🧭全体地図📘研究法
KEY POINTS ⚡ 147 個 / やってはいけない形 259 件 / 通過チェック 20 章

要点147

作法の手順と、詩法の数え方を順に並べてあります。レポートを書き始める前と、詩を前にして手が止まったときに使ってください。 各章は 結論 → ⚡ 覚える中身 → やってはいけない形 → 通過チェック の順に並びます。 それぞれの下のリンクから、その要点が出てくる本文の節に戻れます。

導入 第1章 全体地図 — 文学研究とは何をすることか

文学研究とは、作品について「根拠を示して主張する」ことである。好きかどうかを述べるのでも、あらすじを紹介するのでもない。
⚡ 1

3つの層は同時には進まない

  • 順番は「読む → 調べる → 読み直す → 書く」になる。1回目の読みで気になった箇所を調べ、調べた目で読み直す。
  • いきなり書き始めない。書けないのは文章力の問題ではなく、観察と調査が足りていないことがほとんどである。
  • 書きながら読み直すことになる。それは失敗ではなく、正常な過程にあたる。
本文で読む:文学研究の3つの層 ▶
⚡ 2

学部のレポートで成り立つ4つの新しさ

  • 対象が新しい — 論じられることの少ない作品や箇所を扱う。
  • 観点が新しい — 有名な作品を、これまで注目されなかった側面から見る。
  • 根拠が新しい — 同じ主張を、これまで使われていない箇所から示す。
  • 比較が新しい — 2つを並べることで、片方だけでは見えないものを出す。
本文で読む:「新しい」とは何か ▶
⚡ 3

どこから読むか

  • 今週レポートがあるなら → 第2章(問い)→ 第8章(構成)→ 第6章(引用と注)。この3つで書ける。
  • 今週、詩が課題なら → 第14章 → 第15章 → 第16章。音節を数えられるだけで、詩の見え方が変わる。
  • 卒論のテーマを考え始めたなら → 第2章 → 第3章 → 第4章 → 第9章。
  • 時間があるなら → 第1章から順に。作法編は積み上がる形で書いてある。
本文で読む:この教材の地図 ▶
⚡ 4

手元に残すもの

  • 観察の記録 — どの箇所で何に気づいたか。ページ番号つきで。
  • 文献のカード — 読んだ研究の、問い・方法・結論・自分の論との関係。
  • 問いの候補 — 答えの分からない問いを、書き留めておく。これが論文の種になる。
本文で読む:何を成果とみなすか ▶
⚡ 5

演習の発表で求められること

  • 担当箇所を、参加者全員が読んでいる前提で話す。あらすじの紹介は最小限にする。
  • 観察を先に、解釈を後に(第11章)。「◯行目に〜がある」から始める。
  • 問いを1つ立てて終わる。答えが出ていなくてよい。議論の材料を出すのが発表の役割にあたる。
  • 配布資料に、扱う箇所の原文と訳を載せる。参加者が手元で確かめられるようにする。
本文で読む:授業のどの場面で使うか ▶
✓ 通過チェック

第1章の通過チェック

  • 文学研究の3つの層を言え、順序を説明できる
  • 感想文・紹介・論文の違いを言える
  • レポートで多い3つの失敗の形を言える
  • 学部で成り立つ新しさを4つ挙げ、現実的なものを2つ選べる
  • 4年間で、いつ何が求められるかを言える
  • 読みながら手元に残すべき3つを言える
本文で読む:10の領域の中での位置 ▶

作法 第2章 問いを立てる — テーマから問いへ

テーマは主題であり、問いは疑問文である。「フローベールの文体」はテーマ、「『ボヴァリー夫人』の農業共進会の場面で、演説と会話はどの頻度で切り替わるか。その切り替えは何を作っているか」が問いにあたる。
⚡ 6

良い問いの3つの条件

  • 答えが割れる。誰が調べても同じ答えになるものは、問いではなく事実確認である。
  • 本文で確かめられる。作品の記述を根拠にして答えられる。作者の心情や時代精神は確かめようがない。
  • 範囲が限定されている。1つの作品、できれば1つの場面や1つの要素に絞られている。
本文で読む:テーマと問いの違い ▶
⚡ 7

数えられる問いの強さ

  • 「エマは夢想的である」は、読んだ人の印象にすぎない。反論されたら終わる。
  • 「エマが読んだ本への言及は作中に◯箇所あり、うち◯箇所は第1部に集中する」は、確かめられる事実である。
  • 事実を先に置き、そこから主張へ進む。この順序が、論文の段落の形そのものになる。
本文で読む:テーマを問いに変える5つの型 ▶
⚡ 8

問いを作る4段階

  • 1. 通読して、引っかかった箇所に印をつける。理由はまだ考えなくてよい。「なぜここで急に」「これは何だ」で十分。
  • 2. 印を並べて、共通するものを探す。同じ種類の引っかかりが3つあれば、それは偶然ではない。
  • 3. 引っかかりを疑問文にする。上の5つの型を当てる。
  • 4. 本文で確かめられるかを試す。確かめられないなら、確かめられる形に言い換える。
本文で読む:問いを見つける手順 ▶
⚡ 9

作業仮説の書き方

  • 一文で書く。「〜ではないか」で終わる形でよい。
  • 確かめる方法を並べて書く。「本文の◯◯を数える」「◯◯と◯◯を比べる」。
  • 外れたら、外れたことを書く。「予想と違い、実際には〜だった」は、それ自体が結論になる。失敗ではない。
本文で読む:作業仮説を立てる ▶
⚡ 10

1行に落とす形

  • 「◯◯において、◯◯はどのように◯◯されているか」が基本の型になる。
  • 例:「『脂肪の塊』において、食事の場面は登場人物の道徳的な立場をどのように反転させているか」
  • 指導教員に相談するときも、この1行から始める。テーマだけを持っていくと、まず問いを作るよう言われる。
本文で読む:問いを1行で言えるようにする ▶
⚡ 11

実例から読み取れること

  • どれも1つの作品に閉じている。複数作品にまたがる問いは、学部では扱いが重い。
  • どれも本文を見れば確かめられる。作者の意図も時代精神も出てこない。
  • どれも「数える」か「比べる」で始められる。着手の敷居が低い。
本文で読む:問いの実例 — 10の作品から ▶
⚡ 12

作業に落とす3条件

  • 1日でできる単位に切る。「読む」ではなく「第1部の1〜3章を読み、印を付ける」。
  • 結果が形に残る。数、表、印を付けた紙。頭の中だけで終わる作業を入れない。
  • 最初の作業を、今日か明日に置く。着手が遅れる最大の原因は、作業が大きすぎることにある。
本文で読む:問いから作業へ ▶
✓ 通過チェック

第2章の通過チェック

  • テーマと問いの違いを、形の面から言える
  • 良い問いの3条件を言える
  • 問いを作る5つの型を挙げ、数えられるものを3つ選べる
  • 「作者は何を言いたかったか」を書き換える形を言える
  • 問いを作る4段階を言える
  • 作業仮説とは何か、外れたときにどうするかを言える
本文で読む:問いから作業へ ▶

作法 第3章 資料を探す — 図書館とデータベース

探し方を知らないと、探す時間のほとんどが無駄になる。どこに何があるかは決まっているので、目的から入口を選ぶだけでよい。
⚡ 13

図書館で最初にやる3つ

  • 蔵書検索で、作家名と作品名を入れる。全集・研究書・邦訳が一度に出る。
  • データベース一覧のページを開く。大学が契約している有料のデータベースは、学内からか、学認(がくにん)などの認証を通せば無料で使える。
  • 参考図書(レファレンス)の棚に行く。事典・便覧・書誌が並んでいる。開架(かいか)で、その場で引ける。
本文で読む:大学の図書館から始める ▶
⚡ 14

日本語で探すときの検索語

  • 作家名は複数の表記を試す。「フローベール」「フロベール」「Flaubert」。
  • 作品名と主題語を組み合わせる。「ボヴァリー夫人 自由間接話法」。
  • 見つけた論文の参考文献一覧を見る。そこに次の文献がある。これが最も効率がよい。
本文で読む:日本語の論文を探す ▶
⚡ 15

フランス語で検索するときの注意

  • アクセント記号は省いても引けることが多いが、両方試す。「theatre」と「théâtre」。
  • 単数と複数を試す。「roman」と「romans」で結果が変わる。
  • 前置詞と冠詞は入れない。「narrateur Flaubert」で足りる。
  • 主題語の定番を覚える。énonciation(言表)、narration(語り)、réception(受容)、genèse(生成)、intertextualité(間テクスト性)。
本文で読む:フランス語・英語の論文を探す ▶
⚡ 16

事典の使い方

  • 項目を読んだら、末尾の参考文献を必ず見る。次に読むべきものが書いてある。
  • 事典の記述はレポートに引用しない。そこから辿った研究書を引用する。事典は入口であって根拠ではない。
  • 複数の事典で食い違ったら、より新しく、より専門的なほうを採る。
本文で読む:事実を確かめる ▶
⚡ 17

文献カードに書く6項目

  • 著者名 / 題名 / 収録誌または出版社 / 刊行年 / ページ / 入手先
  • これを見つけた時点で書く。あとから探し直すと、同じ検索を繰り返すことになる。
  • 第7章の参考文献一覧が、このカードからそのまま作れる形にしておく。
本文で読む:探した記録を残す ▶
⚡ 18

1時間で得られるもの

  • 読むべき文献のリスト(5〜10本)
  • その分野で繰り返し出る研究者の名前(2〜3人)
  • 主題語のフランス語(次の検索で使う)
  • この3つがあれば、次からの検索が格段に速くなる。
本文で読む:探し始めてから1時間の動き方 ▶
⚡ 19

