作らない試み。
  • これらは共通して、「作品とは何か」を問い直している(第15章のダダの問いの反復)。
本文で読む:抽象と、その後 ▶
⚡ 176

20世紀後半に起きたこと

  • 現代の作品を収蔵する美術館が整備される。
  • 回顧展という形式が定着する。1人の作家の生涯を一望させる。
  • 美術館が、何を残すかを決める(08の領域の正典)。
  • 入場者数が評価の指標になる。大規模な企画展が増える。
  • 建物そのものが作品として扱われる。
本文で読む:美術館という制度 ▶
⚡ 177

1959年以降

  • 文化を担当する省庁が置かれた。
  • 目的の1つは、芸術への接近を広げること。地方と、これまで接していなかった層へ。
  • 各地に文化の施設が設けられた。
  • 国家が芸術を支援するという枠組みが制度になる。
本文で読む:文化政策 ▶
⚡ 178

範囲が広がってきた

  • かつては記念建造物が中心だった(第12章の修復)。
  • 20世紀後半に、産業の建造物、集合住宅、日常の景観へ広がる。
  • 無形のもの(技術・慣習・音楽)も対象に含まれるようになった。
  • 範囲が広がるほど、「何を選ぶか」の判断が問題になる。
本文で読む:遺産という考え方 ▶
⚡ 179

美術館で作品を見るときの前提

  • 展示されているものは、選ばれたものである。
  • 並べ方に解釈が入っている。
  • 修復と保存の状態が、見え方を左右する。
  • 説明のパネルは、特定の見方を提示している。
  • したがって、美術館そのものを分析の対象にできる(08の領域の文化研究)。
本文で読む:現在の見え方 ▶
⚡ 180

押さえておくこと

  • 正典の問題が共通する。何が残り、何が忘れられるか(08の領域)。
  • 国家と文化 — 作家への支援、賞、教育での扱い(03の領域)。
  • 記憶と遺産 — 何を保存するかという問いは、歴史の記憶の問題と重なる(03・04の領域)。
  • 戦後の作家が、美術について書いた例が多い。批評としても読める(07の領域)。
  • 美術館を舞台にした作品もある。制度の中で作品を見るという経験そのものが主題になる。
本文で読む:文学とのつながり ▶
⚡ 181

20世紀後半に定着したもの

  • 企画展。主題を決めて、各地から作品を借りて構成する。
  • 図録(ずろく)。論文と全作品の情報が載る。研究の資料として残る(第20章)。
  • 企画する人の役割が大きくなる。誰がどう並べたかが問われる。
  • 巡回する。同じ企画が複数の都市で開かれる。
本文で読む:展覧会という形式 ▶
⚡ 182

文学研究への使い道

  • 作家に関する展覧会が開かれることがある。原稿・書簡・写真が展示される。
  • 図録に、最新の研究が載っている場合が多い。
  • 展示された草稿の写真が、資料として使える(07の領域)。
  • 展覧会の構成そのものが、その作家の現在の評価を示す(08の領域)。
本文で読む:展覧会という形式 ▶
⚡ 183

調査が行われている

  • どの層が、どれだけ美術館・劇場・演奏会に行くかの調査が定期的に行われてきた。
  • 学歴と職業による差が大きいという結果が繰り返し出ている。
  • この差は、文化政策の目標との関係で論じられてきた。
  • 04・08の領域で扱う理論と、直接つながる論点にあたる。
本文で読む:数字で見る文化 ▶

✕ やってはいけない形

✓ 通過チェック

第18章の通過チェック

  • 戦後の抽象の特徴を3つ言え、フランス固有でない理由を言える
  • 1960年代以降の方向を3つ言い、共通する問いを言える
  • 美術館で20世紀後半に起きたことを4つ言える
  • 美術館を透明な器と考えない理由を3つ言える
  • 文化政策の目的と、その論点を言える
  • 文化遺産の範囲が広がってきたことを説明できる
  • 美術館で作品を見るときの前提を4つ言える
本文で読む:数字で見る文化 ▶

実践 第19章 作品と芸術をどう結ぶか

この教材の実践編である。
⚡ 184

1から4は事実の確認から始められる

  • テクストに書いてある。または史料がある。
  • したがって記述が先に固まる(08の領域)。
  • 5だけが解釈にあたる。そのことを明示して書く。
本文で読む:5つの接続の型 ▶
⚡ 185

手順

  • 1. 名指しされた対象を特定する。作家名・作品名・様式名。
  • 2. その対象が、作品の刊行年の時点でどういう位置にあったかを確かめる(この教材の各章)。
  • 3. 誰が言及しているかを見る。語り手か、人物か。
  • 4. 肯定的か否定的かを見る。それがその人物の何を示すか。
  • 5. 当時の一般的な評価と比べる。ずれがあれば、それが論点になる。
本文で読む:型1 — 言及 ▶
⚡ 186

