実践|第3章 場面から引く — 授業・レポート・試験・卒論
この章の狙い
要点: この教材群で最も使う章である。
授業で作品が指定された。レポートの主題が決まらない。試験が近い。卒論の章を書いている。それぞれの場面で、どのサイトの何章を開くかを並べる。
場面1 — 授業で作品が指定された
⚡ 順序
- 1. 10でその作品の章を開く。なければ、02でその作家の位置を確かめる。
- 2. あらすじと登場人物を先に読む。読む前の見取り図を作る。
- 3. 「原文を読む」で難度を確かめる。訳で読むか原文で読むかを決める。
- 4. 読む。記録を取りながら。
- 5. 読み終えたら「解釈の分かれ目」に戻る。
⚡ 背景が要ると分かったら
- 年号が出てきた → 03の早見表から章を引く。
- 絵画や音楽が出てきた → 05の早見表から章を引く。
- 哲学者の名が出てきた → 04の該当章。
- 本国の外の作家だった → 09の早見表から地域の章を引く。
- どれも、必要な節だけ読む。
場面2 — レポートの主題が決まらない
⚡ 順序
- 1. 10の「レポートの切り口」を見る。問いの例が5つ並んでいる。
- 2. そこから1つ選び、自分の関心に合わせて作り変える。
- 3. 08で枠組みを1つ決める。「引っかかりから枠組みを引く」表を使う。
- 4. 07で、記述と分析の分け方を確かめる。
- 5. 本文から根拠を集める。数えられる形にできると論証が固まる。
⚠️ やってはいけない順序
- 枠組みを先に決めて、それに合う作品を探す。
- 主題を「この作品の魅力」にする。論にならない(10・07の領域)。
- 背景の調査から始める。本文の記述から始める。
場面3 — 試験が近い
⚡ 何を見るか
- 各サイトの要点集。⚡と⚠️と通過チェックが章の順に並んでいる。
- 正答率の低い分野。そこが読み直す章にあたる。
- 間違えた問題だけの復習。各サイトの問題演習にその機能がある。
| 試験の種類 | 開くもの |
|---|---|
| 語学 | 01の要点集と単語帳の章 |
| 文学史 | 02の要点集と早見表 |
| 作品の講読 | 10の該当章の通過チェック |
| 文化・表象 | 05の要点集と早見表 |
| 思想・哲学 | 04の要点集 |
⚠️ 試験前に新しい章を読まない
- 一度読んだ章の要点集を回すほうが定着する。
- 問題を解いて、間違えたところだけ本文に戻る。
- 通過チェックが言えるかどうかで判定する。
場面4 — 卒論の章を書いている
⚡ 手元に置くもの
- 07。構成・引用・注・参考文献の形式。書きながら引く。
- 10の該当章。解釈の分かれ目が、先行研究の見取り図になる。
- 08で決めた枠組みの章。分析の手順が6段階で書いてある。
⚡ 章ごとに引くもの
- 序論 — 07の問いの立て方。
- 背景の章 — 03・04・05から必要な部分だけ。通史を書かない。
- 記述の章 — 07の精読。最も紙幅を使う。
- 分析の章 — 08の該当する枠組み。
- 注と文献 — 07の書誌の章。
⚠️ 背景の章を膨らませない
- 03・04・05は、必要な部分だけ引く。
- 通史の要約は、審査する側がすでに知っている。
- 背景は、そこから何が言えるかまで書いて初めて意味を持つ。
場面5 — 原文が読めない
⚡ 順序
- 1. 01で該当する文法項目を引く。早見表から。
- 2. 語彙が足りないなら、01の単語帳の章。CEFR別に並んでいる。
- 3. 詩なら07の詩法の章。音節と切れ目の数え方。
- 4. 10の「原文を読む」で、その作品の難度と最初に読む場面を確かめる。
⚠️ 難度の順序は時代順ではない
- 20世紀の平易な小説のほうが、19世紀の長編より先に読める(10の領域)。
- 戯曲は台詞が中心で、地の文がない。初級を終えた段階で読める。
- 詩は短いが、難度は高い。
場面6 — 用語の意味が分からない
| 用語の種類 | 引く場所 |
|---|---|
| 文法用語 | 01の用語集 |
| 文学史の用語 | 02の用語集 |
| 批評と理論の用語 | 08の用語集 |
| 研究の作法の用語 | 07の用語集 |
| 様式の名前 | 05の早見表 |
| 地域と運動の名前 | 09の早見表 |
| 政体と制度の名前 | 03の早見表 |
⚡ どこにあるか分からないとき
- このサイトの横断索引を引く(第4章)。
- 470件が、どのサイトの何章に出るかまで書いてある。
- 各サイトには全文検索もある。
⚠️ この章で混同しやすい形
- レポートで、背景の調査から始める。本文の記述から始める。
- 試験前に新しい章を読む。一度読んだ章の要点集を回す。
- 卒論の背景の章に通史を書く。必要な部分だけ引く。
- 原文の難度を時代順と考える。20世紀の平易な作品のほうが先に読める。
⚡ 第3章の通過チェック
- 授業で作品が指定されたときの5段階を言える
- レポートの主題を決める順序と、やってはいけない順序を言える
- 試験前に見るものを3つ言える
- 卒論の章ごとに引くものを言える
- 原文が読めないときの4段階を言える
- 用語の種類ごとの引く場所を言える
次章へ
次章は横断索引の使い方である。
同じ作家が、4つのサイトに出てくることがある。ラシーヌもカミュもそうである。それぞれ違うことが書いてある。——どこに何が書いてあるかを1か所で引くのが、この教材群の470件の横断索引にあたる。