使い方

  • 作家名+この語で検索する。「Flaubert narration」。
  • 日本語の論文にも、これらの語がそのまま片仮名で使われることが多い。両方で試す。
  • 見つけた論文の題名から、さらに語を拾う。その分野で実際に使われている語が分かる。
本文で読む:主題語のフランス語 ▶
✓ 通過チェック

第3章の通過チェック

  • 探すものを5種類に分け、それぞれの入口を言える
  • 図書館で最初にやる3つを言える
  • 日本語の論文を探す4つの入口を言える
  • Gallica と Persée が何であるかを言える
  • 電子テクストを使ってよい場面と、使ってはいけない場面を言える
  • 事典を引いたあと必ずすることを言える
  • 文献カードの6項目を言える
本文で読む:主題語のフランス語 ▶

作法 第4章 先行研究を読む — 何を、どこまで

先行研究を読む目的は、知識を増やすことではなく、自分の論の位置を決めることである。「すでに言われていること」と「まだ言われていないこと」の境目が見えて初めて、自分が何を主張するのかが決まる。
⚡ 20

先行研究から取り出す4つ

  • その研究の問い — 何を明らかにしようとしたか。
  • 方法 — どのテクストの、何を、どう調べたか。
  • 結論 — 何が言えたことになっているか。
  • 自分の論との関係 — 前提として使うのか、部分的に修正するのか、反対するのか。
本文で読む:なぜ読むのか ▶
⚡ 21

読む順番

  • 1. 新しいものから読む。直近5年の論文には、それ以前の研究がまとめられている。1本読むと過去が数本ぶん見える。
  • 2. 何度も引かれているものを読む。複数の論文の注に同じ名前が出てきたら、それがその分野の基本文献にあたる。
  • 3. 事典・概説の該当項目を読む。全体の見取り図が要るとき。
  • 4. 最後に、自分の問いに最も近いものを精読する。ここだけは全文を丁寧に読む。
本文で読む:どこまで読めば十分か ▶
⚡ 22

論文を読む5段階

  • 1. 題名と要旨を読む。自分の問いと関係するかを判定する。関係しなければここで止める。
  • 2. 序論の最後と結論を読む。主張が書いてある。ここでこの論文の位置が分かる。
  • 3. 見出しを見る。どんな順序で論じているかが分かる。
  • 4. 自分の問いに関わる節だけを読む。
  • 5. 使えると判断したら、全文を読む。
本文で読む:1本の論文をどう読むか ▶
⚡ 23

「関係」の4つの書き方

  • 前提 — この研究の結論を出発点として使う。「◯◯が指摘したとおり〜」
  • 補強 — 同じ結論を、別の根拠から支える。「◯◯は〜を指摘した。本稿はこれを、〜の面から確かめる」
  • 修正 — 大枠は認めつつ、範囲や条件を限定する。「◯◯の指摘は〜には当てはまるが、〜では成り立たない」
  • 反対 — 結論そのものに異を唱える。根拠を本文から示す必要がある。最も難しい
本文で読む:文献カードの形 ▶
⚡ 24

研究史の段落の型

  • 1. 大きな流れを一文で。「この作品の語りについては、長く◯◯の観点から論じられてきた」
  • 2. 代表的な研究を2〜3本、具体的に。「◯◯(20XX)は〜を指摘した」
  • 3. まだ扱われていないことを示す。「しかし、〜については十分に検討されていない」
  • 4. 自分の論を置く。「本稿は、〜を明らかにする」
本文で読む:研究史をどう書くか ▶
⚡ 25

批判の3段構え

  • 1. まず正確に要約する。相手の主張を、相手が認める形で述べる。ここを歪めると、それだけで論が無効になる。
  • 2. どこに同意するかを述べる。全否定になることはまずない。
  • 3. どこが成り立たないかを、本文の根拠で示す。「〜の箇所を見ると、この説明では説明がつかない」
本文で読む:批判の作法 ▶
⚡ 26

カードを作るときのコツ

  • 「使えるところ」はページ番号を必ず書く。あとで探す時間がなくなる。
  • 「関係」は一言でよい。長く書くと、書くこと自体が負担になって続かない。
  • 読んだ直後に書く。1日空けると、細部が思い出せなくなる。
本文で読む:1本を読んでカードにする — 実演 ▶
⚡ 27

1本から10本へ

  • 1. 最も新しい論文を1本選ぶ。
  • 2. その注と参考文献一覧を全部書き写す。
  • 3. その中で、複数回引かれているものに印を付ける。
  • 4. 印の付いたものを次に読む。
  • 5. 同じ名前が3回以上出てきたら、それがその分野の基本文献にあたる。
  • 6. 新しい名前が出なくなったら、その主題の主要文献をほぼ拾えている。
本文で読む:読む文献の集め方 — 芋づるの手順 ▶
✓ 通過チェック

第4章の通過チェック

  • 先行研究を読む目的を一文で言える
  • 論文から取り出す4つを言え、最も重要なものを指せる
  • レポートと卒論で読む本数の目安を言える
  • 論文を読む5段階を言え、どこで止めてよいかを言える
  • 文献カードの6項目と、「関係」の4つの書き方を言える
  • 研究史の段落の4文の型を言える
  • 批判の3段構えを言える
本文で読む:日本語の研究が少ないとき ▶

作法 第5章 版と本文 — どのテクストを使うか

同じ作品でも、版が違えば本文が違う。引用する前に、自分がどの版を使っているのかを確定させる必要がある。
⚡ 28

学部での現実的な選び方

  • レポート → 授業の指定版。指定がなければ注釈つきの学習版(GF Flammarion、Folio classique、Livre de Poche classique)。
  • 卒論で本文の細部を論じる図書館のプレイヤード版を確認する。買う必要はない。
  • 語を数える → 電子テクストで数え、引用する箇所だけ紙の版で照合する。
本文で読む:版の種類 ▶
⚡ 29

複数の邦訳を比べる

  • 訳が割れる箇所は、原文が難しい箇所である。訳の違いが、そのまま論点の在りかを教えてくれる。
  • 訳者と刊行年を必ず確かめる。古い訳は日本語も研究状況も古い。
  • 「◯◯訳では〜、△△訳では〜」という比較自体が、レポートの切り口になる。原文を添えれば、立派な論になる。
本文で読む:邦訳を使うとき ▶
⚡ 30

明記する場所は3つ

  • 最初の注:「本稿における『◯◯』の引用は、すべて次の版による。(書誌)以下、本文中に括弧でページ数のみ記す。」
  • 参考文献一覧:一次資料として、他の文献と分けて最初に置く。
  • 原文と訳を併記するなら、訳の出典も同じように示す。自分で訳したなら「引用の訳は筆者による」と書く。
本文で読む:版を明記する ▶
⚡ 31

確認の手順

  • 手元の本の奥付(おくづけ)と、巻頭の解説を読む。「何に基づく本文か」がたいてい書いてある。
  • 書いていないなら、その版は分析には使えない。別の版を探す。
  • 図書館のプレイヤード版の解説を読む。版の事情が最も詳しく整理されている。
本文で読む:作品ごとの版の事情 ▶
⚡ 32

手順

  • 1. 同じ箇所を、2〜3種類の訳で並べる。数行でよい。
  • 2. 違っている語に印を付ける。
  • 3. 原文の該当語を確認する。辞書でその語の語義の幅を調べる。
  • 4. なぜ訳が割れたのかを考える。語義が広い、文化的な含みがある、構文が曖昧、など。
  • 5. その割れが、作品の解釈にどう関わるかを述べる。
本文で読む:翻訳を比べる — 実際の手順 ▶
✓ 通過チェック

第5章の通過チェック

  • 本文が1つに決まらない原因を5つ言える
  • 異文と校訂を説明できる
  • 版の5種類を挙げ、学部で使うものを選べる
  • プレイヤード叢書が何であるかを言える
  • 邦訳を根拠にしてよい場合と、だめな場合を2つずつ言える
  • 版を明記する3か所を言える
  • 一次資料と二次資料の違いを言える
本文で読む:翻訳を比べる — 実際の手順 ▶

作法 第6章 引用と注 — 書式と作法

引用の作法は、「どこまでが他人の言葉で、どこからが自分の言葉か」を読者に示すためにある。装飾でも儀式でもない。
⚡ 33

引用の3原則

  • 一字一句そのまま写す。句読点も、漢字と仮名の使い分けも変えない。
  • 出典を必ず示す。著者・書名・訳者・出版社・刊行年・ページ。
  • 必要な長さだけ。長い引用で紙幅を埋めると、論じていないと判断される。
本文で読む:引用の2つの形 ▶
⚡ 34

原文と訳を併記する形

  • 原文を先に置き、そのすぐ後に訳を括弧か次の行で示す。
  • 引用符は、フランス語では « »(ギユメ)を使う。日本語の文中に組み込むときは「 」でもよいが、論文全体でどちらかに統一する。
  • 訳が自分のものなら、「訳は引用者による」と一度書けばよい。毎回書かなくてよい。
  • 例:ラシーヌ『フェードル』の « Le jour n'est pas plus pur que le fond de mon cœur. »(陽の光も、私の心の底ほどには清らかではない)
本文で読む:フランス語を引用するとき ▶
⚡ 35

最も簡単な方法

  • 最初の注で「以下、本文中に括弧でページ数のみ記す」と宣言する。
  • 以降は本文中に(123)と書くだけでよい。注の数が激減する。
  • 複数の作品を扱うなら、(『ボヴァリー夫人』123)のように略称を添える。
本文で読む:2回目以降の出典の書き方 ▶
⚡ 36

やむを得ない場合の書き方

  • 「◯◯(原典の書誌)。ただし△△(引用元の書誌)、◯頁より引用。」
  • 正直に書けば、誤りではなくなる。隠すことが問題になる。
  • ただし、まず相互利用で取り寄せることを試す。数百円と1週間で解決することが多い。
本文で読む:孫引きの禁止 ▶
⚡ 37