  • 人物がある画家の名を挙げて称賛するとき、その画家が当時どう評価されていたかで、人物の趣味と階層が示される(03・08の領域)。
  • 正典の作家を挙げるか、当時の新しい作家を挙げるか。その差が人物の位置を作る。
本文で読む:型1 — 言及 ▶
⚡ 187

手順

  • 1. 描写されている対象が実在するかを確かめる。架空の作品である場合も多い。
  • 2. 描写の語彙を拾う。色・形・光・構図(第1章の用語)。
  • 3. 何が描写され、何が描写されないかを見る。
  • 4. その描写が、誰の視点からなされているかを見る(08の領域の焦点化)。
  • 5. 描写の長さを測る。筋の進行が止まっている時間にあたる(08の領域の休止)。
本文で読む:型2 — 描写 ▶
⚡ 188

手順

  • 1. 場所を特定する。劇場か、展覧会か、教会か、私邸か。
  • 2. 席と位置を見る。桟敷か平土間か(第5章・第11章)。階層を示す。
  • 3. 誰と一緒にいるかを見る。社交の場でもある。
  • 4. 何を見聞きしているかより、どう振る舞っているかを見る。
  • 5. 当時のその場の実際と比べる(第5章・第11章・第6章)。
本文で読む:型3 — 経験 ▶
⚡ 189

なぜ有効か

  • 芸術の場面は、しばしば人物の社会的な位置を示すために使われる。
  • 作品の知識ではなく、振る舞いが問題になっている場合が多い。
  • したがって、03の領域と直結する。
本文で読む:型3 — 経験 ▶
⚡ 190

手順

  • 1. 作品の発表の場を確かめる(08の領域)。
  • 2. 同時期の芸術の制度を確かめる(この教材の各章の「制度と条件」)。
  • 3. 共通点を探す。同じ雑誌、同じ集団、同じ画商と出版社。
  • 4. 史料で裏づける(07の領域)。
  • 5. 構造の共通を述べる。「同じ構図が見られる」と書く。
本文で読む:型4 — 制度 ▶
⚡ 191

最もよく使える型

  • サロンと文芸誌、アカデミーと文壇、画商と出版社。
  • 制度の外に出るという動きが、両分野で同時期に起きている(第8章・第9章)。
  • 史料があるので検証できる。
本文で読む:型4 — 制度 ▶
⚡ 192

書ける形

  • 「同時期に、共通する問題意識が見られる」(07の領域)。
  • 「両者は、◯◯という点で同じ操作を行っている」——操作を具体的に書く。
  • 「この比較は、影響関係の主張ではない」と明示する。
本文で読む:型5 — 形式の並行 ▶
⚡ 193

判断の順序

  • 1. テクストに名指しの言及があるか → 型1。
  • 2. 描写があるか → 型2。
  • 3. 経験の場面があるか → 型3。
  • 4. どれもないが、同じ制度の中にあるか → 型4。
  • 5. それもないが、形式が似ていると感じるか型5。慎重に。
本文で読む:型を選ぶ ▶
⚡ 194

レポートでの扱い

  • 型1〜4を主にする。記述が固まり、検証できる。
  • 型5は補助にとどめる。主張の中心に置かない。
  • どの型を使っているかを、自分で意識する。混ぜると論が曖昧になる。
本文で読む:型を選ぶ ▶
⚡ 195

どれが最も論になるか

  • 型3の歌劇場の場面が扱いやすい。場所・席・同行者・振る舞いがすべてテクストに書かれている。
  • 当時の劇場の実際と比べられる(第11章)。
  • 人物の位置と、その場での経験のずれが、そのまま論点になる。
本文で読む:当ててみる ▶
⚡ 196

芸術を扱うときに必要な注

  • 作品を挙げるとき — 作者名・作品名・制作年・所蔵先(第20章)。
  • 様式名を使うとき — その語の出所を最初に一度断る。
  • 年代に幅を持たせるとき — なぜ幅を持たせたかを書く必要はないが、幅で書く。
  • 図版を載せるとき — 出所と、著作権上の扱い(第20章)。
本文で読む:注の付け方 ▶
⚡ 197

2作を比べて分かること

  • どちらも、型3が最も具体的に書ける。
  • 芸術と社交の場面は、身分と振る舞いの記述として機能している。
  • 型5は、どちらの作品でも最後に置くべきものにあたる。
本文で読む:もう1つ当ててみる ▶

✕ やってはいけない形

✓ 通過チェック

第19章の通過チェック

  • 5つの接続の型を、確かさの順に言える
  • 型1〜4が事実の確認から始められる理由を言える
  • 型2で架空の作品を扱うときの注意を言える
  • 型3がなぜ有効かを説明できる
  • 型4が最もよく使える理由を言える
  • 型5で書ける形と書けない形を、それぞれ3つ言える
  • 型を選ぶ判断の順序を言える
本文で読む:もう1つ当ててみる ▶

