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CHAPTER 12 実践 読む目安 約5分 / ⚡暗記ボックス 11

実践|第12章 調べ方と卒論への接続

この章の狙い

要点: この教材は仮の版である。

次に何を厚くするかを決めるための章にあたる。この分野の資料はどこにあるか。そして卒論の領域として選ぶなら、何を確かめておくべきか。

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資料を探す

探すもの 使う場所
作品の原文 本国の出版社の版が中心。地元の版がある場合は両方を確かめる
邦訳 地域によって差が大きい。訳のある作家とない作家が分かれる
事典 フランス語圏の文学の事典が複数ある。地域別に引ける
研究 本国と、北米の大学の研究が中心。日本語の研究も増えている
雑誌 この分野の専門誌がある。書評から最新の作品を追える
背景 03の15章(植民地帝国)、03の18章(脱植民地化)

⚠️ 邦訳の有無を先に確かめる

  • 卒論で扱うなら、原文で読める分量かどうかが決定的にあたる。
  • 邦訳がないと、指導教員との共通の土台を作りにくい場合がある。
  • これは作品を選ぶ段階で確かめる。

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版の問題

⊳ この節の問題を解く(2問・1枚)

この分野に固有の注意

  • 本国で出版される際に、改稿(かいこう)や削除がある場合がある。
  • 地元の版と本国の版で本文が違うことがある。
  • 語彙に注(ちゅう)や用語集が付けられる場合がある。誰に向けた版かが分かる。
  • どの版を使うかを最初に決めて明記する(07の5章)。

注や用語集そのものが資料になる

  • 何に注が付いているかで、想定された読者が分かる。
  • 版によって注の量が違う場合、その差が受容の変化を示す。
  • これは第2章の読者の問題を、具体的に調べる方法にあたる。

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受容を調べる

調べられること

  • どこで出版されたか。パリか、地元か。
  • どの賞を受けたか。本国の賞か、地域の賞か。
  • 書評がどこに出たか。
  • 翻訳された言語と、その時期。
  • 教科書とアンソロジーに入っているか。08の領域の正典の問題にあたる。

なぜこれが有効か

  • すべて記録が残っており、確かめられる。
  • 記述が固まるので、論証として成立させやすい(07・08の領域)。
  • 「誰がこの作家を文学に入れたか」を具体的に示せる。

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卒論の領域として選ぶなら

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

選ぶ前に確かめる5つのこと

  • 1 原文が入手できるか。
  • 2 邦訳があるか。
  • 3 先行研究が日本語または読める言語であるか。
  • 4 背景の歴史を、どこまで自分で調べる必要があるか。
  • 5 指導を受けられるか。この分野を扱う教員がいるかを確かめる。

⚠️ 5番目が最も重要にあたる

  • 専門の指導を受けられない領域を選ぶと、書く段階で行き詰まる。
  • 先に相談する。
  • 教員の専門が本国の文学であっても、方法の指導は受けられる場合がある。

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地域ごとの取り組みやすさ

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

地域 邦訳 先行研究 背景の調べやすさ
マグレブ 比較的ある 日本語でもある 03の領域で足りる
カリブ海 主要な作家はある 理論の翻訳が多い 奴隷制の歴史を別に調べる
サハラ以南アフリカ 限られる 限られる 国ごとに調べる必要がある
ケベック 限られる 専門の研究者がいる カナダ史を別に調べる
ベルギー・スイス 一部の作家はある 本国の文学史の中にある 03の領域では足りない
移民と郊外 一部ある 社会学の研究が多い 03の領域で足りる

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最初に取りかかりやすいのは

  • マグレブと移民・郊外にあたる。背景が03の領域でおおむね足り、邦訳と研究がある。
  • カリブ海は理論から入れる。グリッサンの翻訳がある(第7章)。
  • サハラ以南アフリカとケベックは、背景の調査に時間がかかる。

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この教材を厚くするとき

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

領域が決まったら足すもの

  • その地域の章を、作家ごとの節に分ける。10の領域の章の型を使う。
  • 作品ごとに、あらすじ・主題・文体・解釈の分かれ目を書く。
  • その地域の歴史の年表を詳しくする。
  • 索引に、扱った人物と作品を1行ずつ足す(00の領域)。

⚠️ 全地域を厚くしない

  • 仮の版のままで足りる地域がある。
  • 卒論で使う地域だけを厚くする。
  • これは10の領域に作品の章を足すのと同じ考え方にあたる。

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年表を自分で作る

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

この分野では年表が要る

  • 地域ごとに歴史が違い、03の領域の年表だけでは足りない。
  • 扱う地域の年表を、自分で1枚作る。
  • 列は3つ。政治の出来事/その地域の作品/本国の出来事。
  • 3列を並べると、作品が何に反応しているかが見える。

入れるもの

  • 支配の開始と終了の年。
  • 独立の年。
  • 言語に関する法律と政策の年(第3章・第8章)。
  • 扱う作品の刊行年。
  • 作家の生年と、書き始めた時期(第2章の世代)。

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先行研究の探し方

⊳ この節の問題を解く(1問)

この分野に固有の事情

  • 本国の研究、北米の研究、当該地域の研究で、力点が違う。
  • 英語の研究が多い分野にあたる。ポストコロニアル批評の主要な議論は英語圏で展開した。
  • 日本語の研究は、地域によって厚みが大きく違う。
  • 07の3章と4章の手順で探し、どの立場からの研究かを確かめる。

⚠️ 研究の立場を確かめる

  • 誰が、どこから書いているか。この分野では、それ自体が論点になる。
  • 当事者による研究と、外部からの研究の両方を見る。
  • これは第11章のポストコロニアル批評の第1の操作と同じにあたる。

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この教材を終えて

12章で扱ったのは、地域ごとの入口と、共通する問いである。

これからの使い方

  • 授業でこの分野の作家が出たら、その地域の章を開く。
  • 第2章の4つの立場を、その作家に当ててみる。
  • 枠組みを選ぶときは第11章、調べるときはこの章。
  • 卒論の領域を決めたら、その章を厚くする。

この教材が扱わなかったのは、各地域の詳しい文学史である。仮の版として、入口だけを作ってある。

⚠️ この章で混同しやすい形

  • 邦訳の有無を後から確かめる。作品を選ぶ段階で確かめる。
  • 版の違いを無視する。本国の版と地元の版で本文が違うことがある。
  • 指導を受けられるかを確かめずに領域を決める。書く段階で行き詰まる。
  • 全地域を厚くしようとする。卒論で使う地域だけを厚くする。

第12章の通過チェック

  • 資料を探す6つの場所を言える
  • 版の問題として、この分野に固有の注意を3つ言える
  • 注や用語集が資料になる理由を言える
  • 受容を調べるときに確かめる5項目を言える
  • 卒論の領域を選ぶ前に確かめる5つのことを言い、最も重要なものを言える
  • 最初に取りかかりやすい地域と、その理由を言える
読了の記録はこの端末の中だけに残ります。

📗 読み終えたら、この章の問題で理解を確かめましょう。

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