迷ったら付ける

  • 付けすぎて減点されることはない。付け足りないと盗用を疑われる。
  • 書きながら付ける。あとから「これはどこで読んだのだったか」を探すのは、書くより時間がかかる。
本文で読む:どこまで出典を示すか ▶
⚡ 38

引用の前後に置く3つ

  • :なぜここを引くのか。「エマの心理が地の文に溶ける箇所を見る。」
  • 引用:必要な長さだけ。
  • :何が起きているか。「ここで『〜と彼女は思った』が省かれている。」
  • さらに後:だから何が言えるか。「したがって、この文は誰の判断とも決められない。」
本文で読む:引用を論に組み込む ▶
⚡ 39

詩の引用の作法

  • 3行以内なら、本文中に入れてよい。行の区切りを / で示す。「Les sanglots longs / Des violons」。
  • 4行以上なら、改行して原文の行のとおりに組む。
  • 行番号を付ける。分析で「3行目の」と指せるようにする。
  • 原文で引く。訳では音節も韻も消える(第14〜16章)。
本文で読む:詩を引用するとき ▶
⚡ 40

どの方法でも共通すること

  • 最初に一度、規則を宣言する。読者が迷わない。
  • 最後まで同じ規則で通す。途中で変えない。
  • 迷ったら、指導教員や授業の指示に従う。分野ごとに慣習が違う。
本文で読む:出典表記を軽くする工夫 ▶
✓ 通過チェック

第6章の通過チェック

  • 短い引用と長い引用の書き分けを言える
  • 引用の3原則を言える
  • 引用に手を加えてよい3つと、その印を言える
  • 原文を引くべき場面と、訳でよい場面を分けられる
  • 脚注と後注の違いを言え、注に書いてはいけないものを言える
  • 孫引きが禁じられる理由を3つ言え、やむを得ない場合の書き方を言える
  • 出典が要るものと要らないものを分けられる
本文で読む:出典表記を軽くする工夫 ▶

作法 第7章 参考文献一覧 — フランス語文献の書き方

参考文献一覧は、読者が同じ文献に辿り着けるようにするためのものである。だから必要な情報が、決まった順序で並んでいればそれでよい。
⚡ 41

日本語文献で迷いやすい3点

  • 書名は『 』、論文名は「 」。これは全国どこでも共通の使い分けにあたる。
  • 訳者は「◯◯訳」と書く。「訳者:◯◯」とは書かない。
  • 文庫は、文庫としての刊行年を書く。原著の刊行年は必要なら括弧で添える。
本文で読む:日本語文献の型 ▶
⚡ 42

フランス語の書誌で覚える7つの記号

  • coll. — 叢書(そうしょ)の名。「コレクション」の略
  • dir. — 編者。「その本をまとめた人」
  • éd. — 校訂者、または「版」
  • trad. — 訳者
  • p. — 1ページ、pp. — 複数ページ(p. だけで済ませる書き方もある)
  • t. — 巻。 — 号
  • s. l.(刊行地不明)、s. d.(刊行年不明)
本文で読む:フランス語文献の型 ▶
⚡ 43

一覧の組み立て

  • 1. 一次資料(分析対象の作品)を最初に、別立てで。使った版を明記する。
  • 2. 二次資料(研究文献)を、著者の姓の順に。
  • 3. 日本語文献と欧文文献は分けてよい。分けるなら、見出しを付ける。
  • 4. 同じ著者の文献が複数あるときは、刊行年の古い順に。
本文で読む:並べ方 ▶
⚡ 44

一覧を楽に作る方法

  • 文献カード(第4章)の書誌欄を、そのまま並べ替えるだけにしておく。
  • 読んだ時点で完全な形にしておく。あとから足りない項目を調べ直すと、1本あたり数分かかる。20本なら1時間の差になる。
  • 提出前に、本文の注と一覧を突き合わせる。注にあって一覧にない文献が、最も多い抜けにあたる。
本文で読む:よくある間違い ▶
⚡ 45

並べ方の例

  • 一次資料
  •  (分析対象の作品。使った版を明記する)
  • 二次資料(日本語)
  •  著者名『書名』出版社、刊行年。
  •  著者名「論文名」『掲載誌名』巻号、刊行年、頁。
  • 二次資料(欧文)
  •  姓, 名, 書名, 刊行地, 出版社, 刊行年.
  •  姓, 名, « 論文名 », 雑誌名, 巻号, 刊行年, p. 開始–終了.
  • ウェブ資料
  •  著者名「題名」サイト名、URL(閲覧日)。
本文で読む:一覧の実際の形 ▶
⚡ 46

3つを順に確かめる

  • 1. 注に出た文献が、全部一覧にあるか。注を頭から追い、一覧に印を付けていく。
  • 2. 一覧にあって、本文で使っていない文献はないか。読んだが引用しなかったものは載せない。
  • 3. 同じ文献の書誌が、注と一覧で食い違っていないか。刊行年とページが最も食い違いやすい。
本文で読む:提出前の突き合わせ ▶
✓ 通過チェック

第7章の通過チェック

  • 参考文献一覧の目的を一文で言える
  • 必須の5項目を言える
  • 日本語文献の単行本・訳書・論文の型を書ける
  • フランス語文献の単行本と論文の型を書ける
  • coll. / dir. / éd. / trad. の意味を言える
  • フランス語の書名の大文字の原則と、迷ったときの判断を言える
  • ウェブ資料で必ず書く3つを言える
  • 一覧の並べ方の4段階を言える
本文で読む:提出前の突き合わせ ▶

作法 第8章 レポートを組み立てる — 構成と段落

レポートは序論・本論・結論の3つでできている。それぞれに書くことが決まっている。決まっているものを決まった場所に置くだけなので、構成に創意(そうい)は要らない。
⚡ 47

序論の4要素

  • 1. 対象を示す。「本稿は、フローベール『ボヴァリー夫人』(1857年)を扱う。」
  • 2. 問いを示す。「本稿が問うのは、〜である。」ここが序論の中心にあたる。
  • 3. 先行研究の中での位置を示す。「この作品の語りについては〜と論じられてきたが、〜は十分に検討されていない。」(第4章の研究史)
  • 4. 進め方を示す。「まず〜を確認し、次に〜を分析し、最後に〜を論じる。」
本文で読む:序論に書く4つ ▶
⚡ 48

序論を最後に書く

  • 序論は、本論を書き終えてから書くほうが速い。書き終えて初めて、自分が何を論じたのかが確定する。
  • 書き始めるときは、仮の序論でよい。問いだけ書いておいて、最後に整える。
  • 問いが本論の途中で変わったら、序論の問いも書き換える。食い違ったまま提出されるレポートが非常に多い。
本文で読む:序論に書く4つ ▶
⚡ 49

どの型でも共通すること

  • 本文の記述から始めて、主張で終える。主張から始めて例を探すと、都合のよい例だけを拾う形になる。
  • 1つの節で1つのことを言う。節に見出しを付けてみて、付けられないなら2つのことを混ぜている。
  • 例外を必ず処理する。「ただし◯箇所では〜」を入れると、論の信頼度が上がる。
本文で読む:本論をどう並べるか ▶
⚡ 50

段落の4文モデル

  • 1文目:主張。この段落で言いたいことを先に置く。
  • 2文目:根拠。本文の記述、引用、数えた結果。
  • 3文目:説明。その根拠がなぜ主張を支えるのか。
  • 4文目:接続。次の段落へつなぐ、または限定を加える。
本文で読む:段落の作り方 ▶
⚡ 51

結論の型

  • 1. 「本稿は〜を問うた。」問いを再掲する。
  • 2. 「その結果、〜が明らかになった。」答えを一文で。
  • 3. 「これは〜を示している。」その答えの意味。
  • 4. 「ただし本稿では〜を扱えなかった。」限界を書く。これは減点ではなく加点になる。
本文で読む:結論に書くこと・書かないこと ▶
⚡ 52

詰まったときの順序

  • 序論から書かない。本論の、最も根拠が揃っている節から書く。
  • 見出しだけを先に並べる。節の見出しを5つ書いて、そこに一言ずつ入れる。それが目次であり、設計図になる。
  • 引用を先に並べる。使う予定の引用を全部貼り、その間を埋める。
  • 話し言葉で一度書く。あとで論文の文体に直す(第10章)。
本文で読む:書き始められないとき ▶
⚡ 53

見出しの付け方

  • 内容を示す。「分析」ではなく「第1部における感情語の分布」。
  • 各見出しが、1つの観察に対応する。見出しの数=観察の数になる。
  • 見出しを並べて読んで、論の筋が通るかを確かめる。通らないなら、順序を変える。
本文で読む:見出しを立てる ▶
⚡ 54

この設計の要点

  • 1で定義を置く。数える論では、何を数えたかを先に決めないと、結果が信用されない。
  • 2と3が対になっている。同じ形で書くと、差が読み取りやすい。
  • 4で初めて解釈に入る。2と3は観察にとどめる(第11章)。
本文で読む:4,000字の設計例 ▶
✓ 通過チェック

第8章の通過チェック

  • 4,000字での3部構成の配分を言える
  • 序論の4要素を順に言える
  • 序論をいつ書くのがよいかと、その理由を言える
  • 本論の3つの型と、合う問いを言える
  • 段落の4文モデルを言え、1段落の字数の目安を言える
  • 結論に書くことと書かないことを、それぞれ3つ言える
  • ディセルタシオンと日本のレポートの違いを3点言える
本文で読む:締切から逆算する ▶

作法 第9章 卒業論文 — 計画から提出まで

卒業論文は、書く技術の問題ではなく、時間の管理の問題である。2万字は、1日500字書けば40日で終わる。終わらないのは、書く前の段階で止まるからにあたる。
⚡ 55