実践 第20章 調べ方と使い方

この教材を閉じたあとに、自分で進めるための手順を並べる。
⚡ 198

確かめること

  • 作品名・制作年・技法・寸法・所蔵先。この5つを記録する。
  • 寸法は重要にあたる。画集では、大画面も小品も同じ大きさで印刷される。
  • 色は印刷と画面で変わる。断定的な色の記述は避ける。
  • 状態。修復を経ている場合がある(第12章)。
本文で読む:図版を探す ▶
⚡ 199

公開されているもの

  • 所蔵品の目録。何を持っているかが分かる。
  • 来歴(らいれき)。誰が所有し、いつ美術館に入ったか。受容史の資料にあたる(08の領域)。
  • 展覧会の記録。いつ、どこで展示されたか。
  • 修復の記録。手が入っている場合がある。
本文で読む:美術館の情報を使う ▶
⚡ 200

来歴が使える理由

  • その作品がいつ評価されたかが分かる。
  • 誰が買ったかで、当時の市場の様子が分かる(第9章)。
  • 国家がいつ購入したかは、公的な評価の指標になる。
  • これは08の領域の正典の分析にあたる。
本文で読む:美術館の情報を使う ▶
⚡ 201

やってよいこと

  • 作品に出てくる芸術への言及を、全部拾って一覧にする(第19章の型1)。
  • 描写の語彙を数える。色と光の語がどれだけあるか(07・08の領域)。
  • 芸術の場面を、社会的な位置の記述として分析する(第19章の型3)。
  • 同じ制度の中にあることを、史料で示す(第19章の型4)。
  • 作家が書いた美術批評や音楽についての文章を、資料として使う(07の領域)。
本文で読む:卒論で芸術を扱うとき ▶
⚡ 202

配分の要点

  • 芸術史の説明は最小限にする。
  • 記述の章に最も紙幅を使う(08の領域)。
  • 芸術の側の史料は、必要な分だけ確かめて示す。
本文で読む:章の分量の目安 ▶
⚡ 203

文学専攻にとって最も役に立つ訓練

  • 1枚の絵を、10分見て、見たものを言葉にする。
  • 色・形・構図・光・視線の方向を書く。
  • 判断(美しい・力強い)を先に書かない。
  • これは精読と同じ手順にあたる(07の領域)。観察を先に、解釈を後に。
  • 記述できるものが増えるほど、作品の描写の分析も精度が上がる。
本文で読む:見る力を育てる ▶
⚡ 204

音楽の場合

  • 同じ曲を、違う演奏で聴き比べる。
  • 速さ・音の強弱・間の取り方の差を書く。
  • 同じ詩に付けられた複数の曲を比べる(第11章)。
  • これも07の領域の翻案の分析と同じ手順にあたる。
本文で読む:見る力を育てる ▶
⚡ 205

これからの使い方

  • 作品に芸術が出てきたら、早見表で年と様式を引く。
  • 第19章の5つの型のどれかを選ぶ。
  • 型1〜4を主に、型5は補助にする。
  • 記述を先に固め、そのあとで意味づける(08の領域)。
本文で読む:この教材を終えて ▶
⚡ 206

芸術関係で探すもの

  • 展覧会の図録(ずろく)。大学図書館と美術館の資料室にある。
  • 作品の総目録。1人の作家の全作品を年代順に並べた本。制作年の確認に使う。
  • 美術と音楽の事典。用語と人名を引く。
  • 雑誌のバックナンバー。同時代の批評が読める(07の領域)。
本文で読む:図書館の使い方 ▶
⚡ 207

電子で使えるもの

  • 国立の電子図書館。19世紀までの雑誌と版画が大量に公開されている。
  • 美術館の所蔵品目録。作品情報と来歴が引ける。
  • 公開されている全文の資料。著作権の切れた批評文と展覧会目録。
本文で読む:図書館の使い方 ▶
⚡ 208

通読は1回でよい

  • この教材は、引くために作ってある(第1章)。
  • 1回通して読んだら、あとは必要な章だけ開く。
  • 早見表が入口にあたる。
  • 索引から、他の教材の該当箇所へ移れる。
本文で読む:1年の進め方 ▶

✕ やってはいけない形

✓ 通過チェック

第20章の通過チェック

  • 図版を探す4つの場所を言える
  • 作品について記録する5項目を言える
  • 来歴が資料として使える理由を3つ言える
  • 用語を調べるときの4つの注意を言える
  • 卒論でやってよいことを5つ、やらないほうがよいことを4つ言える
  • 2万字での分量の配分を言える
  • 見る力を育てる訓練の手順を言い、精読との共通点を言える
本文で読む:1年の進め方 ▶

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