導入|第2章 使う順序 — 4年間のどこで何を開くか
この章の狙い
要点: 全部を同時に進めない。
学年ごとに、開くべき教材と、まだ開かなくてよい教材がある。この章は、その配分を決めるためにある。
学年ごとの重心
| 学年 | 中心に置く | 補助で開く | まだ開かなくてよい |
|---|---|---|---|
| 1年 | 01 語学 | 02 文学史、10 作品 | 04・08 |
| 2年 | 10 作品、07 方法 | 01、02、03 | 08 |
| 3年 | 08 理論、07 方法 | 03、04、05、09 | — |
| 4年 | 07 方法(卒論) | 全部を引く | — |
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⚡ 配分の理由
- 1年は語学に時間を集める。ここで作った基礎が、4年間ずっと効く。
- 2年で作品を実際に読む。同時に、書き方の作法を身につける。
- 3年で枠組みを持つ。同じ作品を別の道具で読み直せるようになる。
- 4年は書く年。新しく読むより、書くための作法に時間を使う。
1年次
⚡ やること
- 01を通す。発音・文法・語彙。単語帳の章を毎日少しずつ。
- 02をざっと1周する。流れの地図を頭に入れる。細部は覚えなくてよい。
- 10で、授業に出た作品の章だけ開く。
- 短編・詩・戯曲を原文で読む。長編は訳で。
⚠️ やらなくてよいこと
- 04と08は開かない。前提が足りない段階で読むと、用語だけが残る。
- 原文で長編を通読しようとしない。時間の使い方として効率が悪い。
- 文学史を暗記しない。引ければよい。
2年次
⚡ やること
- 10を中心に据える。授業で出た作品を、章を開いてから読む。
- 07を通す。引用・注・書誌の作法を、レポートを書く前に。
- 01は語彙を続ける。文法は必要になったときに引く。
- 03を、作品の年に合わせて引く。通読しなくてよい。
⚡ この年の目標
- レポートで、あらすじと解釈を混ぜない書き方ができるようになる(10・07の領域)。
- 出典を正しく示せるようになる(07の領域)。
- 指定された抜粋を原文で精読できるようになる。
3年次
⚡ やること
- 08を通す。理論の枠組みを一通り持つ。
- 07の精読と詩法の章を、実際に手を動かして使う。
- 04・05を、必要な範囲で引く。通読しない。
- 卒論で扱う候補を、10から2〜3作絞る。
- 本国の外を扱う可能性があるなら、09の第2章と該当地域の章を読む。
⚡ この年の目標
- 同じ作品を、2つ以上の枠組みで読めるようになる(08の領域)。
- 先行研究を探して読めるようになる(07の領域)。
- 卒論の領域を決める。ここで09を作るかどうかも決まる。
4年次
⚡ やること
- 07を手元に置く。構成・注・参考文献の形式を、書きながら確かめる。
- 10の該当章の「解釈の分かれ目」から、自分の問いを立てる。
- 03・04・05を、必要な部分だけ引く。
- 08で、使う枠組みを1つに決める。
⚠️ 4年次にやらないほうがよいこと
- 新しい作品を読み始める。扱う作品は3年次までに決める。
- 枠組みを途中で変える。書き直しが大きい。
- 背景の調査を広げすぎる。必要な範囲で止める(07の領域)。
毎日と毎週の配分
⚡ 1日1〜2時間で回すなら
- 語彙 15分。毎日。1年次はここを切らさない。
- 教材を読む 30分。その週の授業に対応する章。
- 問題を解く 15分。前に読んだ章の復習として。
- 原文を読む 30分。進度は気にしない。
⚡ 週に1回やること
- 正答率の低い分野を見る。そこが読み直す章にあたる。
- その週に出た人物・作品を、横断索引で引く(第4章)。
- 次の週に読む章を決めておく。
通読するもの、引くもの
| 通読する | 引く |
|---|---|
| 01(1年) | 03 歴史 |
| 02(1年、ざっと) | 04 思想 |
| 07(2年) | 05 芸術 |
| — | 09 語圏(該当地域だけ) |
| 08(3年) | 10 作品(該当章だけ) |
⚠️ 03・04・05を通読しない
- どれも20章あり、通読には時間がかかる。
- 引くために作ってある。早見表から必要な章だけ開く。
- 例外は、卒論で扱う時代の章。そこは通して読む。
⚠️ この章で混同しやすい形
- 全部を1年目から並行して進める。語学の基礎が薄いまま先へ行くことになる。
- 04と08を1年次に開く。前提が足りず、用語だけが残る。
- 03・04・05を通読しようとする。引くために作ってある。
- 4年次に新しい作品を読み始める。扱う作品は3年次までに決める。
進みが遅れたとき
予定どおりに進まないことは前提にしてある。そのときに何を捨てるかを決めておく。
| 状況 | 優先して残す | 後回しにする |
|---|---|---|
| 1年で語学が終わらない | 01の2〜18章 | 02の通読、21〜26章の網羅 |
| 2年で作品が読めていない | 10の該当章と07の6〜8章 | 03の通読 |
| 3年で理論に手が回らない | 08の1章と早見表 | 08の全章の通読 |
| 4年で時間がない | 07の9章と、記述の章 | 背景の章の充実 |
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⚡ 捨てる順序の原則
- 通読は捨ててよい。引ければよい。
- 記述と作法は捨てない。ここが薄いと、どれだけ読んでも書けない。
- 語彙は毎日続ける。止めると戻すのに時間がかかる。
- 通過チェックが言えない章は、飛ばさずに戻る。
⚠️ 捨ててはいけないもの
- 07の引用と注の章。形式の不備は、内容と無関係に評価を下げる。
- 10の該当章のあらすじ。5分で読める。読まずに授業に出る損が大きい。
- 01の19章。単純過去を知らないままだと、原文の地の文が読めない。
⚡ 第2章の通過チェック
- 学年ごとの中心と補助を言える
- 1年次に開かなくてよい教材を2つ言える
- 2年次の目標を3つ言える
- 3年次に決めるべきことを2つ言える
- 4年次にやらないほうがよいことを3つ言える
- 通読するものと引くものを、それぞれ4つ言える
次章へ
次章は場面から引くである。
授業で作品が指定された。レポートの主題が決まらない。試験が近い。卒論の章を書いている。——それぞれの場面で、どのサイトの何章を開くか。この教材群で最も使う章にあたる。