テーマ選びの3条件

  • 原文が読める分量であること。『失われた時を求めて』の全篇を1年で原文通読するのは現実的ではない。1篇に絞るなどの限定が要る。
  • 邦訳と先行研究が手に入ること。日本語の研究がまったくない主題は、学部では難しい。
  • 1年間、飽きずに読めること。これが一番大事にあたる。面白くない作品で1年は保たない。
本文で読む:テーマの決め方 ▶
⚡ 56

指導教員に相談するときの持ち物

  • 問いを1行にしたもの(第2章)
  • 読んだ先行研究のリスト(数本でよい)
  • 扱う版(第5章)
  • この3つを持っていくと、話が具体的になる。「何を書けばいいですか」だけでは、まず問いを作るよう言われる。
本文で読む:テーマの決め方 ▶
⚡ 57

章立てで守ること

  • 分析の章を必ず2つ以上作る。1つだけだと、根拠が1本しかない論になる。
  • 各章の冒頭に、その章で何をするかを2〜3文で書く。読み手が迷わない。
  • 各章の末尾に、その章で分かったことを2〜3文で書く。次の章への橋になる。
  • 章立ては変わってよい。書きながら変える前提で、仮の形を先に置く。
本文で読む:章立ての作り方 ▶
⚡ 58

書き進める順序

  • 1. 分析の章から書く。根拠が最も揃っている節から始める。
  • 2. 1日の量を決める。500字でも、40日で2万字になる。「今日は乗らない」で止めない。
  • 3. 書けない日は、引用を集める・注を整える・文献を読む。手を止めないことが要点にあたる。
  • 4. 序論と結論は最後。
  • 5. 完成の1か月前に、いったん全部を通して読む。この時間を日程に組み込んでおく。
本文で読む:2万字をどう書くか ▶
⚡ 59

提出の3日前に確認する12項目

  • 序論の問いと、結論の答えが対応しているか
  • 各章の冒頭と末尾に、案内と要約があるか
  • 引用がすべて原文と一致しているか
  • 注の番号が飛んでいないか
  • 注に出た文献が、すべて参考文献一覧にあるか
  • 参考文献一覧の書式が最後まで統一されているか
  • 一次資料と二次資料が分けてあるか
  • ページ番号が入っているか
  • 表紙に必要事項(題名・氏名・学生番号・指導教員名・提出年月日)があるか
  • 字数が規定の範囲に収まっているか
  • 人名・作品名の表記が全体で統一されているか
  • 提出の方法と締切の時刻を確認したか
本文で読む:提出前チェックリスト ▶
⚡ 60

備え方

  • 自分の論を3分で説明できるようにする。問い・方法・結論。
  • 弱いところを自分で把握しておく。「そこは扱えなかった」と正直に答えてよい。
  • 想定質問を5つ作る。「なぜこの版を使ったか」「なぜこの作品を選んだか」「◯◯という別の解釈もあるのでは」は定番にあたる。
  • 答えられない質問には、そう言う。取り繕(つくろ)った答えは、すぐ分かる。
本文で読む:口頭試問 ▶
⚡ 61

中間発表で示すもの

  • 問いと、その理由。なぜこの問いなのか。
  • これまでに分かったこと。未完成でよい。分かっていないことも示す。
  • 章立ての案。変わる前提でよい。
  • 残りの日程。何をいつまでにやるか。
本文で読む:中間発表の準備 ▶
⚡ 62

効果

  • 読み手が迷わない。口頭試問で「この章は何のためにあるのか」と問われなくなる。
  • 書き手も迷わない。書いている途中で論の位置を見失わない。
  • この部分だけを抜き出して並べると、論文全体の要約になる。発表の原稿にそのまま使える。
本文で読む:章と章をつなぐ ▶
✓ 通過チェック

第9章の通過チェック

  • 3年春から4年冬までの日程を言える
  • 間に合わなくなる典型的な形を3つ言える
  • テーマ選びの3条件を言える
  • 指導教員に相談するときの持ち物3つを言える
  • 2万字の章立ての配分を言え、分析の章を2つ以上作る理由を言える
  • 書き進める順序を言え、序論をいつ書くかを言える
  • 提出前チェックの中で、注と参考文献に関わる3項目を言える
本文で読む:分量が足りないとき/多すぎるとき ▶

作法 第10章 日本語で書く — 論文の文体

論文の文体は、格好をつけるためではなく、誤読されないためにある。誰が読んでも一通りにしか読めない文が、論文の文にあたる。
⚡ 63

文を短くする3つの手

  • 「〜し、〜し、〜する」を切る。接続助詞でつないだ節は、たいてい独立した文にできる。
  • 修飾語を述語の近くに置く。主語と述語が離れるほど読みにくくなる。
  • 一文一情報にする。1つの文で2つのことを言おうとすると、必ず長くなる。
本文で読む:一文を短くする ▶
⚡ 64

使い分けの基準

  • 数えた結果、引用できる箇所があるもの → 断定してよい。
  • 複数の箇所から総合したもの → 「考えられる」。
  • 他の解釈も同程度に成り立つもの → 「という読みも成り立つ」。
  • この3段階を意識して書き分けると、論全体の信頼度が上がる。
本文で読む:断定と留保を使い分ける ▶
⚡ 65

接続詞のチェック法

  • 接続詞を全部消して読んでみる。意味が通るなら、その接続詞は要らないか、正しく使われている。
  • 意味が通らなくなるなら、その接続詞が論をつないでいる。残す。
  • 「また」で始まる段落が3つ続いたら、構成に問題がある。(第8章)
本文で読む:接続詞を正しく使う ▶
⚡ 66

推敲の5回

  • 1回目:構成を見る。各段落の1文目だけを拾って読む。それだけで論の筋が通るか。
  • 2回目:段落を見る。1段落に2つ以上のことが入っていないか。
  • 3回目:文を見る。3行を超える文を切る。主語と述語を確かめる。
  • 4回目:語を見る。避ける表現、用語の揺れ、表記の揺れ。
  • 5回目:形式を見る。引用、注、参考文献、ページ番号。
本文で読む:推敲の手順 ▶
⚡ 67

声に出して読む

  • 息が続かない文は長すぎる。
  • 読み間違える箇所は、係り受けが曖昧な箇所にあたる。
  • 紙に印刷して読むと、画面では見えなかった誤りが見える。理由は分からないが、実際にそうなる。
本文で読む:推敲の手順 ▶
⚡ 68

近づける3つの手

  • 修飾語を前に出す。主語の前に置けるものは、前に置く。
  • 文を切る。主語と述語のあいだに節が2つ以上あるなら、切れる。
  • 主語を変える。受け身にすると近くなることがある。ただし受け身の多用は避ける。
本文で読む:主語と述語を近づける ▶
⚡ 69

手順

  • 1. 各段落の1文目だけを、順に書き出す。
  • 2. それを続けて読む。
  • 3. 論の筋が通っていれば、構成は正しい。
  • 4. 通らないなら、段落の順序か、1文目の書き方に問題がある。
本文で読む:段落の1文目を並べて読む ▶
⚡ 70

提出前にやる検索

  • 人名。「フローベール」で検索し、「フロベール」がないかを確かめる。
  • 作品名。表記の揺れを潰す。
  • 術語。「自由間接話法」「間接自由話法」など。
  • 文末。「です」「ます」が残っていないか。
  • 避ける表現。「と思う」「ではないだろうか」「非常に」を検索して潰す。
本文で読む:用語の統一を機械的に確かめる ▶

✕ やってはいけない形

✓ 通過チェック

第10章の通過チェック

  • 論文の文体の目的を一文で言える
  • 「だ・である」体で、判断と推量をどう書くかを言える
  • 一文を短くする3つの手を言える
  • 避ける表現を5つ挙げ、代わりの書き方を言える
  • 確からしさの4段階と、その書き分けを言える
  • 接続詞のチェック法を言える
  • 推敲の5回を、見る対象の順に言える
本文で読む:数を示す書き方 ▶

分析 第11章 精読 — 一つの断章を読み尽くす

精読とは、短い一節を、そこに書かれている言葉だけを手がかりに読み尽くすことである。フランスの教育では長くこの訓練が行われてきた。
⚡ 71

手順

  • 1. 位置づける。この一節は、作品のどこか。前後で何が起きているか。1〜2文で書ける程度でよい。
  • 2. 通読する。まず全体を読む。声に出す。引っかかった箇所に印を付ける。
  • 3. 切り分ける。一節を2〜4のまとまりに分ける。どこで切れるか、その根拠は何か(時制の変化、話者の交替、段落、句読点)。
  • 4. 観察する。下の一覧に沿って、気づいたことを書き出す。まだ解釈しない。
  • 5. 解釈する。観察したことを結びつけ、この一節は何をしているのかを述べる。
  • 6. まとめる。一節全体について、一文で言う。
本文で読む:精読の6段階 ▶
⚡ 72

観察を記録する形

  • 「◯行目に〜がある」と、位置とともに書く。
  • 数える。「9行のうち5行に身体の部位が出る」は、印象ではなく事実にあたる。
  • 例外も書く。「ただし最後の1行だけは時制が違う」。この例外が、しばしば解釈の鍵になる。
本文で読む:観察の一覧 ▶
⚡ 73

つなぎ方の型

  • 「◯◯が観察される。これは〜という効果を生んでいる。」
  • 「◯◯と◯◯が同時に起きている。両者は〜の点で対応している。」
  • 「ここだけ◯◯が破られている。この断絶は〜を示している。」
本文で読む:観察を解釈につなぐ ▶
⚡ 74

観察してみる

  • 原文:« Les sanglots longs / Des violons / De l'automne »(秋の ヴァイオリンの 長いすすり泣き)
  • :l と o の音が繰り返されている。同じ音が3行にわたって続く。
  • 行の長さ:4音節・4音節・3音節。3行目だけ短い(数え方は第15章)。
  • 統語:3行で1つの名詞句にすぎない。動詞がない。
  • 語彙:「すすり泣き」「ヴァイオリン」「秋」。音を出すものと、季節。
本文で読む:精読の実際 — 詩の一節で ▶
⚡ 75

散文の一節に当てる

  • 1. 位置づけ:この一節は、主人公が◯◯した直後にあたる。
  • 2. 通読:声に出す。引っかかった箇所に印。
  • 3. 切り分け:時制が変わる箇所で2つに分かれる。
  • 4. 観察:前半は半過去が続き、身体の部位への言及が5回。後半は複合過去1文のみ、文が急に短い。
  • 5. 解釈:持続する状態から、一回きりの出来事への転換が、時制と文の長さの両方で作られている。
  • 6. まとめ:この一節は、状態から出来事への移行を、形式の面から準備している。
本文で読む:散文で精読する — 手順を当てる ▶
⚡ 76

発表資料に載せるもの

  • 一節の原文と訳。行番号を付ける。
  • 観察を表にしたもの。項目・位置・気づいたこと。
  • 問い。最後に置く。
本文で読む:20〜40分の発表にする ▶
⚡ 77

精読を論文に使う道

  • 精読で見つけた特徴を、他の箇所でも探す。「この一節に見られた形は、他にも◯箇所ある」。
  • 1つの一節から出発して、作品全体の問いに広げる。これが最も自然な道筋にあたる。
  • 論文の1つの節として、精読をそのまま置く。根拠の最も濃い部分になる。
本文で読む:精読と論文の関係 ▶
✓ 通過チェック

第11章の通過チェック

  • 精読の6段階を順に言える
  • 観察と解釈を分ける理由を言える
  • 観察の一覧を7項目以上言える
  • 観察を記録するときの3つのやり方を言える
  • 観察を解釈につなぐ型を3つ言える
  • 精読で避けるべき5つを言える
本文で読む:精読と論文の関係 ▶

分析 第12章 語りを分析する — 話法・視点・時間

語り手は作者ではない。『異邦人』を語っているのはムルソーであって、カミュではない。この区別ができていない分析は、すべて作者の意図の話に流れていく。
⚡ 78

自由間接話法の見分け方

  • 時制は地の文(半過去・条件法)になっている。
  • しかし語彙と語調は人物のものである。感嘆符、疑問符、口語的な語。
  • 時と場所を示す語が人物の側にある(「明日」ではなく「翌日」となっていない、など)。
  • 「彼は思った」を補って読めるが、書かれていない。
本文で読む:話法の3つ ▶
⚡ 79

判定の手順

  • 他人の内面が断定形で書かれているか。書かれていれば、ゼロ焦点化の可能性が高い。
  • 語り手が人物より多くを知っているか。「後になって分かることだが」があれば全知にあたる。
  • 内面がまったく書かれないか。外的焦点化。会話と動作だけで進む場面に多い。
  • 途中で変わることがある。変わる箇所を特定すると、それ自体が分析になる。
本文で読む:視点(焦点化)の3つ ▶
⚡ 80

速さの分析が最も使いやすい

  • 1ページあたり、作中で何時間が流れているかを測る。
  • 極端に遅くなる箇所が、作品の重心にあたる。そこを詳しく分析する。
  • 極端に速い箇所は、逆に「省略されている」ことが意味を持つ。「それから3年が過ぎた」の3年に何があったか。
  • これは数えられる分析なので、レポートの根拠にしやすい(第2章)。
本文で読む:時間の3つ ▶
⚡ 81

レポートにするときの型

  • 「この場面では、◯行目までは〜であるが、◯行目以降は〜に変わる。」
  • 「この変化は、〜と同時に起きている。」
  • 「したがって、〜と考えられる。」
  • 変化の位置を特定できれば、それだけで1段落が書ける。
本文で読む:3つを組み合わせて判定する ▶
⚡ 82

判定の順序

  • 引用符があるか → あれば直接話法。
  • 伝達動詞があるか → あれば間接話法。
  • どちらもないのに人物の声が聞こえるか → 自由間接話法。
  • 複数の人物の内面が書かれているか → ゼロ焦点化。
本文で読む:判定してみる — 短い場面で ▶
⚡ 83

時制の切り替わりを探す

  • 半過去が続いた後の複合過去(または単純過去)は、背景から出来事への転換にあたる。
  • その転換の位置が、場面の要(かなめ)になっていることが多い。
  • 数えられる。1ページあたりの時制の分布を表にできる(第2章の頻度の型)。
  • 時制の形と用法そのものは、フランス語の教材で扱っている。
本文で読む:時制から語りを読む ▶
⚡ 84

書き方の型

  • 1. 対象を示す。「第2部第3章の、裁判が始まる場面を見る。」
  • 2. 観察を数で示す。「この場面の12段落のうち、9段落が複合過去で書かれている。」
  • 3. 例外を示す。「残る3段落は半過去で、いずれも法廷の外の描写にあたる。」
  • 4. 解釈する。「出来事と背景が、時制によって切り分けられている。」
  • 5. 問いに戻す。「この切り分けは、〜という本稿の問いに対して〜を示す。」
本文で読む:分析を1段落にする — 型 ▶
✓ 通過チェック

第12章の通過チェック

  • 語り手と作者を区別する理由を言え、『告白』の例で説明できる
  • 話法の3つを、形の面から言い分けられる
  • 自由間接話法の見分け方を4つ言える
  • 焦点化の3つを、見える範囲の面から言える
  • 人称と焦点化が別の問題である理由を言える
  • 時間の3つの見方を言い、最も使いやすいものとその理由を言える
  • 語りの分析で最も重要な問いを言える
本文で読む:分析を1段落にする — 型 ▶

分析 第13章 修辞 — 比喩と文彩を見分ける

修辞(しゅうじ)の名前を覚える目的は、分類することではなく、見つけられるようになることである。名前を知らない形は、目の前にあっても見えない。
⚡ 85

4つを見分ける手順

  • 「のように」があるか → あれば直喩。
  • なければ、2つのものが似ているか、隣り合っているか → 似ているなら隠喩、隣り合っているなら換喩。
  • 部分と全体の関係か → 提喩。
  • 迷ったら、隠喩と換喩の区別だけ付ければ十分にあたる。細かい分類より、何と何が結ばれているかのほうが重要である。
本文で読む:比喩の4つ ▶
⚡ 86

対比を見つけたら

  • 対比される2項を書き出す。光/闇、内/外、上/下、都市/田舎。
  • 作品全体で同じ対比が繰り返されるかを確かめる。繰り返されるなら、その作品の構造にあたる。
  • どちらの項に価値が置かれているかを見る。置かれていない場合、それ自体が特徴になる。
本文で読む:対比と逆説 ▶
⚡ 87

反復を分析するときの3つの問い

  • 何回か。数える。
  • どこに集中しているか。冒頭か、末尾か、特定の人物の台詞か。
  • 強調か、空転か。同じ語の繰り返しが、意味を強めているのか、意味を失わせているのか。不条理の演劇では後者が意図的に使われる。
本文で読む:反復 ▶
⚡ 88

緩叙法はフランス文学で重要な技法にあたる

  • 古典主義の作品では、激しい感情ほど抑えた言い方で示される。
  • 抑制された言い方が出てきたら、その裏を読む。
  • ラシーヌ『フェードル』の « Le jour n'est pas plus pur que le fond de mon cœur. »(陽の光も、私の心の底ほどには清らかではない)は、「私は潔白だ」を、否定と比較を使って述べている。
本文で読む:強調と抑制 ▶
⚡ 89

修辞を論にする3手順

  • 1. 同じ種類のものを集める。1つでは偶然かもしれない。
  • 2. 分布を見る。どの部分に集中しているか。
  • 3. 他の要素と結ぶ。筋の展開、人物の変化、語りの変化と重なるか。
本文で読む:見つけたあと何を言うか ▶
⚡ 90

手順

  • 1. 作品を読みながら、比喩に印を付ける。種類は問わない。
  • 2. 印を付けた比喩を、「何の領域から来ているか」で分類する。水・火・光・闇・動物・機械・病・戦い・貨幣など。
  • 3. 領域ごとに数える。どの領域が多いか。
  • 4. 分布を見る。特定の人物、特定の場面に偏っていないか。
  • 5. 偏りを、筋や主題と結ぶ。
本文で読む:比喩の体系を作る ▶
⚡ 91

原文に当たるべき場面

  • 音を論じるとき。必ず原文(第5章)。
  • 同じ語の繰り返しを論じるとき。訳では別の語になっている可能性がある。
  • 逆に、比喩の内容そのものを論じるなら、訳でも扱える。「心の氷」は訳しても残る。
本文で読む:フランス語で修辞を見るとき ▶
⚡ 92

名前より先に書くこと

  • どんな操作が行われているか。「AをBとして述べている」「同じ語が3回繰り返される」。
  • その操作が何を作っているか。
  • 名前は、あとから事典で確かめればよい(第3章)。
  • 名前だけ正しくて操作の記述がないより、名前がなくても操作が正確に書けているほうが、はるかによい。
本文で読む:名前が分からないとき ▶
✓ 通過チェック

第13章の通過チェック

  • 修辞を学ぶ目的を一文で言える
  • 比喩の4つを、仕組みの面から言い分けられる
  • 比喩を見つけたあとに書くべき3つを言える
  • 対照法と撞着語法の違いを言える
  • 反復を分析する3つの問いを言える
  • 緩叙法とは何か、フランス古典主義で重要な理由を言える
  • 修辞を論にする3手順を言える
本文で読む:名前が分からないとき ▶

詩法 第14章 詩を読む前に — フランス詩の枠組み

フランス詩は、音節の数で作られている。英語やドイツ語のように強弱の並びで作るのでも、日本語のように五七五で作るのでもない。1行に何個の音節があるかが、詩型を決める。
⚡ 93

偶数と奇数

  • フランス詩は原則として偶数音節(6・8・10・12)で作られてきた。左右が釣り合うためである。
  • 奇数音節は、19世紀後半に意図的に使われるようになった。釣り合いが崩れ、宙づりの感じが生まれる。
  • ヴェルレーヌ「詩法」の冒頭は、それ自体が9音節で書かれている。« De la musique avant toute chose »(何よりもまず音楽を)— 数えると9になる。主張と形式が一致している。
本文で読む:主な詩型 ▶
⚡ 94

見るべき4つ

  • 各行の頭が大文字か。伝統的なフランス詩では、文の途中でも行頭は大文字にする。小文字になっていれば、それは意図的な選択にあたる。
  • 字下げがあるか。行の長さが違うとき、短い行を下げて組むことがある。
  • 空行の位置。どこで詩節が切れているか。
  • 行の長さの並び。すべて同じか、規則的に変わるか。
本文で読む:印刷された詩を見る ▶
⚡ 95

必ず声に出して読む

  • 音節は、読まないと数えられない。目で見ただけでは、無音の e を数え間違える。
  • 韻は、音が同じかどうかで決まる。綴りが違っても韻になることがある(第16章)。
  • 切れ目は、息継ぎの位置に近い。読んでみると自然に見つかる。
  • フランス語の教材の読み上げ機能を使って、機械の音でも構わないので、耳で確かめる。
本文で読む:声に出す ▶
⚡ 96

ここが詩の学習の入口になる理由

  • 語学力に依存しない部分から入れる。数えることに語彙は要らない。
  • 数えた結果は、確かめられる根拠になる(第2章)。
  • 形式が見えると、意味も見えてくる。逆は成り立たないことが多い。
本文で読む:授業で詩が出たときの動き方 ▶
⚡ 97

1篇だけを扱うときも、位置を確認する

  • その詩が、詩集のどの部にあるか。
  • 前後にどんな詩が置かれているか。
  • これを書くだけで、精読の「位置づけ」(第11章)が済む。
本文で読む:詩集をどう読むか ▶
✓ 通過チェック

第14章の通過チェック

  • フランス詩が音節数で作られる理由を、アクセントの面から言える
  • 詩句・詩節・詩の3つの単位を言える
  • 8・10・12音節の名前と使われ方を言える
  • アレクサンドランとは何かを言える
  • 偶数音節が原則である理由と、奇数音節の効果を言える
  • 印刷された詩で見るべき4つを言える
  • 分析の4層を順に言え、4層目から入らない理由を言える
本文で読む:詩の用語の対応 ▶

詩法 第15章 音節を数える — 詩句と無音の e

数え方の規則は4つしかない。そのうち3つは、語末の e(無音の e)をどう扱うかの規則である。
⚡ 98

原則

  • 発音される母音1つにつき、1音節。
  • 子音は数えない。「strict」は母音が1つなので1音節にあたる。
  • 綴りではなく音で数える。「eau」は母音字3つだが、音は1つなので1音節。
  • 数えるのは詩句1行ごと。行をまたいで数えない。
本文で読む:基本の原則 ▶
⚡ 99

3規則の覚え方

  • 子音の前なら数える。母音の前なら消える。行末なら消える。
  • この一行だけ覚えれば足りる。
  • 動詞の三人称複数の語尾 -ent も、無音の e と同じ扱いになる。
本文で読む:無音の e の3つの規則 ▶
⚡ 100

« Le jour n'est pas plus pur que le fond de mon cœur. »

  • 訳:陽の光も、私の心の底ほどには清らかではない。
  • Le(1) / jour(2) / n'est(3) / pas(4) / plus(5) / pur(6) / que(7) / le(8) / fond(9) / de(10) / mon(11) / cœur(12)
  • 合計12音節。アレクサンドランである。
  • 「que」「le」「de」の e は、いずれも次が子音なので規則①により数える。
本文で読む:数えてみる(1)— アレクサンドラン ▶
⚡ 101

« Heureux qui, comme Ulysse, a fait un beau voyage »

  • 訳:ユリシーズのように、よい旅をした者は幸いだ。
  • comme の e は、次が Ulysse(母音)なので消える(規則②)。
  • Ulysse の e は、次が a(母音)なので消える(規則②)。
  • Heu(1) / reux(2) / qui(3) / com(4) / m'U(5) / lys(6) / s'a(7) / fait(8) / un(9) / beau(10) / vo(11) / ya(12)
  • 末尾 voyage の最後の e は、行末なので数えない(規則③)。
  • 合計12音節。
本文で読む:数えてみる(2)— エリジョンが2回 ▶
⚡ 102

規則が守られているかを見る

  • 17世紀の詩でハイアタスがあれば、それは例外的な事態にあたる。指摘する価値がある。
  • 19世紀以降では珍しくない。避けられていないこと自体は論点にならない。
  • 時代によって規則が違うので、その作品の時代の規則で判定する。
本文で読む:母音の衝突 ▶
⚡ 103

確かめ方

  • 同じ詩の他の行を数える。全行が同じ数になるはずである。1行だけ合わないなら、その行の数え方が間違っている。
  • 合わない行が複数あるなら、詩型の判定が間違っている。12ではなく10かもしれない。
  • 奇数音節の可能性も残す。9音節や7音節の詩は存在する。
本文で読む:数え間違いを防ぐ ▶
⚡ 104

迷ったときの原則

  • その語を、詩を朗読するようにゆっくり発音してみる。
  • 朗読では、日常会話より e が多く発音される。詩の朗読は、この e を落とさない。
  • それでも決まらないなら、行全体の音節数から逆算する(本章のディエレーズと同じ考え方)。
本文で読む:語中の e と、その他の注意 ▶
⚡ 105

判定の流れ

  • 1. 1行目を数える。
  • 2. 2行目、3行目も数える。
  • 3. 3行とも同じなら、それがその詩の音節数にあたる。
  • 4. 違うなら、規則的に変わるかを見る。「秋の歌」のように 4・4・3 が繰り返される形がある。
  • 5. 不規則なら、自由詩の可能性がある(第19章)。
本文で読む:3種類の詩型を数え分ける ▶
⚡ 106

押韻表と一緒に作る

  • 行番号 / 音節数 / 行末の語 / 韻の記号 / 性の5列で表を作る。
  • 詩1篇について、この表を1つ作れば、形式の分析は済んでいる。
  • 表を作った時点で、必ず1つは気づくことが出てくる。「この行だけ音節が多い」「ここで性の交替が崩れる」。
  • その気づきが、そのままレポートの出発点になる。
本文で読む:数えた結果を記録する ▶
✓ 通過チェック

第15章の通過チェック

  • 音節を数える原則を3つ言える
  • 無音の e の3規則を、位置ごとに言える
  • エリジョンとは何かを説明できる
  • ラシーヌの詩句を実際に12音節に数えられる
  • 「comme Ulysse, a fait」でエリジョンが2回起きることを説明できる
  • ディエレーズとシネレーズの違いと、どちらかを決める方法を言える
  • ハイアタスとは何か、時代による扱いの違いを言える
  • 数え間違いの4つの型を言える
本文で読む:数えた結果を記録する ▶

詩法 第16章 押韻 — 韻の質・性・配列

押韻を分析するとき、見るのは3つだけである。どれくらい濃いか(質)、e で終わるか(性)、どの順に並ぶか(配列)。
⚡ 107

質から何が言えるか

  • 豊かな韻が続く詩は、音の密度が高い。ボードレール以降の詩人は、豊かな韻を好んだ。
  • 貧しい韻が混ざる箇所には、理由があることがある。そこだけ音の締まりが緩む。
  • 全部を数えて分布を見る。「14行中、豊かな韻が◯組」は、そのまま論の根拠になる。
本文で読む:質 — 韻の濃さ ▶
⚡ 108

交替の規則

  • 男性韻と女性韻は、交互に現れなければならない。同じ性の韻が連続してはいけない、という規則が古典期に確立した。
  • これを交替の規則という。16世紀に定まり、19世紀まで守られた。
  • 守られていない箇所を見つけたら、時代を確認する。20世紀の詩では守られないことが多い。
  • 判定は簡単である。行末を見て、無音の e があるかないかを見るだけでよい。
本文で読む:性 — e で終わるかどうか ▶
⚡ 109

配列から分かること

  • 平韻は、悲劇と叙事詩の標準にあたる。ラシーヌやコルネイユの台詞は、ほぼこの形で書かれている。二行ずつ意味が完結しやすい。
  • 交差韻は、抒情詩でよく使われる。軽く、流れる感じになる。
  • 抱擁韻は、閉じた感じを作る。ソネットの4行連はこの形が多い(第18章)。
本文で読む:配列 — どの順に並ぶか ▶
⚡ 110

行末の語だけを見る

  • 1行目:équipage
  • 2行目:mers
  • 3行目:voyage
  • 4行目:amers
  • 配列:équipage と voyage、mers と amers が韻を踏む。1・3行目と2・4行目なので、交差韻(ABAB)にあたる。
  • :équipage / voyage は無音の e で終わるので女性韻。mers / amers は男性韻交互に現れているので、交替の規則が守られている。
  • :mers / amers は m・e・r の3音が一致するので豊かな韻。équipage / voyage は a・j の2音なので十分な韻
本文で読む:実際に見る — ボードレール「アホウドリ」 ▶
⚡ 111

押韻を分析する5段階

  • 1. 行末の語をすべて書き出す。
  • 2. 同じ音のものに同じ記号を付ける。A、B、C……
  • 3. 配列の型を判定する。AABB か ABAB か ABBA か。
  • 4. 各行末に無音の e があるかを見て、性を記入する。交替が守られているか。
  • 5. 一致する音の数を数え、質を記入する。
本文で読む:分析の手順 ▶
⚡ 112

この表から言えること

  • 音節数が全行同じ → アレクサンドラン。
  • A B A B → 交差韻。
  • 女男女男 → 交替の規則が守られている。
  • 表を作るのに5分もかからない。そしてこの4行の分析は、すでに1段落分になる。
本文で読む:押韻表を作る — 実際の形 ▶
⚡ 113

見るべき3つ

  • 韻を踏む2語が、意味の上で近いか、遠いか。遠い2語が音で結ばれると、思いがけない結びつきが生まれる。
  • 韻の位置に、その詩の重要語が置かれているか。行末は目立つ位置にあたる。
  • 同じ韻が、詩集の他の詩でも使われているか。繰り返される韻は、その詩人の語彙の特徴を示す。
本文で読む:韻を意味と結ぶ ▶
⚡ 114

押韻のない詩をどう扱うか

  • 音の反復を探す。頭韻・母音反復は残っていることが多い。
  • 行末に置かれた語を並べる。韻を踏まなくても、行末という位置は目立つ。
  • 押韻がないこと自体を書く。「この詩では押韻が放棄されており、代わりに〜が結束を作っている」。
本文で読む:押韻がない詩 ▶
✓ 通過チェック

第16章の通過チェック

  • 韻を判定するのが綴りではなく音である理由と、その例外を言える
  • 韻の質の3段階と、その基準を言える
  • 女性韻と男性韻の区別を言える
  • 交替の規則とは何か、いつ確立していつ崩れたかを言える
  • 配列の3つの型を記号で言え、それぞれの使われ方を言える
  • 「アホウドリ」の冒頭4行の質・性・配列を説明できる
  • 頭韻と母音反復の違いを言える
  • 押韻を分析する5段階を言える
本文で読む:押韻がない詩 ▶

詩法 第17章 リズムと切れ目 — 詩句の内部構造

アレクサンドランの12音節は、均等に並んでいるのではない。真ん中で大きく切れ、その左右がさらに小さく切れる。この切れ方がリズムを作っている。
⚡ 115

確かめてみる

  • ラシーヌ『フェードル』:« Le jour n'est pas plus pur ‖ que le fond de mon cœur. »
  • 前半:Le / jour / n'est / pas / plus / pur = 6音節
  • 後半:que / le / fond / de / mon / cœur = 6音節
  • 中間休止の位置に、意味の切れ目も来ている。「陽の光も清らかではない ‖ 私の心の底ほどには」。
  • 形式と意味が一致している。古典主義の詩句の典型にあたる。
本文で読む:中間休止 ▶
⚡ 116

リズムの表し方

  • 各まとまりの音節数を、数字の列で書く。
  • 6 + 6 のアレクサンドランで、前半が 2 + 4、後半が 3 + 3 なら、2/4//3/3 と書ける。
  • この数字の列を、詩の全行について作ると、リズムの変化が目に見える。
  • 全行が同じ数字になることはまずない。変化する箇所が、分析の対象になる。
本文で読む:小さな切れ目 ▶
⚡ 117

ユゴーの自己言及的な一行

  • « J'ai disloqué ce grand niais d'alexandrin. »(私はこの間抜けなアレクサンドランを脱臼させた)
  • J'ai / dis / lo / qué(4)ce / grand / ni / ais(4)d'a / lex / an / drin(4)
  • 合計12音節だが、切れ目は 4/4/4 である。6音節目は「ce」の途中ではなく「grand」の内部にあたり、中間休止が置けない。
  • 述べている内容と、その内容を実演している形式が一致している。アレクサンドランを壊すと宣言する行が、実際に壊れた形で書かれている。
本文で読む:規則が破られるとき ▶
⚡ 118

ラ・フォンテーヌの例

  • « Un Agneau se désaltérait / Dans le courant d'une onde pure. »(一頭の子羊が喉を潤していた/澄んだ流れの中で)
  • 1行目で文は終わらない。「どこで」が次の行に送られている。
  • 行末でいったん切れ、そのあとに場所が明かされる。読者は一瞬待たされる。
  • これがまたがりにあたる。
本文で読む:行をまたぐ ▶
⚡ 119

またがりを見つけたら書くこと

  • どの語が次の行の頭に置かれているか。その語が、行頭という目立つ位置に置かれることで強調される。
  • 待たされることで、何が起きるか。期待、驚き、宙づり。
  • その詩の中で何回起きるか。1回なら特別な効果、多用されているならその詩の方法にあたる。
本文で読む:行をまたぐ ▶
⚡ 120

手順

  • 1. 全行の音節数を数える(第15章)。
  • 2. 中間休止の位置を確かめる。6音節目のあとで切れるか。
  • 3. 各行のリズムを数字の列で書く。
  • 4. 例外を拾う。中間休止が置けない行、またがりのある行。
  • 5. 例外の位置と、詩の意味の展開を重ねる。
本文で読む:リズムの分析をレポートにする ▶
⚡ 121

八音節に中間休止がない理由

  • 短いので、途中で大きく切る必要がない。
  • 1つのまとまりとして読める長さにあたる。
  • だから軽く、速く感じられる。物語や歌に向く。
  • アレクサンドランの重さと対比される。同じ詩人が使い分けている場合、それ自体が分析の対象になる。
本文で読む:十音節と八音節の切れ目 ▶
⚡ 122

表の使い方

  • リズムの列だけを縦に読む。同じ数字が続くか、変化するか。
  • 変化する行に印を付ける。
  • 印の付いた行に何が書かれているかを見る。
  • 形式の変化と意味の変化が重なる箇所が見つかれば、それが論の中心になる。
本文で読む:リズムを表にする ▶
✓ 通過チェック

第17章の通過チェック

  • 中間休止と半句を説明できる
  • アレクサンドランと十音節の中間休止の位置を言える
  • ラシーヌの詩句を6+6に分けられる
  • 切れとは何か、フランス語で強めるのがどこかを言える
  • 三分割のアレクサンドランを説明でき、ユゴーの一行で示せる
  • またがり・送り・先送りを言い分けられる
  • またがりを見つけたあとに書くべき3つを言える
  • リズム分析の5段階を言え、結論になるのがどれかを言える
本文で読む:リズムを表にする ▶

詩法 第18章 定型詩の形 — ソネットとその周辺

定型詩とは、行数・音節数・押韻の配列があらかじめ決まっている詩のことである。決まっているからこそ、どこで守り、どこで外したかが見える。
⚡ 123

三行連の2つの型

  • CCD / EED — 16世紀にマロが用いた形。フランスで長く標準とされた。
  • CCD / EDE — ペルチエが用いた形。後半が交差韻になる。
  • どちらかを判定するのは、押韻表を作れば一瞬にあたる(第16章の5段階)。
本文で読む:ソネットの形 ▶
⚡ 124

ソネットの読み方

  • 前半8行で状況や描写を置き、後半6行でそれを転じるのが基本の型にあたる。
  • 転換の位置を特定する。9行目で切り替わるのが標準だが、ずれていることがある。そのずれが分析の対象になる。
  • 最終行が重い。ソネットは最後の1行に落ちる形が多い。そこだけ独立させて分析する価値がある。
本文で読む:転換 ▶
⚡ 125

本文

  • « Heureux qui, comme Ulysse, a fait un beau voyage,
  • Ou comme cestuy-là qui conquit la toison,
  • Et puis est retourné, plein d'usage et raison,
  • Vivre entre ses parents le reste de son âge ! »
  • 訳:ユリシーズのようによい旅をした者は幸いだ、/あるいは金羊毛(きんようもう)を得たあの者のように、/そして経験と分別に満ちて帰り、/親族のもとで残りの生涯を送る者は。
本文で読む:実際に見る — デュ・ベレーの四行連 ▶
⚡ 126

共通する仕組み

  • ロンドー・バラード・ヴィラネルに共通するのは「戻ってくる行」にあたる。
  • 同じ行が、違う文脈で繰り返されると意味が変わる。これが分析の対象になる。
  • どの位置に戻ってくるかを表にすると、その詩の構造が一目で分かる。
本文で読む:ソネット以外の定型 ▶
⚡ 127

劇詩を分析するときに見るもの

  • 1つの台詞が何行か。長台詞と短い応酬の配置。
  • 台詞が二行連の途中で切れるか。切れれば、人物が相手の言葉を奪っていることになる。
  • 韻を2人で分け合う箇所。一方が前の行、他方が韻を踏む行を言う。対立や共犯の関係が、韻の上で作られる。
本文で読む:演劇の詩句 ▶
⚡ 128

未知の詩を前にしたとき

  • 1. 行数を数える。14行ならソネットの可能性が高い。
  • 2. 詩節の分かれ方を見る。4-4-3-3 ならソネット。
  • 3. 音節数を数える(第15章)。全行同じか。
  • 4. 行末の語を書き出し、配列を判定する(第16章)。
  • 5. 繰り返される行があるかを見る。あればロンドー系の可能性。
  • 6. どれにも当てはまらないなら、定型ではない。次章へ。
本文で読む:定型を判定する手順 ▶
⚡ 129

14行を前にしたときの5段階

  • 1. 4-4-3-3 に分かれているかを確かめる。空行で分かれていないこともある。
  • 2. 全行の音節数を数える。アレクサンドランか、十音節か。
  • 3. 押韻表を作る(第16章)。四行連が ABBA を2回繰り返しているか。
  • 4. 三行連の型を判定する。CCD EED か、CCD EDE か。
  • 5. 転換の位置を探す。9行目か、それともずれているか。
本文で読む:ソネットを分析する — 手順 ▶
⚡ 130

最終行で見るもの

  • その行だけを取り出して読む。独立して意味が通るか。
  • 前の13行との関係。まとめか、転換か、それとも宙づりか。
  • 音節数とリズム。そこだけ変わっていないか。
  • その行に置かれた語。行末の語が、詩全体の主題語になっていることがある。
本文で読む:最終行の重み ▶
✓ 通過チェック

第18章の通過チェック

  • ソネットの行数と詩節の構成を言える
  • 四行連と三行連の押韻の配列を言え、三行連の2つの型を言える
  • 転換とは何か、どこで起きるかを言える
  • デュ・ベレーの四行連について、音節数・配列・性を説明できる
  • ロンドー・バラード・ヴィラネルに共通する仕組みを言える
  • 劇詩の押韻の配列と、二行連が意味の単位になることを言える
  • 韻を2人で分け合う現象と、その分析上の意味を言える
  • 定型を判定する6段階を言える
本文で読む:定型を守ることの意味 ▶

詩法 第19章 定型が外れる — 自由詩と散文詩

19世紀後半から、フランス詩は定型から離れていく。ただしそれは規則の放棄ではなく、段階を追った解体であった。
⚡ 131

何が緩んだか

  • 中間休止の移動。6+6 ではなく 4+4+4(第17章の三分割)。
  • またがりの多用。行末で文が終わらない形が増える。
  • 語彙の解放。古典主義では詩に使えないとされた日常語が入る。
  • ハイアタスの許容(第15章)。
本文で読む:緩めた定型 ▶
⚡ 132

自由詩でも残るもの

  • 行分け。どこで行を切るかは、依然として選択にあたる。
  • 反復。語・句・構文の繰り返しが、韻の代わりにまとまりを作る。
  • リズム。規則的ではないが、まとまりの長さの変化はある。
  • だから分析できる。「自由だから分析できない」は誤りにあたる。
本文で読む:自由詩 ▶
⚡ 133

散文詩をどう分析するか

  • 段落を、詩節と同じように扱う。長さと配置を見る。
  • 音の反復を探す。行末の韻はないが、頭韻や母音反復は働いている(第16章)。
  • 文の長さの変化を測る。急に短くなる箇所が、詩句の切れ目に相当する。
  • 散文との違いは、意味の密度と、反復の設計にある。筋が進まないことが多い。
本文で読む:散文詩 ▶
⚡ 134

外れを論にする4手順

  • 1. どの規則が外れているかを特定する。音節数か、押韻か、中間休止か、行分けか。
  • 2. 外れていない規則を挙げる。すべてが外れていることはまずない。残っているものが、その詩の骨格にあたる。
  • 3. 外れる位置を特定する。全編か、特定の箇所か。特定の箇所なら、そこで何が語られているか。
  • 4. 同じ作者の定型詩と比べる。多くの詩人は両方を書いている。比較が最も強い根拠になる。
本文で読む:「外れている」を論にする ▶
⚡ 135

詩を前にしたときの手順(第14〜19章)

  • 1. 声に出して読む。
  • 2. 行数と詩節の分かれ方を見る。
  • 3. 音節を数える。全行同じか。無音の e の3規則に注意する。
  • 4. 行末の語を書き出し、質・性・配列を判定する。
  • 5. 中間休止と切れ目を見る。またがりを探す。
  • 6. 定型かどうかを判定する。定型なら、どこを守りどこを外しているか。定型でないなら、何が残っているか。
  • 7. ここまでの観察を、意味の分析と結ぶ。
本文で読む:詩法編のまとめ ▶
⚡ 136

6段階

  • 1. 全行の音節数を数える。不定でも数える。
  • 2. 分布を見る。最短と最長。平均から離れた行はどれか。
  • 3. 行の切れ目と文の切れ目の関係を見る。一致するか、ずれるか。
  • 4. 繰り返される語・句・構文を拾う。韻の代わりに何が結束を作っているか。
  • 5. 詩節の長さを比べる。均等か、不均等か。
  • 6. 1〜5で見つけた偏りを、意味と結ぶ。
本文で読む:自由詩を実際に分析する ▶
⚡ 137

扱い方

  • 引用は必要最小限にとどめる。分析に不可欠な部分だけ。
  • 出典を厳密に示す。版と頁(第5章・第7章)。
  • 作品全体を写すような引用はしない。短い詩ほど注意が要る。
  • 記述で扱える部分は、記述で扱う。構成や反復の分析は、引用しなくても書ける。
本文で読む:20世紀以降の詩をどう扱うか ▶
✓ 通過チェック

第19章の通過チェック

  • 定型が外れる3段階を言え、時期が一本道でない理由を言える
  • 緩めた定型で何が緩んだかを4つ言える
  • 自由詩でも残るものを4つ言え、分析できる理由を言える
  • 散文詩の代表的な3つの作品と時期を言える
  • 散文詩を分析するときに見るものを4つ言える
  • 配置を扱うときに版を明記すべき理由を言える
  • 外れを論にする4手順を言え、要点になるのがどれかを言える
  • 詩を前にしたときの7つの手順を順に言える
本文で読む:20世紀以降の詩をどう扱うか ▶

仕上げ 第20章 発表と倫理 — 口頭発表・研究倫理・生成AI

書いたものは、人前で話す形にして初めて完成する。演習の発表も、卒論の口頭試問も、論を短く言い直す訓練にあたる。
⚡ 138

資料に入れる5項目

  • 題名・氏名・日付
  • 扱う作品と版(第5章)
  • 問い(第2章)
  • 論の骨格(見出しと、各節の結論を一文ずつ)
  • 引用(原文と訳。行番号かページを付ける
  • 参考文献(第7章)
本文で読む:口頭発表の準備 ▶
⚡ 139

答え方の型

  • 1. 質問を要約して確かめる。「〜という点についてのご質問でしょうか。」
  • 2. 答える。根拠を挙げる。
  • 3. 答えられないときは、そう言う。「その点は本発表では扱えませんでした。今後の課題とします。」
  • これは逃げではない。扱った範囲と扱っていない範囲を区別できていることの証明にあたる。
本文で読む:質疑への答え方 ▶
⚡ 140

迷ったときの基準

  • 複数の入門書に載っているなら、一般的知識にあたる。
  • 特定の研究者の主張なら、出典が要る。
  • 迷ったら付ける。付けすぎて減点されることはない(第6章)。
本文で読む:どこまでが「一般的な知識」か ▶
⚡ 141

一般に問題にならない使い方

  • フランス語の文法や語義を調べる。辞書の代わりに使う。ただし必ず辞書で裏を取る。
  • 日本語の文章を推敲する。自分が書いた文を読みやすくする。
  • 調べる方向の見当をつける。「この主題ではどんな研究があるか」の見当をつけ、実際の文献は自分で確かめる。
本文で読む:生成人工知能をどう扱うか ▶
⚡ 142

残すもの

  • いつ、何を、どこで調べたか。検索した語と、使ったデータベース。
  • 読んだ文献のカード(第4章)。
  • 数えた結果と、その数え方。
  • 考えが変わった経過。「当初〜と考えたが、〜のため変更した」。
本文で読む:研究ノートを残す ▶
⚡ 143

これからの使い方

  • レポートの前 → 第2章(問い)→ 第8章(構成)→ 第6章(引用)。
  • 詩が課題に出たら → 第14〜17章。まず数える。
  • 卒論を始めるとき → 第9章を最初に読み、日程を自分の学年に当てはめる。
  • 書いていて詰まったら → 第2章に戻る。詰まる原因は、ほぼ問いにある。
本文で読む:この教材を終えて ▶
⚡ 144

1枚目に置くもの

  • 題名・氏名・日付(上部に1行)
  • 扱う作品と版(1行)
  • 問い(枠で囲む。最も目立たせる
  • 論の骨格(見出しと、各節の結論を一文ずつ。3〜5行)
本文で読む:発表資料の作り方 ▶
⚡ 145

2枚目に置くもの

  • 引用(原文と訳。行番号を付ける
  • 数えた結果の表(あれば)
  • 参考文献(3〜5点)
本文で読む:発表資料の作り方 ▶
⚡ 146

参加者としての振る舞い

  • 本文に基づいて質問する。「◯行目の〜は、どう読みましたか。」
  • 判断を求める質問より、確認の質問から入る。「〜という理解でよいでしょうか。」
  • 別の読みを提案するときは、根拠を添える。「◯行目を見ると、〜とも読めるように思います。」
  • 黙っていると、何も得られない。質問を1つ用意して臨む。
本文で読む:議論に参加する ▶
⚡ 147

確かめられる形にする

  • 引用の作法 → 読者が原文に当たれるようにするため。
  • 版の明記 → どの本文を見たかを示すため。
  • 注と参考文献 → 情報の出どころを辿れるようにするため。
  • 数え方の記述 → 同じ手順で再現できるようにするため。
  • 限界の記述 → どこまでが確かめられた範囲かを示すため。
本文で読む:情報を扱うときの原則 ▶

✕ やってはいけない形

✓ 通過チェック

第20章の通過チェック

  • 口頭発表の資料に入れる5項目を言える
  • 発表でよくある3つの失敗を言える
  • 質疑への答え方の型を言え、答えられないときの対応を言える
  • 盗用にあたる5つの形を言える
  • 出典が要る場合と要らない場合を、例で分けられる
  • 生成人工知能の、問題にならない使い方と問題になる使い方を、それぞれ3つ言える
  • 研究ノートに残す4つを言え、最も価値があるものを言える
本文で読む:卒業後にも残るもの ▶

📗 一通り目を通したら、一問一答で言えるかどうか確かめましょう。

一問一答で総ざらいする ▶
🧭全体地図へ戻る